ひじきは、昔から日本で食べられてきた海藻で、非常に栄養価が高い食べ物として有名です。カルシウムや鉄などのミネラルが豊富に含まれ、ひじきを食べると長生きすると言われてきました。サラダや和え物、煮物など汎用性が高い食品であるため、工夫をすれば小さいお子様から大人まで好んで召し上がっていただくことができます。
今回は、ひじきの栄養やその栄養を効率的に摂取することができるレシピについて説明していきます。
目次
ひじきの旬とレシピ活用法
ひじきは乾燥した状態で1年中スーパーに並んでいますが、実は3~4月が旬と言われています。収穫されたばかりのひじきは硬く渋みが強いため、一度加熱されて乾燥させてから流通しています。スーパーで見かける生ひじきとは、この一度乾燥させたものを再度戻したものです。収穫して茹でただけで乾燥させていないものは、「釜揚げひじき」や「新物生ひじき」と表示されて売られています。これらは旬の時期にしか食べることができませんが、風味や食感がとてもよいため、スーパーでお見かけした際にはぜひ手に取ってみてください。
ひじきには芽ひじきと長ひじきがあります。芽ひじきは、ひじきの葉の部分で柔らかく小さいのが特徴です。長ひじきは、ひじきの茎の部分でこりこりと歯ごたえがあるのが特徴です。この2つは、食感や形状が違うだけなので好みや用途で使いわけるとよいでしょう。
ひじきの選び方と保存法
生ひじきの場合は、柔らかくてみずみずしく、ふっくらとしたものを選びましょう。生ひじきは日持ちしないので、冷蔵庫で保管しなるべく早めに食べましょう。
乾燥ひじきの場合は、黒ければ黒いほど良質とされています。艶のあるものを選ぶようにしましょう。乾燥ひじきは湿気が良くないため、密閉した容器に入れて冷暗所で保存しましょう。
ひじきに含まれる栄養素
・カルシウム
カルシウムは歯や骨の形成を助け、骨粗しょう症の予防をすることができます。ひじきには、牛乳の約12倍のカルシウムが含まれています。
・食物繊維
食物繊維には、整腸作用があり便通の改善効果があります。ひじきにh、ごぼうの約7倍の食物繊維が含まれています。
・マグネシウム
マグネシウムは血液循環を正常に整えたり、カルシウムを骨に吸着させやすくする働きがあります。
・鉄
鉄分は貧血や冷え性を予防することができます。
・ヨウ素
ヨウ素は、甲状腺ホルモンの一種であるチロキシンとトリヨードチロニンの材料となり、エネルギー代謝を活発にして新陳代謝を促進し髪や爪、肌を健康にしたり、成長を促す効果があるため、子どもに積極的に摂取させたい栄養の1つです。
・タンニン
タンニンには中性脂肪を減らし脂肪をつきにくくする効果があります。
・フコキサンチン
ひじきの黒い色はフコキサンチンというカロテノイド系色素の一種によるものです。このフコキサンチンには活性酵素を除去する作用があるためがん予防に効果があると言われています。
ひじきはこれらのように、非常に豊富は栄養が含まれており、女性にうれしいミネラルが多いのでミネラル不足を感じている方におすすめです。また、低カロリーな上、豊富な食物繊維や脂肪をつきにくくするタンニンが含まれてるため、ダイエットにも非常に効果的です。
ひじきのおすすめ調理法
【肉ひじき煮】
乾燥ひじきは、水で戻す必要があります。しかし、長時間水で戻しすぎたり、水で戻した後に強く絞ったりするとせっかくの栄養素が外へ流れ出てしまいます。戻す際にはさっと水で洗った後に、ひじきの10倍程度のたっぷりの水に芽ひじきであれば5分前後、長ひじきであれば10分前後浸しましょう。その後は、ざるに揚げてさっと水気を切るようにしましょう。
ひじきは油と一緒に摂取することで、カルシウム、ビタミンAやヨウ素の吸収率が高まります。また、たんぱく質やビタミンCが多い食材、つまり肉や大豆、緑黄色野菜などと一緒に食べることで鉄分の吸収を促すことができます。さらに、豆腐や油揚げなどのマグネシウムが多く含まれている食品と一緒に食べることで、カルシウムを骨に吸着させやすくなります。
今回は、効率的にひじきの栄養を体に取り込めるような食材を使って、主菜にも副菜にもなる肉ひじき煮のレシピをご紹介します。
【材料】
・芽ひじき 25g
・人参 1/2本(ひじきの大きさに合わせて短冊切りにする)
・豚小間切れ 200g(1㎝大程度に小さく切る)
・油揚げ 1枚(油抜き後ひじきの大きさに合わせて短冊切りにする)
・砂糖 大さじ3
・醤油 大さじ3
・酒 大さじ2
・みりん 大さじ2
・ごま油 大さじ1
【作り方】
① ゴマ油を入れて温めたフライパンで豚こま切れを炒めます。
② 豚肉の色が変わってきたら、人参と油揚げを入れて炒めます。
③ 人参に火が通ったらひじきを入れてさっと炒めます。
④ ひじきに油が回ったら、砂糖・醤油・酒・みりんを入れて汁気が1/3程度になるまで煮ます。
⑤ 汁気が程よく飛んだら完成です。
小鉢として食べてもよいですし、ごはんの上に乗せて肉ひじき丼として食べてもおいしいです。
『ひじきレシピ』まとめ
ひじきは、乾燥させた状態で売られているため1年中手に入れることができ、ミネラルや食物繊維など健康によいとされる栄養が豊富に含まれています。今回は、その栄養素を効率よく摂取するために、豚肉と大豆製品、野菜を一緒に食べられるレシピをご紹介しました。小さい子どもからお年寄りまで、摂取していただきたい栄養をたくさん摂ることができますので、ぜひ1度お試しください。
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