ムール貝 冷えを取り女性の味方

ムール貝 冷えを取り女性の味方
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

黒い貝殻にオレンジがかった肉質が特徴の貝、ムール貝。イタリア料理が日本で広まった頃から、この貝も広く一般に食べられるようになりましたね。実はこのムール貝、おいしいだけではなく、女性にうれしい効能があるのです。今回はそんなムール貝をご紹介します。

◆ムール貝とはどのような貝?

ムール貝とは、本来海や川に生息する二枚貝、とりわけ左右が非対称の形をした貝の総称でした。が、現在は、イタリア料理などで目にする、殻が黒くて比較的大きな二枚貝をムール貝と称しています。

ムール貝はイガイ科に含まれる二枚貝で、原産地は地中海沿岸とされていますが、貨物船に付着するなどして日本沿岸に持ち込まれ、繁殖しました。もともと、日本にはイガイという近縁種が存在していましたが、これに対し、ムール貝にはムラサキイガイという和名が付けられています。

ムール貝は繁殖力が強く、現在では、北海道から九州にかけて、広く日本沿岸の比較的浅い海域に生息しています。主に浅瀬の岩礁や波止、船の係留ロープなどに、足糸といわれる細くてしっかりと固い糸状の組織を出して付着し、プランクトンなどを取り込んで成長しています。
汚染された海域でも生息することができるため、比較的簡単に採取することができるのですが、イガイの仲間は貝毒を貯めやすい貝類の一つとして知られています。

毒性の有無の確認は、特定の機関での検査が必要となりますので、個人的に採って食べるのは避けた方がよいでしょう。
日本では牡蠣やホタテ貝の養殖のいかだなどに付着しているものから採られていることが多く、主な産地は広島県、宮城県、三重県などとなっています。
旬は地域によって違い、初夏から夏、また、冬に旬を迎えるものもあります。

◆ムール貝の栄養価とは?

①たんぱく質
たんぱく質は糖質、脂質とともに三大栄養素の一つに数えられ、私たちが生存していくうえで欠かせない、大切な栄養素の一つです。私たちの筋肉や骨のもとになるほか、血液や免疫物質の材料としても利用されています。
また、1gあたり4kcalのエネルギーを作り出す働きもあります。

②鉄
鉄は血液中のヘモグロビンの成分となり、私たちが呼吸によって取り込んだ酸素を、体の隅々まで届ける役割を果たしています。
そのため、鉄分が不足すると体が酸素不足となり、頭痛や息切れなどの原因ともなる、鉄欠乏性貧血を引き起こしてしまいます。また、酸素不足を解消しようと、心臓が酸素を送り届けるために強く働くようになり、動悸や息切れを起こすことがあります。

③ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸とともに働き、赤血球中のヘモグロビンを作る働きをしています。
また、細胞の遺伝情報を保持しているDNAや、たんぱく質などの合成にも一役買っています。ビタミンB12が不足すると悪性貧血を引き起こすことがあります。

④アルギニン
アルギニンは成長ホルモンの分泌を促し、筋肉を強くしたり免疫力を高めたりする働きがあります。また、アンモニアを解毒したり肌を美しく保ったりする働きもあることが知られています。

⑤アスパラギン酸
アスパラギン酸は体内でエネルギーを作り出す働きを促し、疲労回復に役立ったり、アンモニアを体外へと排出したりする働きを担っています。また、体液のバランスを整えて代謝を高め、肌の再生を活発にし、美しく保つ働きがあります。

◆ムール貝のワイン蒸し

ムール貝のワイン蒸し

●ムール貝の下処理の方法とは?

ムール貝は蝶番の反対側に足糸といわれる固い糸状のものがついています。
未洗浄のものを購入した時は、まず、殻をたわしなどでこすり洗いし、海藻やごみ、割れた貝殻のかけらなどを取り除きます。そのあと、骨抜きなどを利用し、足糸を抜き取ります。

【ムール貝のワイン蒸し 材料】   2人分
・ムール貝・・・10個
・にんにく・・・1かけ
・オリーブオイル・・・大さじ1
・白ワイン・・・大さじ3
・パセリ・・・適宜
・塩・胡椒・・・各適宜

ムール貝のワイン蒸し

【作り方】

①ムール貝は、必要に応じて上記下処理方法を参考に掃除をしておきます。にんにくは皮をむき、縦半分に切って芽を取りのぞき、鍋などでかるく叩いてつぶしておきます。
パセリはみじん切りにしておきます。

②フライパンにオリーブオイル、①のにんにくを入れ、にんにくの香りが出てくるまで、弱めの中火で加熱します。

ムール貝のワイン蒸し

③②のフライパンに①のムール貝、白ワインを注ぎ入れ、蓋をして貝が開くまで中火で蒸し焼きにします。

ムール貝のワイン蒸し

④ムール貝の口が開き、火が通ったら塩こしょうで味を整え、器に盛ってから①のパセリを散らして完成です。

◆ムール貝レシピのまとめ

ムール貝は、現在でもアサリやハマグリほど、頻繁に家庭に上ることはないかもしれません。しかし、とても栄養価が高い貝の一つでもあります。今回ご紹介したワイン蒸しのほか、パスタやパエリア、日本酒で酒蒸ししたものを利用して、混ぜご飯やシーフードサラダなど、実にバリエーション豊かに利用することができる貝です。

スーパーマーケットでは魚コーナーのほか、冷凍食材の一つとして販売されていることもあります。ぜひ日々の食材の一つとして、ご利用くださいね。

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この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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