料理にコクとうま味を与えてくれるバターは洋食やお菓子作りなど様々な料理に大活躍な食材。朝食に食パンとバターの組み合わせが欠かせない方も多いのでは?一方で、カロリーやコレステロールが高いイメージがありますが、バターには脂質だけでなくビタミン類も含まれています。バターの特徴や栄養についてご紹介します。
目次
◆バターとはどんな食材?
バターは牛乳に含まれている脂肪の粒を集めて固め、練り上げて作られます。バターには良質な脂質が豊富で、80%以上の成分が乳脂肪でできています。
バターはカロリーやコレステロールが高いイメージがあり、気にして控えている方も多いのではないでしょうか?もちろん、動物性食品のバターにはコレステロールが含まれています。とりすぎると生活習慣病の原因にもなりますが、コレステロールは体には欠かせない栄養素なので、適量を摂取する必要があります。また、脂質のなかでもバターは比較的消化がよく、効率的にエネルギーに変えることができると言われています。さらに、美肌作りに欠かせないビタミンAや骨の健康にかかわるビタミンDなど、ビタミン類も豊富に含まれているのが特徴です。
◆バターの種類について
・非発酵バター
日本国内で販売されているバターは主に非発酵バターです。乳酸菌によって発酵をさせないバターで、クセがなく料理にもお菓子にも使いやすいことが特徴です。食塩を添加しているものとしていないものがあり、家庭で一般的に使用されているのが有塩バターです。有塩バターは1.5%ほどの食塩を添加することで風味がよくなり、保存性も高くなります。一方、無塩バターは食塩を添加していないバターで、お菓子作りによく用使用されます。
・発酵バター
原料のクリームを乳酸菌で発酵させてから作るバターです。ヨーロッパではこの発酵バターが主流です。発酵による独特の味や香りがあります。パンに塗ったり、料理やお菓子作りに使用したりと非発酵バターと同じように使用できます。
◆バターの保存方法
バターは温度や空気、光に敏感な食材です。バターは28度以上で溶ける性質があり、一度溶けてしまうと再度固めても元の風味にはもどりません。保存は10度以下が最も適している温度なので、必ず冷蔵庫で保存しましょう。また、空気に触れると酸化してしまうので、ラップやアルミホイルでしっかりと包んで保存することがポイント。さらに、匂い移りを防ぐために、匂いの強い食品とは分けて保存するのがおすすめです。
◆バターに含まれる栄養
【バター(可食部100gあたり)】
有塩バター | 食塩不使用バター | |
エネルギー | 745㎉ | 763㎉ |
水分 | 16.2g | 15.8g |
たんぱく質 | 0.6g | 0.5g |
脂質 | 81.0g | 83.0g |
ナトリウム | 750㎎ | 11㎎ |
カルシウム | 15㎎ | 14㎎ |
ビタミンA | 520㎍ | 800㎍ |
ビタミンB1 | 0.01㎎ | 0㎎ |
ビタミンB2 | 0.03㎎ | 0.03㎎ |
ビタミンD | 0.6㎍ | 0.7㎍ |
ビタミンE | 1.5㎎ | 1.4㎎ |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・脂質
バターには良質な乳脂肪が豊富に含まれており、約80%が脂質でできています。脂質は効率のいいエネルギー源で、細胞膜を作る原料にもなるのできれいな肌や髪を作るためにも欠かせません。脂質の一種であるコレステロールは体に悪いものというイメージが強いかもしれませんが、細胞膜を構成したりホルモンを作る材料になったりと体に必要不可欠な栄養素です。有塩バター100g当たりのコレステロールは210㎎。料理に10g程度使用しても21㎎です。卵1個には約250㎎のコレステロールが含まれているので、バターを少量食べる分にはコレステロールはそれほど多くありません。
・ビタミンA
ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンです。粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。強い抗酸化作用を持ち、アンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・カルシウムの吸収を助ける!ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。魚介類やきのこ類にも多く含まれています。ビタミンDは食品から摂取する他に、日光に当たることで紫外線により皮下で合成されます。また、免疫力をアップする効果も期待できます。
・体の老化を防ぐ!ビタミンE
強い抗酸化作用を持ち、体の老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。また、血行をよくする働きもあり、冷え性の改善にも効果が期待できます。
◆バターとマーガリンの違いとは?
バターとよく似ている食品にマーガリンがありますが、この違いは原料によるものです。バターは牛乳から作られる動物性の油脂ですが、マーガリンは植物性の油脂を主な原料に作られます。マーガリンはバターに比べて、あっさりとした風味でバターよりも安価、やわらかいためパンに塗りやすいなどの特徴があります。マーガリンで気になる成分といえば、トランス脂肪酸。トランス脂肪酸は体内のコレステロールを増やす働きがあり、とりすぎると心疾患などの原因になると言われています。バターもマーガリンも食べ過ぎには注意が必用です。
◆レシピ|きのこのバター醤油ソテー
バターの風味としょうゆの香ばしい風味が食欲をそそる定番のきのこソテー。バターを仕上げに加えることで風味よく仕上がります。おつまみにもピッタリ!
【材料(2人分)】
しいたけ…2個
しめじ…1/2株
エリンギ…1本
薄切りベーコン…2枚
オリーブ油…大さじ1/2
バター(有塩)…10g
しょうゆ…大さじ1/2
ブラックペッパー…少々
【作り方】
①しいたけは石づきと軸を切り落として5㎜幅に切り、軸は半分に切る。しめじは小房にわけて、エリンギは長さを半分に切って縦6等分に切る。ベーコンは1㎝幅に切る。
②フライパンにオリーブ油を熱し、しいたけ、しめじ、エリンギを炒める。しんなりとしてきたらベーコンも加えて更に炒める。
③具材に火が通れば、バター、しょうゆを加えて炒め合わせる。皿に盛り、ブラックペッパーをふれば出来上がり。
【ポイント】
・きのこはまいたけやマッシュルーム、えのきなどお好みのきのこでアレンジ可能です。
◆バターレシピのまとめ
料理にコクとうま味をプラスしてくれるバター。独特の風味や香りは食欲をそそりますよね。パンに塗ったり、料理に活用したりと美味しくいただきましょう。
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