しっとりとした食感と塩気が美味しい生ハムはおつまみだけでなくサラダやパスタなど料理にも大活躍な食材です。一口に生ハムといっても豚の品種や製法によってさまざまな種類があることをご存知でしたか?生ハムの種類と簡単レシピをご紹介します。
目次
◆生ハムとは
生ハムの歴史は古く、ヨーロッパではローマ時代から食べられていたと言われています。
豚もも肉をかたまりのまま塩漬けにした後、乾燥しながら長期熟成させるものや塩漬け後に低温で燻製するものがあります。
一般的なハムは、豚肉を塩漬けまたは塩せきしてから燻製して、蒸す、ボイルするなどの工程で作られていますが、生ハムは蒸す、ボイルするなどの工程を行わないことが大きな違いです。
「生」とついていますが、生肉というわけではなく蒸すなどの加熱をしないことから一般的なハムと区別して生ハムと呼ばれています。
豚の品種や製法によってイタリアのプロシュットやスペインのハモン、中国の金華ハムなど、さまざまな種類の生ハムがあります。
日本で作られている生ハムのほとんどはドイツ系の製法で作られるラックスハムと呼ばれるものです。プロシュットやハモンは燻製しませんが、ラックスハムは低温で燻製をすることが特徴です。
イタリアやスペインなどのヨーロッパ系の生ハムの多くは、塩漬けにした後風通しのいい場所につるして半年〜数年かけて乾燥、熟成させます。
熟成期間が長いので、日本の生ハムに比べて水分が少ないことが特徴。熟成期間によって風味も異なります。
生ハムの種類
・ラックスハム
ラックスとはドイツ語で「鮭」のことで、生ハムの鮮やかな赤色や断面が鮭に似ていることから名付けられたと言われています。豚肉を塩漬けした後に乾燥させ、25度以下の低温で燻製されます。塩味が強く、コクのある味わいが特徴です。
主に豚もも肉を使って作られますが、日本では、ロースや肩肉など、もも肉以外を使用した生ハムも作られています。
・プロシュット
イタリアではハム全般のことをプロシュットと呼び、加熱したものは「プロシュット・コット」、加熱していないものを「プロシュット・クルード」といいます。
日本では加熱していない「プロシュット・クルード」を生ハムと呼ぶことが多いです。
豚の皮をつけたまま塩漬けにするので塩味が控えめで、やわらかな口当たりが特徴です。熟成期間にもよりますが、クセが少なく食べやすい生ハムです。
パルマ産の豚肉を使った「プロシュット・ディ・パルマ」は世界三大ハムのひとつです。
・ハモン
スペイン産の生ハムで、ハモン・セラーノやハモン・イベリコなどの種類があります。
「ハモン・セラーノ」は世界三大ハムのひとつで、白豚を使って作られる生ハムです。セラーノとは山のことで、「山のハム」という意味です。
豚の皮を取り除いてから塩漬けされているので塩味が強くコクのある味わいが特徴です。
ハモン・イベリコはイベリコ豚という黒豚を使って作られるもので、生産量が少なく希少な生ハムです。
・金華ハム
世界三大ハムのひとつで、中国浙江省の金華地方で作られています。金華豚の後脚のももを塩漬けしてから乾燥させ、1年ほど熟成します。
塩味が強く食感もかたいので他の生ハムと違いそのまま食べず、調理してから食べることが特徴です。スープや蒸し物、炒め物などに使用されます。
◆生ハムの栄養
【生ハム 促成(可食部100gあたり)】
エネルギー…243㎉
水分…55.0g
たんぱく質…24.0g
脂質…16.6g
炭水化物…0.5g
ナトリウム…1100㎎
カリウム…470㎎
リン…200㎎
亜鉛…2.2㎎
ビタミンB1…0.92㎎
ビタミンB2…0.18㎎
ナイアシン…9.9㎎
ビタミンB6…0.43㎎
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・体を作るもとになる!たんぱく質
生ハムにはたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は筋肉や内臓、骨、皮膚、髪の毛、血液などを作るもとになり、これらは毎日新しく作られているので毎日摂取することが大切です。
生ハムは加熱せずにそのまま食べられるので、手軽にたんぱく質を摂取できますが、塩分が多いので食べ過ぎには注意が必要です。
・糖質の代謝を助ける!ビタミンB1
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける働きがあります。
ご飯やパンなどの炭水化物だけを摂取してもビタミンB1が不足していると体内でエネルギーを作ることができません。炭水化物を食べる場合はビタミンB1を含む食材と一緒に食べると効果的です。
・脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2
ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンです。脂質が新しい細胞を作る手助けをすることで、皮膚や粘膜などを健康に保つことができます。
また、子どもや胎児の発育を助ける働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれています。
・三大栄養素の代謝に関わる!ナイアシン
ナイアシンはビタミンの一種で、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わり、エネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働きます。また、皮膚や粘膜の健康を保つ働きもあります。
さらに、アルコールの分解にも欠かせない栄養素で、お酒と一緒にナイアシンを含む食材を食べることで二日酔い予防にも効果が期待できます。
◆生ハムの美味しい食べ方
生ハムは冷蔵庫から出してすぐよりも少し室温においた方が美味しく食べることができます。室温に戻すことで口の中で香りが広がり、より生ハムの風味を楽しむことができますよ。
そのまま食べるだけでなく、塩気の強い生ハムはメロンやいちじく、柿などの甘いフルーツとも相性抜群です。フルーツを生ハムで巻いたり、一緒にサラダに加えても美味しいです。
また、ワインと一緒に生ハムを食べるなら同じ産地のものを選ぶのがおすすめです。
イタリアの生ハムにはイタリアのワイン、スペインの生ハムにはスペインのワインと同じ産地のものを選ぶと相性がいいと言われています。ぜひ、お好みでお試しください。
◆生ハムのおすすめレシピ
生ハムとキャベツのコールスロー
シャキシャキ食感のキャベツに生ハムの塩気がよくあうサラダです。
【材料(2人分)】
生ハム…4枚(約50g)
キャベツ…200g
Aマヨネーズ…大さじ1・1/2
A酢…小さじ1/2
A砂糖…小さじ1/2
Aこしょう…少々
塩…適量
【作り方】
①キャベツは千切りにして、塩小さじ1/2をもみ込んで約10分おき、よく水気をしぼる。
②生ハムは5㎝幅に切る。
③ボウルに【A】を合わせて、①と②を加えて混ぜ合わせる。
【ポイント】
・生ハムはラックスハムを使用しました。
・生ハムの塩気によって、生ハムの分量や調味料の分量を調整してください。
◆生ハムレシピのまとめ
生ハムは種類や熟成期間によっても味わいが異なるので、食べ比べをしてみるのも楽しいですね。ワインのおつまみはもちろん、料理に加えてアレンジも楽しんでみてはいかがでしょうか。ただし、塩分が多く含まれているので食べ過ぎには注意が必要です。バランスのいい食事を心がけましょう。
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