三つ葉は独特の香りと味わいで、日本の料理の様々なトッピングに使われており、和食には欠かせない食材です。葉が3枚に分かれているため三つ葉と呼ばれています。料理の最後に散らばせたり、添えたりする脇役のイメージが強い三つ葉ですが、実はとても重要な栄養素を多く含んでいます。今回は、三つ葉の栄養やそのレシピをご紹介していきます。
目次
三つ葉とはどんな食材?
三つ葉はセリ科ミツバ属の日本原産の香味野菜で、その旬は春から初夏にかけてであると言われています。旬の時期には香りがより高く、栄養も多く含まれます。
三つ葉には、糸三つ葉、根三つ葉、切り三つ葉などの種類があり、一般的にスーパーでよく目にするものは糸三つ葉です。糸三つ葉は水耕栽培されており、葉が小さめで香りが強いことが特徴で、アクが少ないので生で食べることができます。寝三つ葉は白い茎に根のついた三つ葉で、栄養価が高く、香りや味も濃く、歯触りがよいためおひたしなどの調理に向いています。切り三つ葉はやや太めの白い茎と薄い緑色の葉が特徴で、アクが少なく生で食べることができます。
三つ葉の選び方と保存法
三つ葉は、緑色が鮮やかで葉がピンとしているものを選びましょう。茎が変色しておらず香りが強いものが鮮度がよいと言えます。鮮度が落ちてくると、葉が黄色くなり茎が変色してしまいます。
三つ葉は乾燥すると香りが飛ぶので、乾燥させないように保存することが大切です。三つ葉を濡れたキッチンぺーパーに包みビニール袋に入れて冷蔵庫で立てて保存しましょう。根がついている場合は、根を水に浸しておくことも保存のポイントです。この方法で4~5日は保存が可能です。
多くて一度に使用できない場合は、よく洗って使いやすい大きさに切った後に密閉容器に入れて冷凍保存しましょう。冷凍した場合は、生で食べると歯ざわりがあまりよくないので、加熱して使用するようにしましょう。冷凍した場合は1か月ほど保存可能です。
三つ葉に含まれる栄養素
三つ葉には、βカロテンやカリウムなどの重要な栄養素に加えてその独特の香り成分も含まれています。
・βカロテン
βカロテンは、体の中でビタミンAへ変化する作用があります。ビタミンAは目を保護する作用があり視力を維持してくれます。また抗酸化作用があり、肌の老化を遅らせる美肌効果や、のどや鼻の粘膜に作用して細菌やウイルスから体を守る効果もあります。抗発がん作用や免疫を活性化する作用もあります。さらには、動脈硬化などの病気の予防も期待できます。
・カリウム
カリウムは、身体の中の塩分を外へ排出する効果があり、むくみの予防や高血圧の改善を期待することができます。
・鉄分
三つ葉には、鉄分が豊富に含まれており貧血予防に効果的です。また、肝臓を保護することもできます。
・クリプトテーネン、ミツバエン
クリプトテーネンやミツバエンは三つ葉に含まれる香り成分で、食欲増進や消化促進などの効果があります。また、イライラを解消するリラックス効果や不眠症を改善する効果もあり、精神を安定させることもできます。
三つ葉のおすすめ調理法
【三つ葉のかきたまスープ】
三つ葉の栄養素であるβカロテンやカリウムは加熱しても栄養は壊れず、特にβカロテンは加熱することで吸収されやすくなると言われています。しかし、カリウムは水溶性であるため、茹でた水を捨ててしまうと栄養が流れ出てしまいます。加熱するときには、煮汁も一緒に食べられるような調理方法がおすすめです。また、三つ葉はあまり加熱してしまうと、食感や香りが損なわれてしまうので、香りを楽しみたい人はさっと加熱する程度にとどめておくことをお勧めします。
今回は、三つ葉の香りをいかした優しい味の三つ葉のスープのレシピをご紹介します。
【材料】
・三つ葉 1束
・たまねぎ 1/4個
・溶き卵 1個
・水 500ml
・しょうゆ 小さじ1
・鶏がらスープの素 小さじ1
・塩 少々
・片栗粉 大さじ1
・水 大さじ1
【作り方】
① 三つ葉とたまねぎを食べやすい大きさに切ります。
② 水、しょうゆ、鶏がらスープの素、塩、たまねぎを入れて加熱します。
③ たまねぎが柔らかくなったら、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
④ 溶き卵と三つ葉を入れて火を止めます。
⑤ 器に盛って完成です。
『三つ葉レシピ』まとめ
三つ葉は、彩りがきれいで香りが高く、和食の添え野菜として活躍します。特に旬の春から初夏にかけては香りが強くなります。三つ葉には、βカロテンやカリウムが豊富に含まれて、高血圧予防や様々な病気の予防や視力維持、美肌効果などが期待されます。さらに、独特の香り成分は、精神安定や食欲増進などの効果があります。今回は、その栄養と効果を十分に取り入れられるように、卵でとじたスープのレシピをご紹介しました。とてもやさしい味わいと、三つ葉のよい香りが相まっておいしく召し上がっていただくことができます。
脇役とされがちな三つ葉ですが、ぜひその香りを楽しみながら旬の時期に存分にレシピに取り込んで多くの栄養を摂取してみてください。