黒きくらげは血栓予防に効果的

黒きくらげは血栓予防に効果的
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黒きくらげというと、中華食材売り場で見る乾燥したものが一般的ですね。しかし、最近、スーパーマーケットのキノコ売り場でも目にすることができるようになりました。レストランや市販のお惣菜で召し上がったことはあると思いますが、ご自宅で料理されたことはありますでしょうか?今回は黒きくらげの栄養価や効能、また、おいしいレシピをご紹介します。

黒きくらげとは?

きくらげ(黒きくらげ)とは、キクラゲ科キクラゲ属に分類されるキノコの一種です。一般的なキノコのように足があり、傘がある、という形ではなく、ケヤキに代表される広葉樹の枯れ木などに、まるで人間の耳がついたように生えています。そのため、漢字で書くと「木の耳(木耳)」と書きます。
世界各国で自生していることが確認されていますが、食用とするのは日本や中国をはじめとするアジア諸国のみで、欧米ではあまり食べることはありません。
日本で利用されているきくらげの、実に95%以上は、乾燥きくらげとして主に中国からの輸入に頼っていますが、栽培時の農薬の使用に対する懸念から、国産品の需要が高まりつつあり、生産量は増加傾向にあります。
そのため、最近はスーパーマーケットなどで国産の生の黒きくらげを目にすることができるようになってきました。

黒きくらげの栄養とは?

① ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンで、糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変換し、代謝を司る役割を担っています。口角炎、口内炎をはじめとする粘膜の炎症を抑える働きがあります。

② ビタミンD・エルゴステロール

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの吸収を助け、骨粗しょう症予防効果が認められています。食品から取るほか、日光にあたることで体内でも作り出すことができます。
ビタミンDが不足すると、くる病や骨粗しょう症を招き、過剰摂取は高カルシウム血症、腎障害などを引き起こすことがあります。サプリメントを利用する場合は注意が必要です。
黒きくらげをはじめとするキノコ類には、エルゴステロールという成分が多く含まれています。エルゴステロールは紫外線にさらされることでビタミンDに変化する性質があります。

③ カルシウム

カルシウムは私たちの体内に含まれる総量のうち、99%が骨や歯に蓄えられています。残り1%は血液や体液中に含まれ、止血を助け、神経伝達や筋肉の動きを促し、生命活動の維持を行う役割を果たす栄養素のひとつです。

④ 鉄分

鉄は成人の体内に3~4グラム存在しています。そのうち約70%は血液の中のヘモグロビンに含まれ、体の隅々まで酸素を運ぶ役割を担っています。鉄分が不足すると、体の隅々まで酸素が行き渡らなくなるため、心臓は酸素をいきわたらせるためにより多くの血液を送り出さなければいけません。そのため、動機や息切れが多くなります。
残り25%は肝臓に貯蔵されていて、必要に応じて放出されています。

⑤ 食物繊維・βグルカン

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維は小腸で栄養素の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑え、コレステロールやナトリウムを吸着し、体外に排出する働きがあります。不溶性食物繊維は有害物質を吸着して排せつするとともに、水分を抱え込んで便のかさを増やし、便秘の改善に効果的です。
中でも、きくらげにはβグルカンという食物繊維が多く含まれています。
βグルカンとは、キノコや酵母の細胞膜に含まれる食物繊維の一種です。マクロファージやリンパ球、ナチュラルキラー細胞といった免疫細胞に働きかけることにより、活性を高め、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防、がんの抑制に効果があるといわれています。

⑥ アデノシン

黒きくらげには、アデノシンという物質が多く含まれています。アデノシンには、血小板が凝集するのを予防し、コレステロール値の上昇を抑えて血液をサラサラにする効果が認められています。

黒きくらげ(乾燥)の戻し方

乾燥した黒きくらげは、干しシイタケ同様、戻して調理します。
きくらげはさっと洗ってから、ボールにひたひたの水と共に入れておきます。きくらげは保水力が強く、長時間つけていると、生の時の水分量よりも多くの水分を吸ってしまい、柔らかくなりすぎてせっかくの食感が台無しになってしまいます。
調理を始める5~6時間前くらいに水につけ、戻すとよいでしょう。なお、戻すと約7倍に膨らみます。すぐに食べきれる量を戻すことが一番大切ですが、戻しすぎた場合は底に水が溜まらないようにキッチンペーパーなどを敷いた保存容器に入れ、できるだけ早く召し上がるようにしてくださいね。

黒きくらげと卵の中華風炒め物

さまざまな栄養素を含む黒きくらげですが、たんぱく質は含んでいません。
卵をプラスして足りない栄養素を補い、一皿でできるだけ多くの栄養が取れるメニューに仕上げました。ボリュームが欲しい時は豚薄切り肉をプラスしてもよいですね。
【材料】   2人分
卵         2個
塩         少々
玉ねぎ       中1/4個
黒きくらげ     2枚
プチトマト     4粒
中華スープのもと  小さじ1/2~
(種類により塩分濃度が違いますので、加減して加えてください)
ニラまたはネギ   3本程度
しょうゆ・こしょう 各適宜
ごま油       大さじ1
【作り方】
① 乾燥黒きくらげの場合は、上記の方法で戻し、細切りにしておきます。
② 玉ねぎはくし切りに、ニラまたはネギは小口に切っておきます。

作り方②

③ フライパンにサラダオイルを熱し、玉ねぎを炒めます。全体に油がまわり、透明感が出てきたら黒きくらげを加えてさっと炒め、一旦取り出しておきます。

作り方③

④ 卵を溶きほぐし、塩を加えて③のフライパンで炒り卵を作り、半熟程度になったら③の玉ねぎと黒きくらげを戻して全体を混ぜ、中華スープの素を少量の湯(分量外)で溶いたものを振り入れてからめ、半分に切ったプチトマト、しょうゆ・こしょうで味を整えます。

作り方④

⑤ 器に盛り、②のニラまたはネギをちらします。

作り方⑤

黒きくらげレシピのまとめ

まだまだ、黒きくらげは、しいたけやエノキタケのようになじみがあるきのことは言い難いところがありますね。
しかし、今回ご紹介したように、とても豊富な栄養を含んでいます。酢の物やサラダにほんの少量使用するだけで、栄養をプラスし、黒い色が引き締め役になって、料理を引き立ててくれますよ。
なお、黒きくらげに限らず、キノコ類は生食すると食中毒を起こす可能性がありますので、必ず茹でるか炒める工程を加えて召し上がってくださいね。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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