特徴を知って使いこなそう クリーム

特徴を知って使いこなそう クリーム

クリームとは

クリームは、生乳の乳脂肪分を取り出したものです。乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)において、「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」と定義されており、「生クリーム」「フレッシュクリーム」などとも呼ばれます。乳化剤や安定剤を加えたもの、植物性脂肪を混ぜたものなどは、乳等省令に該当する区分がないため「乳又は乳製品を主要原料とする食品(乳等を主要原料とする食品)」に分類されており、これらを総称して「クリーム類」と呼ばれます。

クリームの歴史

クリームは、古くは自然に分類した乳脂肪を使っていたため、作るのに手間がかかりました。19世紀に遠心分離機(セパレーター)ができてからは、脂肪分の高いクリームを作ることができるようになりました。日本では1923年に製造が開始されましたが、一般に普及したのは第二次世界大戦後です。昭和40年代後半になってからは冷蔵ケースの普及もあり、ケーキもバタークリームに代わって、ホイップしたクリームを使ってデコレーションしたケーキが一般的になりました。

クリームの種類

・クリーム
生乳の乳脂肪のみを分離したもので一切の添加物がなく、脂肪分が18.0%以上のものです。乳脂肪独自のまろやかな風味とコクがありますが、比較的賞味期限が短く、振動に弱い、分離しやすいなど、扱いが難しいことがあります。価格も高めです。
・乳又は乳製品を主要原料とする食品
a;乳脂肪のものに乳化剤や安定剤などが加えられています。風味やコクはクリームと同等で、安定性や保形性が良く、クリームよりも扱いやすくなっています。賞味期限は比較的短く、価格はクリームよりもやや安いものが多いようです。
b;乳脂肪にヤシ油やパーム油などの植物性脂肪を加えたもので、コンパウンドクリームとも呼ばれます。乳化剤や安定剤なども添加されています。乳脂肪と植物性脂肪の割合は、製品によって異なります。
c:乳脂肪を植物性脂肪に置き換えたものです。乳化剤や安定剤なども添加されています。風味やコクはクリームには劣りますがさっぱりとしています。消費期限が長く、安定性や保形性が高く作業性に優れており、価格も安価です。

クリームの使い分け

クリームが主役となる濃厚なスイーツを作る場合は、乳脂肪分が40%以上のものを選ぶとよいでしょう。ただし乳脂肪分が高いクリームは、ホイップしたときに分離しやすいことがあるので注意が必要です。フルーツなど他の素材の味を引き出したい場合は、乳脂肪分40%未満のクリームを使う方がバランスよく仕上がるといわれます。また乳脂肪分の低いクリームは、ホイップしたときに高脂肪のクリームよりも多くの空気を含むことができるので、クリームの気泡を生かしたムースなどを作る場合は、乳脂肪分の低いクリームが適しているといえます。料理に使用する場合も同様に、乳脂肪分が高いクリームを使うと、少量でもコクや風味を出すことができます。パスタソースなどクリームを味わいたい場合は、乳脂肪分の高いものを選ぶと濃厚なソースができますし、あっさりと仕上げたい場合は、植物性脂肪のクリームが適しています。組み合わせる食材によっても使い分けてみるとよいでしょう。

クリームの栄養

クリームの主要な成分は脂質であり、乳脂肪分が高いものほどビタミンAなどの脂溶性ビタミンを多く含んでいるといえます。

脂質

クリームの栄養素のほとんどは、乳脂肪からななる脂質です。脂質は1gあたり9Kcalで、糖質やタンパク質と比較すると少量で多くのエネルギーを得ることができます。近年の研究で、牛などの反芻動物の第1胃にいる微生物が飼料中のリノール酸やαリノレン酸を利用するときに生成する、乳脂肪中の「共役リノール酸(CLA)」には、動物の実験においてがんの抑制効果や、肥満を抑制する効果、アレルギー反応の軽減効果などがあることがわかっており、さらなる研究が続けられています。

ビタミンA

ビタミンAは脂溶性ビタミンです。目や皮膚の粘膜の健康を保ったり、抵抗力を高める働きがあります。また明暗順応を正常に保ったり、上皮細胞でがんを抑制する効果もあるといわれています。

ビタミンK

ビタミンKは血液の凝固にかかわっているビタミンです。血液が凝固するときにはプロトロンビンなどの血液凝固因子が必要ですが、プロトロンビンが生成するときにビタミンKが補酵素として働きます。また、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用もあります。

薬膳の効果

五臓の働きを高め、肺や胃腸を潤す効果があります。

クリームのレシピ

クリーム類は、製品のパッケージ表示に従って冷蔵保存しましょう。温度差や凍結、振動などによって物性が変化することがあるため、冷蔵庫のドアポケットや、吹き出し口の近くに置くのは避けましょう。残ったクリームは冷凍することができます。製氷皿などに少量ずつ入れて冷凍し、凍ったら冷凍用の保存袋に入れて保存します。解凍後は分離することがあるため、煮込み料理などに利用しましょう。しっかりとホイップしてから冷凍すると、解凍後も分離しにくくなります。

【ポテトとチキンのクリームグラタン】

ポテトとチキンのクリームグラタン

【材料】(2人分:長径18㎝楕円形のグラタン皿2個)
・クリーム (乳脂肪分35%)   200ml
・じゃがいも           3~4個
・玉ねぎ             1/2個
・鶏モモ肉            150g
・オリーブオイル         小さじ1
・にんにくチューブ        1㎝くらい
・塩、こしょう          適量
・ピザ用チーズ          適量
・マヨネーズ(お好みで)     適量

【作り方】
1.グラタン皿にバターまたはマーガリン(分量外)を薄く塗っておきます。
2.玉ねぎはスライスにします。鶏肉はひと口大に切っておきます。

作り方2

3.フライパンにオリーブオイルとにんにくチューブを入れて火をつけ、玉ねぎと鶏肉を炒めます。玉ねぎの水分を飛ばすようにじっくりと炒め、塩、こしょうで味をつけておきます。
4.じゃがいもを洗って皮をむき、半分に切ってから5㎜くらいのスライスにします。水にさらさずに、そのままグラタン皿に並べていきます。

作り方4

5.グラタン皿にふんわりとラップをかけて電子レンジに入れ、600Wで3~5分を目安にじゃがいもがやわらかくなるまで加熱します。
6.じゃがいもの上にピザ用チーズをのせます。
7.炒めた玉ねぎと鶏肉をのせます。
8.クリームを注いでピザ用チーズをのせます。お好みでマヨネーズをかけましょう。

作り方8

9.200℃に予熱したオーブンで15~20分焼いてできあがりです。

作り方9

※ 焼き上がりが水っぽくならないように、玉ねぎはしっかりと炒めましょう。

まとめ

クリームは乳等省令によって定義されており、分類されています。乳脂肪分の割合や添加物、乳脂肪を植物性脂肪に置き換えたものなど、いくつかの種類があり、それぞれに特性があります。クリームの特性によって使い分けて、味だけでなく見た目もワンランクアップしましょう。

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