
お手頃な価格で、和洋中とさまざまな料理に活用できる鶏肉は家庭でも登場することが多い食材のひとつ。
胸肉やもも肉、手羽先などさまざまな部位が販売されていますが、その部位によって味わいや含まれている栄養も異なります。
今回のコラムでは、鶏胸肉と鶏もも肉の栄養の違いやそれぞれの特徴について紹介していきます。
パサつきがちな鶏胸肉をしっとりと仕上げるポイントも一緒に紹介!鶏胸肉の煮物のレシピもぜひお試しください。
目次
◆鶏胸肉と鶏もも肉の特徴
ラベルに「若鶏」と記載されているのは、「ブロイラー」という種類で、市場に流通している鶏肉の約9割を占めます。
その他に大山どりや赤鶏さつまなどの「銘柄鶏」と呼ばれる飼育方法を工夫して育てられた鶏肉もあります。
同じ部位でも鶏の種類や飼育方法、エサなどによって 味わいが異なります。
鶏胸肉は高たんぱく低脂肪であっさりとしていることが特徴。うまみ成分であるイノシン酸は鶏もも肉よりも多く含まれています。
肉質はやわらかいですが、火を通しすぎるとパサパサとした食感になりがちです。
蒸し鶏や鶏ハム、煮込み料理、唐揚げなどによく合います。
鶏もも肉は程よい脂肪分が含まれているので、コクがありジューシー。よく動かす部分なので、ややかための食感で弾力があります。
唐揚げや煮物、照り焼き、ソテー、シチュー、炒め物など、さまざまな料理に使いやすい部位です。
◆鶏胸肉と鶏もも肉の栄養
鶏胸肉と鶏もも肉に含まれているカロリーや脂質、栄養素などを比べてみます。
【鶏胸肉と鶏もも肉の栄養(可食部100gあたり)】
鶏胸肉 皮付き 生 | 鶏もも肉 皮付き 生 | |
エネルギー | 133㎉ | 190㎉ |
たんぱく質 | 21.3g | 16.6g |
脂質 | 5.9g | 14.2g |
カリウム | 340㎎ | 290㎎ |
カルシウム | 4㎎ | 5㎎ |
マグネシウム | 27㎎ | 21㎎ |
リン | 200㎎ | 170㎎ |
鉄 | 0.3㎎ | 0.6㎎ |
亜鉛 | 0.6㎎ | 1.6㎎ |
ビタミンA | 18㎍ | 40㎍ |
ビタミンK | 23㎍ | 29㎍ |
ビタミンB1 | 0.09㎎ | 0.10㎎ |
ビタミンB2 | 0.10㎎ | 0.15㎎ |
ナイアシン | 11.0㎎ | 4.8㎎ |
ビタミンB6 | 0.57㎎ | 0.25㎎ |
パントテン酸 | 1.74㎎ | 0.81㎎ |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
カロリーは、鶏胸肉133㎉、鶏もも肉190㎉と脂質が2倍以上多く含まれているもも肉の方がカロリーは高くなります。
たんぱく質は、鶏胸肉が21.3g、鶏もも肉が16.6gです。
1日あたりのたんぱく質摂取推奨量は成人男性で60~65g、成人女性で50gです「日本人の食事摂取基準(2020年版)より」。
鶏肉を100g摂取することで、1日に必要なたんぱく質の約1/3量を摂取することができます。
脂質の摂取量が気になる方は低脂肪な鶏胸肉を選んだり、脂質が多く含まれる鶏皮を取り除いて調理するのがおすすめです。
鶏胸肉には、ナイアシンやパントテン酸が豊富に含まれています。
ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わり、エネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働くビタミンの一種です。
アルコールの分解にも必要なビタミンなので、お酒と一緒に摂取することで二日酔い予防にも効果が期待できます。
パントテン酸は、糖質や脂質をエネルギーに変える働きやストレスを和らげる副腎皮質ホルモンの働きを助ける役割があります。
また、鶏胸肉には、疲労回復効果やアンチエイジング効果が期待できるイミダゾールジペプチドも豊富に含まれています。
鶏もも肉には、ビタミンAやビタミンB2、鉄などが豊富に含まれています。
ビタミンAは、目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンです。
また、抗酸化作用が強くアンチエイジングにも効果があると言われています。
ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンで、鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。
◆鶏肉を美味しく調理するコツ
・臭みをとる
鶏肉の皮の下に多くついている黄色っぽい脂は臭みの原因になります。
全て取り除こうとすると皮が取れてしまうので取れる範囲で取り除いてから調理しましょう。
・焼き縮みを防止する
照り焼きやソテーなど鶏肉を1枚丸ごと焼く場合は、筋きりをしておくことで焼き縮みを防ぐことができます。
フォークを使って皮に数カ所穴を開けてから調理する方法も手軽でおすすめです。
・パサつきを防ぐ
鶏胸肉は脂が少なく水分が多いため、加熱調理によって水分が失われるとパサつきやすくなります。
ゆでる場合は、沸騰した湯で1〜2分ゆでてから火を止め、蓋をして約1時間予熱で火を通します。
湯の温度を65〜75度程度に保ってじっくりと火を入れることでしっとりと仕上がりますよ。保温性の高い鍋で作るのがおすすめです。
焼く場合は、片栗粉や薄力粉をまぶしてから焼くことで、水分が逃げにくくなるのでやわらかく仕上がりますよ。
◆レシピ|鶏胸肉の煮物
煮物にするとパサつきがちな鶏胸肉ですが、繊維を断ち切るように切ることと、片栗粉をまぶしてから煮ることでしっとりと仕上がります。
【材料(2人分)】
鶏胸肉(皮なし)…1枚
しめじ…1/2株
さやいんげん…6本
Aだし汁…240ml
Aしょうゆ…大さじ2
A酒…大さじ1
A砂糖…大さじ1
Aみりん…大さじ1
片栗粉…適量
サラダ油…大さじ1/2
【作り方】
①しめじは石づきを切り落として小房に分ける。さやいんげんはヘタを切り落として長さを3等分に切る。
②鶏胸肉は縦半分に切って、1㎝幅のそぎ切りにする。茶こしで片栗粉を薄くまぶす。
③鍋にサラダ油を中火で熱し、②を炒める。表面の色が変わったら、しめじも加えてさっと炒める。
④【A】を加えて沸騰したら、中弱火で4〜5分煮る。さやいんげんを加えて更に2〜3分煮る。具材に火が通れば出来上がり。
このレシピを動画で見てみる
◆鶏肉レシピのまとめ
鶏胸肉と鶏もも肉の栄養の違いやそれぞれの特徴、鶏肉を美味しく調理するポイントについてご紹介しました。
低脂質であっさりとした胸肉とコクがありジューシーなもも肉。
それぞれカロリーや含まれている栄養が異なるので、料理やお好みによって使い分けてみてくださいね。
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