良質なたんぱく質やイソフラボン、ビタミン、ミネラルなどが豊富でヘルシーな食材として人気を集めているひよこ豆。ホクホクとした食感でクセがなく、いろいろな料理にアレンジしやすいことも魅力のひとつです。ひよこ豆の栄養についてご紹介します。
目次
◆ひよこ豆とはどんな食材?
ホクホクとした食感と香ばしい風味が人気のひよこ豆。その名のとおり、豆にくちばしのような突起があり、ひよこのような形をしています。スペイン語で「ガルバンゾ」、または「エジプト豆」とも呼ばれています。旬の時期は9月~11月頃。アジア西方が原産と言われており、現在ではインドや西アジア、中南米で多く生産されています。日本ではほとんど生産されておらず、メキシコやアメリカ、カナダなどからの輸入ものが流通しています。
ひよこ豆には粒の大きさが10~13㎜程度で肌色をしている大粒種と7~10㎜程度で濃褐色をしている小粒種があります。トルコなどの中東諸国では、ひよこ豆をペースト状にした「フムス」やゆでたひよこ豆をつぶして丸く形を整えて揚げた「ファラフェル」などの料理があります。また、インドなどの南西アジア諸国では、小型種のひよこ豆が多く食べられており、挽き割り豆「ダール」をスープやカレーにしたり、ひよこ豆を粉にした「ベサン」は揚げ物の衣やお菓子作りに使用されます。
日本では、近年のエスニック料理人気から消費量が増えており、現在では水煮やドライパックなど手軽に調理できるものがスーパーに並んでいます。ひよこ豆はクセがなく色々な料理に合わせやすい食材で、サラダやスープ、カレー、煮込み料理などさまざまな料理に活用できます。
◆ひよこ豆の選び方と保存方法
乾燥のひよこ豆は傷や虫食いがなく、形、粒の大きさがそろっているものを選びましょう。密閉容器に入れて冷暗所で保存します。ゆでたものは小分けにして冷凍保存も可能です。
◆ひよこ豆の栄養
【ひよこ豆(可食部100gあたり)】
乾燥 | ゆで | |
エネルギー | 374㎉ | 171㎉ |
水分 | 10.4g | 59.6 g |
たんぱく質 | 20.0 g | 9.5 g |
脂質 | 5.2 g | 2.5 g |
炭水化物 | 61.5 g | 27.4 g |
カリウム | 1200㎎ | 350㎎ |
カルシウム | 100㎎ | 45㎎ |
マグネシウム | 140㎎ | 51㎎ |
リン | 270㎎ | 120㎎ |
鉄 | 2.6㎎ | 1.2㎎ |
ビタミンE | 2.5㎎ | 1.7㎎ |
ビタミンB1 | 0.37㎎ | 0.16㎎ |
ビタミンB2 | 0.15㎎ | 0.07㎎ |
ビタミンB6 | 0.64㎎ | 0.18㎎ |
葉酸 | 350㎍ | 110㎍ |
パントテン酸 | 1.77㎎ | 0.48㎎ |
食物繊維総量 | 16.3 g | 11.6 g |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・体を作るもとになる!たんぱく質
ひよこ豆には良質な植物性たんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は筋肉や内臓、骨、皮膚、髪の毛、血液などを作る材料になり、体を作るために欠かせない栄養素です。これらは毎日新しく作られているので毎日摂取することが大切です。
・骨粗しょう症の予防にも!イソフラボン
ポリフェノールの一種で、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることから、ハリのある肌を作ったり、イライラを抑える効果や骨粗しょう症の予防に役立ちます。特に女性には嬉しい栄養素です。
・たんぱく質の代謝に関わる!ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉や血液などを作ります。髪や皮膚、粘膜などを健康に保ち、成長を促進します。また、神経伝達物質の合成にも関わっています。ビタミンB2によって活性化するので、ビタミンB2と一緒にとると効果的です。
・アンチエイジング効果が期待できる!ビタミンE
強い抗酸化作用を持ち、体をストレスから守ったり老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
・DNAを作る材料になる!葉酸
ビタミンB群の一種である葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作り、食べたものをエネルギーに変えるのを助ける役割があります。また、DNAを正常に作る材料にもなります。動物性ではレバーに多く含まれており、野菜類や豆,海藻などにも多く含まれています。
◆ひよこ豆の健康効果
・便秘解消
ひよこ豆には食物繊維が豊富に含まれているので腸内環境を整える効果が期待できます。不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果が期待できると言われています。
・骨粗しょう症の予防
ひよこ豆には、健康な骨を作るために必要なカルシウムやマグネシウムが含まれており、骨の健康を保つ効果が期待できます。カルシウムの吸収を良くするビタミンDやビタミンKが豊富な食材と組み合わせるとより効果的です。ビタミンDはさばや鮭、いわしなどの魚介類やしいたけやしめじなどのきのこ類に豊富で、ビタミンKは納豆やモロヘイヤ、ほうれん草、春菊などの青菜類、わかめなどの海藻類に多く含まれています。
・むくみの改善
ひよこ豆には体内の水分バランスを調整するカリウムが豊富に含まれており、むくみ解消に効果が期待できます。また、カリウムにはナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防にも効果的です。
◆レシピ|ひよこ豆のサラダ
ひよこ豆と野菜をオリーブ油やスパイスで和えたさっぱりとした風味のサラダです。カレーの付け合わせにもぴったり!
【材料(2人分)】
ひよこ豆(ドライパック)…110g
きゅうり…1/3本
紫たまねぎ…1/8個
トマト…1/2個
Aレモン汁…小さじ2
Aオリーブ油…大さじ1
A砂糖…ひとつまみ
Aクミンパウダー…少々
A塩…少々
Aブラックペッパー…少々
【作り方】
① きゅうりと紫玉ねぎは約8㎜の角切りにして、トマトは1㎝の角切りにする。
② ボウルにひよこ豆と①、【A】を加えて混ぜ合わせる。皿に盛り付ければ出来上がり。
【ポイント】
・クミンパウダーの分量はお好みで調整してください。
・お好みでチリパウダーを加えても美味しいです。
◆ひよこ豆レシピのまとめ
ひよこ豆は良質なたんぱく質やイソフラボン、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれている栄養満点な食材です。水煮やドライパックを活用すれば、いつもの料理に加えるだけなので手軽に食べることができますよ。女性に嬉しい栄養素もたくさん含まれているので、積極的に食事に取り入れて美容と健康のために役立てましょう。
記事一覧へ戻る