鮭の川に戻れる理由や栄養について

鮭の川に戻れる理由や栄養について
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鮭とはどんな食材?

鮭はサケ目サケ科サケ属の魚です。一般的に市販されている鮭にはいくつかの種類があり、地域によって呼び方が変わることもあります。鮮魚として販売されるほか、新巻き鮭や鮭トバ、イクラ、缶詰など、加工品としても馴染みのある魚で、日本人の食生活には欠かせない魚といえます。

鮭の生態

鮭は川で生まれて海へ下り、産卵時にまた川へ戻ります。川で夫婦となった鮭は、晩秋から翌年の1月ころ、お互いに協力して産卵を行います。メスが穴を掘って産卵場所を作る間、雄は他の雄や外敵が近づかないように守ります。戦闘態勢となった雄の顔の先端は武器として鋭角になり、敵と戦います。メスが産卵床に産卵すると、雄が放精して受精します。メスは卵を守るために穴を砂で覆い、力尽きていきます。受精卵が細胞分裂し、仔魚(しぎょ)が生まれます。仔魚は泳ぐことができないので産卵床に身をひそめ、お腹についたヨークサックと呼ばれる袋に詰まった卵黄を養分にして成長します。成長とともにヨークサックは小さくなり、稚魚になるころにはなくなります。鮭の種類によって海へ降りていく時期は異なり、すぐに海を目指す種類もいれば、数年は淡水で生活を送ってから海へ向かう種類もいます。海洋生活の期間も種類によって異なり、短いもので1~2年、長いものでは2年から8年にもなります。海で十分に成熟した鮭は、産卵のために再び川を目指します。

鮭の種類

・白鮭
一般的に鮭というと白鮭のことで、いろいろな料理に使えることから広く親しまれています。漁獲された時期によって、秋鮭、時鮭(トキシラズ)、鮭児(ケイジ)と呼び方が変わります。
・紅鮭
鮭の中でも高級で味が良いといわれます。産卵前に身が紅色に染まるのが特徴で、この紅色はアスタキサンチンという色素によるものです。きれいな色を生かして、スモークサーモンにも加工されます。
・銀鮭
体は全体に銀色で背中に黒点が散らばっているのが特徴です。成長が早く養殖もされており、市場には多く出回っています。スーパーなどで売られているものは、ロシア産やチリ産も多くなっています。
・キングサーモン
世界最大級の鮭の種類で、大きいものは全長が2m重さが40㎏にもなります。日本ではマスノスケとも呼ばれます。身が厚く脂が多いのが特徴です。
・カラフトマス
鮭の中では最も小さな種類で全長は60㎝ほどです。他の鮭と比べて脂が少なく筋肉が未発達なので、加熱してもかたくなりにくいのが特徴です。卵はすじことして食べられています。
・サクラマス
一般的にはあまり食べられていませんが、富山県の名産品である「鱒ずし」に使われています。
・ニジマス
北アメリカ大陸原産の鮭で、サーモントラウトなどの名前で売られています。国内で養殖もされていますがまだ流通量は少なく、チリ産のものが多く出回っています。

どうして鮭は川へ戻れるのか?

鮭が産卵のために川へ戻ることを母川回帰(ぼせんかいき)といいます。鮭がどうして母川回帰できるのかは、いくつかの説があり完全には解明されていません。現在最も有力なのは、河川のにおいをかぎ分けているという「嗅覚刷り込み説」です。鼻に詰め物をされた鮭は母川に戻れなくなったという実験結果があることから、嗅覚を利用していることが有力視されていますが、他にも太陽コンパス説、磁気コンパス説、海流説、なども唱えられており、実際は複数の方法を併用しているのではないかと考えられています。

鮭に含まれる栄養

ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、強い骨を作ったり、骨粗しょう症の予防に必要なビタミンです。

ナイアシン

ナイアシンは水溶性のビタミンで、ビタミンB群の仲間です。糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠で、皮膚や粘膜を健康に保つために不可欠です。

ビタミンB12

ビタミンB12は神経や血液の健康を保ち、遺伝物質であるDNAの生成を助ける働きがあります。葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンを合成するために必要であり、不足すると貧血を引きおこすことがあります。

アスタキサンチン

アスタキサンチンはカロテノイドと呼ばれる色素の一種で、鮭の紅色はアスタキサンチンによるものです。強い抗酸化作用があり、緑茶カテキンの560倍もの抗酸化力があるといわれます。他にも抗炎症作用によって皮膚の健康を維持したり、薄毛や抜け毛の改善にも効果があるとして期待されています。

EPA・DHA

EPAは血液をサラサラにして血栓の生成を抑える働きがあります。血中コレステロールや血圧を下げる効果や血糖値を調整する作用などが認められています。DHAは母乳に含まれる成分で、子どもの脳の発達に必要な成分です。また認知症の予防効果も期待されており、研究が進められています。

薬膳の効果

鮭は温性の性質で、胃腸を温め消化機能を高めるので、胃腸が弱っているときによい食材です。水分代謝を促進してむくみを解消する作用や、気を補い血の巡りをよくするので、風邪をひきやすい人や冷え性の人にも効果的です。

鮭のレシピ

生鮭の切り身は、使用の前に軽く塩をふり、しばらくおいてから水分を拭きとってから調理すると生臭みがとれます。

【石狩鍋】

石狩鍋

【材料】(1~2人分:直径17㎝の土鍋使用)
・生鮭の切り身       1~2枚
・じゃがいも        1個
・大根           80g
・にんじん         30g
・キャベツ         100g
・長ねぎ          15㎝
・しめじ          1/4パック
・木綿豆腐         1/4丁
・和風だしの素       小さじ1
・水            200ml
・酒            大さじ2
・みりん          小さじ1
・みそ           大さじ1

【作り方】
1.生鮭の切り身は食べやすい大きさに切っておきます。塩(分量外)をふっておきます。(塩鮭を使うときは不要です。)

2.じゃがいもは洗って皮をむき、半分に切ってからラップで包み、電子レンジでつまようじがスッと刺さる程度に加熱しておきます。大根とにんじんは洗って皮をむき、食べやすい大きさのいちょう切りにしておきます。キャベツは食べやすい大きさのざく切り、長ねぎは斜め切り、しめじはほぐしておきます。

作り方2

3.土鍋に水と和風だしの素、大根、にんじん、キャベツの芯の部分を入れて火をつけます。

作り方3

4.沸騰したら火を弱め、野菜がやわらかくなったら酒とみりん、みその半分を入れ、鮭と豆腐、他の野菜を入れます。

作り方4

5.野菜に火が通ったら、残りのみそを溶き入れてできあがりです。

※ 野菜はお好みのものをご使用ください。
※ お好みで仕上げにバターを入れてもおいしいです。

まとめ

鮭は日本人の食卓にはとても馴染み深い魚ですが、母川回帰という生態にはまだ解明されていないこともあります。鮭特有の身の色はアスタキサンチンという色素によるもので、アスタキサンチンには強い抗酸化作用の他にも、多くの健康効果が期待されています。身近な魚である鮭をいろいろな料理で楽しみましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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