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中国生まれの中華麺
中華麺は小麦粉を原料として、かん水(鹹水)を加えて作られる中国発祥の麺です。日本ではラーメンや焼きそば、冷やし中華、中華風のつけ麺などに使われます。かん水を加えることで特有のコシや香り、黄色い色などの特徴が出ます。現在日本では、かん水を加えずに作られることがありますが、それらも中華麺と呼ばれているものもあります。
中華麺の歴史
中国の麺文化は、小麦の栽培と製粉技術の進歩とともに発展しました。中国の唐の時代(618~907年)には、それまでは特権階級の食べ物であった麺が北方の民衆にも普及し始め、北宋時代(960~1127年)になると麺は大衆食となっていきました。元の時代(1271~1368年)、めん棒の開発によって、生地をのばして切る技術が生まれました。小麦粉にかん水を加えるようになったのもこの頃といわれています。日本では15世紀(室町時代ころ)には「経帯麺」と呼ばれる、現在のラーメンの麺と同様のものが食べられていたという記録がありますが、一般的に広まることはありませんでした。1858年鎖国が解かれ、翌年に開港されたことで海外の食文化が流入し、中華麺も一気に広まっていきます。1870年横浜で日本初の中国料理店ができ、1910年浅草に中国の麺料理と日本の食文化を合わせた最初のラーメン店が開店するなど、中華麺は一般家庭にも広く普及していきました。以降現在まで、ラーメンや焼きそば、つけ麺、冷やし中華など、いろいろなスタイルに分化しながら、中華麺は日本の食文化に浸透しています。
中華麺の種類
中国の食文化は地域によって特色があります。麺料理も同様で、山西省は食事の中心が麺であることから麺のふるさとと呼ばれており、そこから南北に分かれて特徴的な麺が発展していきました。南方では米粉の麺も多く、主に北方で小麦粉の麺が発展しました。
・拉麺(ラーミェン)
包丁を使わず生地を両手で引っ張りながら細くのばした麺で、日本のラーメンの語源となった麺です。糸のように細くのばした「龍髭麺」はゆでると溶けてしまうため、油で揚げて調理します。
・刀削麺(タオシャオミェン)
生地を枕状にしてから、三日月型の包丁で削りながら湯の中に落としてゆでます。三角形の断面で幅の広い柳の葉のような形と、強いコシが特徴の麺です。
・剔尖麺(ティジェンミェン)
やわらかい生地を平らな皿にのせ、箸を使って皿の縁に沿って切るようにして湯の中に落としてゆでます。両端が細く、湯の中で魚がはねているようにも見えることから「撥魚麺(ポーユイミェン)」とも呼ばれます。
・猫耳朶(マオアルトゥオ)
麺の生地を小さくちぎり、親指の腹で押さえてくぼみをつけながらゆでます。形が猫の耳に似ていることからこの名前があります。
・一根麺(イーゲンミェン)
一食分の麺がつながっており、一本麺とも呼ばれて長寿の象徴とされます。生地をねかせてから棒状にのばし、表面に植物油を塗って休ませます。さらにのばしては休ませることを繰り返して長くしていきます。
・伊府麺(イーフゥミェン)
小麦粉を卵で練った全蛋麺(テェンタンミェン)をゆでてから油で揚げた麺です。インスタントラーメンの原型ともいわれています。
かん水とは
かん水は中華麺特有のコシや風味、色などを作るために使用する食品添加物です。もともと中国では、炭酸ナトリウムを含む湖水を混ぜたのが始まりといわれており、古くから麺の他、ワンタンやまんじゅうの皮などにも利用されてきました。現在日本でかん水に指定されている物質は16種類ありますが、主なものは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸塩などで単体ではなく、1種類または2種類以上を混合して利用されています。
中華麺に含まれる栄養価
炭水化物
中華麺の原料である小麦粉の主な栄養素は炭水化物です。炭水化物は体に吸収されてエネルギー源となる糖質と、体内で消化吸収されずエネルギーにならない食物繊維でできています。小麦粉の精製度が低いほど食物繊維を多く含み、糖質は体内で1gあたり4Kcalのエネルギーを産生します。糖質は主に血液中にブドウ糖の形で存在していて、すぐにエネルギーとして使うことができます。特に脳はブドウ糖をエネルギー源とするため、糖質が不足するとぼーっとしたり、集中力が低下したりすることがあります。
薬膳の効果
精製された小麦粉には体を温める性質があるので、うどんや中華麺を食べると体がよく温まります。精製されていない小麦には気持ちを穏やかにしたり、安眠を促す効果があるといわれています。
中華麺のおすすめレシピ
基本的には商品に記載されている保存方法に従いましょう。冷蔵保存の場合、開封後は密閉できる袋に入れ替えて空気を抜いて保存し、できるだけ早く食べきるようにしましょう。すぐに食べきれない場合は冷凍保存することができます。1食分ずつラップに包んでから、冷凍用のチャック袋などに入れて空気を抜いて冷凍します。食べるときは凍ったまま沸騰したお湯でゆでましょう。
【あんかけ焼きそば】
【材料】(2人分)
・中華麺(焼きそば用) 2玉
・ごま油 小さじ1
・豚肉(小間、バラなど) 100g
・キャベツ 100g
・玉ねぎ 1/2個
・にんじん 20g
・小松菜 40g
・しいたけ 2個
・ごま油 小さじ1
・にんにくチューブ 1㎝くらい
・生姜チューブ 1㎝くらい
・酒 大さじ1
・みりん 小さじ1
・中華だしの素 小さじ1
・オイスターソース 小さじ1
・塩、こしょう 適量
・片栗粉 小さじ1
【作り方】
1.豚肉は食べやすい大きさに切っておきます。
2.キャベツは食べやすい大きさのざく切り、玉ねぎは5㎜幅のスライスにします。にんじんは短冊切り、小松菜は2~3㎝くらいに切り、しいたけはスライスしておきます。
3.フライパンを2個用意します。片方のフライパンにごま油を入れて火をつけ、にんにくチューブと生姜チューブを入れます。香りがしてきたら豚肉を入れて炒めます。
4.豚肉に火が通ったら、にんじん、キャベツ、小松菜の茎部分を入れて炒め合わせます。
5.野菜に油がまわってしんなりとしてきたら、小松菜の葉部分としいたけを入れて炒めます。
6.全体がなじんだら、酒、みりん、水100ml(分量外)、中華だしの素を入れ、野菜に火が通るまで煮ます。
7.野菜が煮えたらオイスターソースと塩、こしょうで味をととのえます。
8.片栗粉を同量の水で溶き、7. に加えてとろみをつけます。写真のように、具材を奥に寄せて、汁を集めたところに片栗粉を入れるとだまにならずにとろみがつきます。
9.もう1つのフライパンにごま油を入れてなじませ、火をつけます。フライパンが温まったら中華麺をほぐしながら入れ、こげないように火加減を調節してしばらく焼きます。
10.焼き目がついたら裏返します。水大さじ1(分量外)を入れてふたをして、蒸し焼きにします。
11.水分がなくなったらふたを取り、焼き目がつくまで焼きます。
12.麺の両面がカリッと焼けたらお皿に盛り、上から8.のあんをかけてできあがりです。
中華麺レシピのまとめ
中華麺は小麦粉にかん水を加えて作る中国発祥の麺です。かん水を加えることで特有のコシや香り、色が生まれます。日本の食卓にすっかり浸透している中華麺を、家庭でも楽しみましょう。
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