パプリカの糖質はピーマンより多く含む!?

パプリカの糖質はピーマンより多く含む!?
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パプリカとはどんな食材?

パプリカはナス科トウガラシ属の果菜で、ピーマンの一種です。ベル型ピーマンと呼ばれることもあります。ピーマンよりも肉厚で、苦味が少なく甘みが強いのが特徴です。パプリカ(paprika)はハンガリーの言葉で唐辛子を意味します。

パプリカの歴史

パプリカの仲間であるピーマンは、もともとは唐辛子でした。紀元前6500年頃には熱帯アメリカでは唐辛子が食べられていたといわれており、大航海時代にコロンブスによって唐辛子がヨーロッパへ伝わり、辛くならないように品種改良されてピーマンが生まれました。唐辛子は16世紀に日本に伝わり江戸時代には普及していましたが、ピーマンが伝わったのは明治時代になってからです。ピーマンが一般家庭に普及したのはさらに後の第二次大戦後であり、ピーマンも比較的新しい野菜といえます。パプリカは1990年代にオランダ産が輸入されるようになってから急速に広まり、その鮮やかな色と緑色のピーマンにはない甘味で日本でも人気の野菜となりました。

パプリカの色による違い

パプリカには赤・黄・オレンジ・茶・緑・白・黒・紫などがありますが、一般的に出回っているのは赤・黄・オレンジのパプリカです。パプリカはその色によって、より多く含まれている栄養素に特徴があります。
・黄パプリカ
黄色のパプリカに特徴的な栄養素はα-カロテンでとルテインです。どちらもカロテノイドの一種で、脂溶性の色素成分です。α-カロテンには抗酸化作用があり、体内ではビタミンAに変化します。ルテインには紫外線やブルーライトから目を守る働きや加齢性黄斑変性症の予防や進行の抑制に効果があるといわれています。
・オレンジパプリカ
オレンジ色のパプリカに多く含まれるゼアキサンチンには強い抗酸化作用があり、人の体内ではルテインとともに目の黄斑部に存在しています。そのため、加齢性黄斑変性症や白内障の予防効果が期待されています。
・赤パプリカ
赤のパプリカにはキサントフィルが多く含まれており、キサントフィルには非常に高い抗酸化力があることがわかっています。キサントフィルは消化吸収されてから血液中に取り込まれ、赤血球中のカロテノイドの含有量と組成に影響を与えることで、運動中の呼吸持久力を高めたという実験結果が出ています。赤パプリカに含まれるキサントフィルが赤血球の機能を維持し、酸素摂取量を減らして呼吸持久力を高めることで、運動のパフォーマンスの向上が期待できると考えられています。
・黒、紫パプリカ
一般的にはあまり見かけないパプリカですが、アントシアニンが多く含まれています。アントシアニンはフラボノイドの一種で、黒や紫の色を構成している色素成分のひとつです。抗酸化作用や視機能の改善作用、抗がん作用なども期待されています。

スパイスとしてのパプリカ

パプリカを粉末にしたものはスパイスとして利用されます。日本で一般的にスパイスとして使われるパプリカは、野菜として流通しているパプリカとは品種が異なりますが、辛味はなく甘酸っぱい香りとほのかな苦味が特徴です。ヨーロッパでは、辛味のあるパプリカスパイスも使われています。パプリカの色素は脂溶性のため、油を使う料理に加えると鮮やかな色が出ます。色を生かしてソースやドレッシングに加えたり、熱にも強いので煮込み料理や焼き菓子などにも利用できます。

パプリカに含まれる栄養

パプリカは緑のピーマンと比較すると糖質を多く含み、ビタミンCは2倍以上含まれています。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性のビタミンで、壊血病を予防する成分として発見されました。壊血病はコラーゲンが合成されないために血管がもろくなり、出血する病気です。ビタミンCはコラーゲンの合成には欠かせないビタミンで、人は体内でビタミンCを合成することができないため食品から摂る必要があります。コラーゲンは皮膚だけではなく血管や骨・腱などの結合タンパク質として全身のいたるところに存在するため、ビタミンCの不足によってコラーゲンが合成されないとさまざまな症状を引きおこす可能性があります。ストレスや感染症に対する抵抗力を強めたり、抗酸化作用により生活習慣病の予防効果も期待されています。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、脂質とともに腸管からリンパ管を経由して体内に吸収されます。抗酸化作用が強く細胞膜のリン脂質二重構造内に存在し、生体膜を構成する成分を酸化障害から守っています。他にも血管を健康に保ったり、細胞の酸化を抑制することで、アンチエイジングの効果も期待されています。

薬膳の効果

薬膳では、パプリカはピーマンと同じ効能があると考えられています。肝の働きを良くして気を巡らせることで、イライラしたり憂鬱な気分になったときに、気持ちを落ちつける作用があるといわれています。胃の調子が悪いときや食欲不振にも有効です。

パプリカのおすすめレシピ

鮮やかで発色のよい、つやのあるものを選びましょう。ヘタに張りがあって切り口がみずみずしく、手に持ったときに重みを感じるものが新鮮です。成長しすぎたパプリカは味が劣るともいわれるので、大きすぎず適度な大きさのものを選ぶとよいでしょう。保存はビニール袋や保存袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。丸ごとラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いて冷凍することもできます。切ってから冷凍するときは大きめに切って中の白いワタを取り除き、冷凍用の保存袋にできるだけ重ならないように入れてから、空気を抜いて冷凍しましょう。

【パプリカマリネ】

パプリカマリネ

【材料】(作りやすい分量)
・パプリカ              2個
<マリネ液>
・白ワインビネガー          50ml
・エキストラバージンオリーブオイル  50ml
・塩                 小さじ1
・砂糖                小さじ1
・こしょう              適量
・タイム(乾燥)           適量(無くても可)

【作り方】
1.保存容器はよく洗って水分をしっかりふき取っておきます。
2.パプリカは縦半分に切ってヘタと種を取り、洗って水分を拭きとります。
3.縦に食べやすい大きさに切ります。
4.アルミホイルに並べ、オーブントースターや魚焼きグリルで両面を焼きます。皮がはじけて、少し焼き目がつくまで焼きます。

作り方4

5.パプリカを焼いている間に、マリネ液の調味料を合わせて混ぜておきます。
6.パプリカが焼けたら容器にパプリカを並べ、熱いうちにマリネ液に漬けます。
7.冷蔵庫に入れて味がなじんだらできあがりです。

※ ハーブはお好みのものを使ってください。ハーブはなくてもおいしくできます。

パプリカレシピのまとめ

パプリカはピーマンの仲間ですが、ビーマンよりも肉厚で苦味が少なく甘味が強いのが特徴です。いろいろな色がありますが、それぞれに特徴的な栄養素も含まれています。きれいな色を生かして、毎日のお食事に活用しましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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