きゅうりはむくみを解消し渇きを癒す

きゅうりはむくみを解消し渇きを癒す
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

サラダにお漬物に、きゅうりが食卓に登場することは多いのではないでしょうか?買い置きがあると安心する野菜の一つでもありますね。パリパリした食感、彩りも華やかになるきれいな緑色、洗ってすぐに食べられるのも魅力の一つ、今回はそんなきゅうりの魅力に迫り、その栄養価やおいしいレシピをご紹介します。

きゅうりとはどのような野菜?

きゅうりはウリ科きゅうり属のつる性植物の未熟果で、インド、ヒマラヤ山麓周辺が原産と言われています。紀元前4000年頃には西アジアでは栽培されていたことが確認されており、『旧約聖書』にはエジプトできゅうりが食べられていたことが記載されています。
日本には中国を介して9世紀頃に伝えられていました。当時は現在のきゅうりよりも水分が少なく、苦みが強かったようで、瓜の中でも味が悪いといわれていました。
そのため、少しでもおいしく食べるために、黄色く完熟してから収穫していたそうです。「きゅうり」という名が、「黄瓜」が語源となっていることからも、その歴史がうかがえますね。
その後、江戸時代後期になって品種改良が進み、今のような未熟果を食べられるようになりました。
ところで、京都や奈良をはじめ、多くの寺院で「きゅうり封じ」という行事が行われていますが、ご存じでしたでしょうか。
これは弘法大師が中国より持ち帰った厄除け法で、立っている人に見立てたきゅうりに病魔を封じ込め、肩越しに川に投げて流したり、体の悪い部分をきゅうりで撫で、土に埋めたりすることで病を克服するということです。
現在、きゅうりの品種数はとても多く、普段私たちがスーパーマーケットで見ることができる、緑色で白い突起がある白イボきゅうりのほか、冒頭の写真でもご紹介している白いきゅうり、大根ほどの太さがある加賀太きゅうりなどの地場野菜、花や若葉を刺身のつまとして利用する花丸きゅうりなど、さまざまなものを見ることができます。

きゅうりの栄養価とは

きゅうりはその95%が水分で、100gあたりのカロリーは14kcalとなります。とても少ないですね。実はギネスブックには、「最もカロリーが少ない果物」として認定されています。一方、薬膳では体の余分な水分は排せつしつつ、必要なうるおいを与える働きがあり、体の熱を取って冷やし、夏バテ予防に良いといわれています。
水分以外にどのような栄養素が含まれているのかをご紹介します。

① カリウム

カリウムは主に私たちの細胞内液に含まれ、過剰に摂取したナトリウムを排泄する働きがあり、血圧の安定に効果があります。また、利尿効果があるため、むくみを予防する働き、カルシウムの沈着を助け、骨粗しょう症の予防に効果があります。
きゅうり100gあたり200mgのカリウムを含んでいます。

② βカロテン

βカロテンは体内でビタミンAに変化します。ビタミンAは発育を促し、皮膚や粘膜を保護して免疫力の向上を担っています。また、目の網膜の主成分であるロドプシンという物質の原料になり、薄暗いところでも光を感じ、視力を維持する作用があります。
淡色野菜であるきゅうりは、100gあたり330㎍のβカロテンを主に皮の部分に含んでいます。

③ ホスホリパーゼ

2010年3月、福島大学共生システム理工学研究科により発見された物質で、脂肪分解酵素(リン酸脂質代謝酵素)の一種です。ダイエット効果のほか、抽出物を利用することによる植物油の精製、製パンなど、食品工業への応用が期待されています。

きゅうりの選び方

きゅうりを選ぶときは、全体に太さが均一で張り、ツヤがあるものを選びます。時折、白い粉を振ったようになっているものを見かけますが、あの粉は薬品や劣化したものではなく、品種によりますが、きゅうりが表皮を守るために分泌しているものです。
一方、しなしなと柔らかいものは収穫してから時間がたっており、どちらか一方が肥大しているものは、その内部で種が成長していることが多く、食感も悪くなっているので避けた方がよいでしょう。

おすすめレシピ 山形県郷土料理【だし】

なすびやきゅうり、大葉、みょうがなどをしょうゆ漬けにした料理、「だし」。これは山形県の郷土料理の一つです。食欲も減退する、真夏の農作業の合間に食べる昼食に重宝したといい、香味野菜が食欲を増進させ、夏バテ解消にももってこいです。簡単に作れて冷蔵庫で1週間程度日持ちしますので、ぜひお試しくださいね。

【材料】
・きゅうり   1本
・なす     1個
・みょうが   1個
・大葉     5枚程度
・しょうゆ   大さじ2~3

材料

【作り方】
① きゅうり、なすはさいの目切りに、大葉は短めの千切り、みょうがはみじん切りにする。

作り方①

② すべての材料を清潔な保存容器に入れ、しょうゆを回しかけ、冷蔵庫で保存する。
(最初はしょうゆが少ないと感じると思いますが、なすびやきゅうりから出てくる水分で全体がしっかりと漬かるようになります。清潔なスプーンなどで時々混ぜてください。)

作り方②

※今回ご紹介した材料だけでなく、きざみ昆布や大根、加熱して粒状にほぐしたトウモロコシなど、家庭により混ぜる食材はさまざまだといいます。いろいろと試してご家庭の味を作ってみてくださいね。アツアツのご飯にかけたり、豚の冷しゃぶで巻いて食べたり、さまざまに楽しんでいただけますよ。

まとめ

映画『となりのトトロ」で、メイちゃんがおばあちゃんの畑で採れたきゅうりを小川で冷やし、おいしそうに食べていたのは印象的でしたね。
とても手軽に食べられるきゅうり、水分が多く、夏の熱中症対策にもおすすめです。また、ポリポリとしっかり咀嚼して食べることで満腹中枢が刺激され、ダイエット効果も期待できるといいます。毎年耳にする猛暑日のニュース、冷たく冷やしたきゅうりを食べて、少しでも快適に過ごしたいものですね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

記事一覧へ戻る