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鶏肉とはどんな食材?
鶏はもっとも身近な家禽であり、日常的に食用される肉のひとつです。鶏はキジ目ニワトリ属で、「庭の鳥」という意味から「にわとり」と呼ばれるようになったといわれます。「鶏肉」は鶏の肉を指し、「鳥肉」と書くと鶏以外の鳥の肉も含みます
鶏肉の歴史
日本では弥生時代には家畜が飼育されており、大陸から豚とともに鶏が伝わってきています。もともとは食用としてではなく、鳴き声で朝を告げる「時告げ鳥」として飼育されていた鶏を、副次的に食用としていたと考えられています。江戸時代の後期には西日本を中心に鶏を食用としていた記録があり、主な調理方法は水炊きだったようです。
鶏肉の部位
広く市販され、一般的に購入が可能な主要部位と呼び方です。
・むね肉
首の下方にある胸の肉です。脂肪が少なくあっさりとしています。
・ささみ
むね肉に近い部位で、脂肪が少なく淡白な味です。形が笹の葉に似ていることから「ささみ」の名がついたといわれます。
・もも肉
むね肉と比べると脂肪が多くついていて、コクがある味です。
・手羽先
翼の部分で、人でいうと肘から手先にあたり、関節があるためL字形になっています。ゼラチン質や脂肪が多く濃厚な味です。
・手羽中
手羽先の関節から先を取り除いた部位を指します。人でいうと肘から手首にあたります。
・手羽元
むね肉に近い翼の付け根の部分で、人でいうと肩から肘にあたります。ウイングスティックとも呼ばれ、太い骨がついています。
・その他
鶏肉の部位として正式な名前ではありませんが、比較的手に入りやすい部位と一般的な呼び方です。
ハツ:心臓です。弾力のある歯ごたえがあり、鉄分や葉酸が豊富に含まれています。
レバー:肝臓です。ねっとりとした特有の食感があります。鉄分とビタミンAを豊富に含みます。
砂ぎも:すなぶくろとも呼ばれます。筋肉が発達している部位で、コリコリとした歯ざわりが特徴です。
とり皮:脂肪が多く、エネルギーはささみの5倍です。
地鶏とブロイラーの違い
ブロイラーは白色コーニッシュ種やプリマスロック種などをもとに品種改良された鶏で、成長が早く若いうちに食肉として出荷されます。肉質はやわらかく、クセや臭みが少ないのが特徴で、現在一般的に流通している鶏肉のほとんどはブロイラーです。
地鶏は在来種の純系である鶏のことを指します。日本農林規格により、在来種の血が50%以上であり、飼育期間がふ化日から80日以上、28日齢以降は1㎡あたり10羽以下で平飼い(鶏が自由に運動できる環境で飼育する方法)していること、などの基準が定められています。地鶏はブロイラーよりも飼育期間が長く生産効率がよくないため、比較的値段は高くなります。肉質は歯ごたえがあり、特有のうま味や風味があります。
鶏肉に含まれる栄養
たんぱく質
鶏肉は人が体内で作り出すことができない必須アミノ酸がバランスよく含まれている、アミノ酸スコアが100の食品です。鶏肉のたんぱく質含有量は部位によって差があり、一般的に食用される部位で100gあたりのたんぱく質量が多いのは、むね肉(皮なし)やささみです。むね肉は皮を取り除くことで脂質の量を減らし、エネルギーを下げることができます。
イミダゾールジペプチド(アンセリン・カルノシン)
イミダゾールジペプチドはアンセリンやカルノシンの総称です。日本へ来る渡り鳥は、何千キロもの距離を休まず飛び続けて移動します。その力の秘密は、翼の付け根部分にイミダゾールジペプチドが豊富に含まれていることがあげられます。イミダゾールジペプチドの優れた抗酸化作用によって活性酸素による酸化ストレスが原因の疲労を軽減し、運動機能を維持することで、長時間飛び続けることができると考えられています。イミダゾールジペプチドは人や他の生物の体内にも存在しますが、その種類は生物の種類によって異なり、人では加齢とともに減少していくこともわかっています。さまざまな実験結果から、人が経口摂取によりイミダゾールジペプチドを摂取した場合、効果が発揮されるのは2週間の継続摂取以降ということがわかっています。疲労改善のために必要なイミダゾールジペプチドの量は1日200mgといわれており、鶏のむね肉100gで200㎎のイミダペプチドを摂取することができます。
薬膳の効果
肉類の中では肉質がやわらかく消化吸収がよいので、食欲不振や疲れやすいなど虚弱体質の人の体質改善や、産後の体力回復にも適しています。お腹を温めて気を補うので、慢性の下痢にも効果があるといわれます。
鶏肉のおすすめレシピ
鶏肉は肉厚でつやがあり、弾力のあるものを選びましょう。皮がついている場合は、毛穴が盛り上がっていて、細かいシワが入っているものが新鮮です。肉汁が出ているものは加工後に時間が経っている可能性があり、品質の劣化につながるため避けましょう。鶏肉の脂肪は皮下に集中してついているので、容易に取り除くことができます。皮とその下の脂肪を取り除くことで、エネルギーを大きく抑えることができます。
【鶏ハム】
【材料】(作りやすい分量)
・鶏むね肉 2枚(1枚300~350gのもの)
・塩こうじ 大さじ1
・プレーンヨーグルト 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・にんにくチューブ 2㎝くらい
・生姜チューブ 2㎝くらい
・コショウ 適量
【作り方】
1.鶏むね肉は、フォークで全体を刺しておきます。
2.ビニール袋に鶏むね肉と全ての調味料を入れて、ビニール袋の上から揉みます。
3.ビニール袋の口を閉じて、冷蔵庫で30分~数時間寝かせます。
4.加熱調理を始める少し前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておきます。
5.食品用ラップを大きめに広げ、余分な調味料を落としてから鶏むね肉をのせます。鶏むね肉の細い部分は中へ折り込むようにしながら、太さが5~7㎝くらいの円柱形に成形してぴったりと包みます。
6.もう一度、食品用ラップで二重に包んでから、アルミホイルで包みます。
7.包んだ鶏むね肉を鍋に入れて、鶏むね肉が半分浸る程度に水を入れます。
8.初めは強火にし、沸騰したら、穏やかに沸騰が続く程度に火を弱めてふたをし、6分
加熱します。
9.6分経ったら鶏むね肉を転がして上下を入れかえ、ふたをしてさらに6分加熱します。
10.合計12分加熱したら火を止め、冷めるまでそのままにします。
11.冷めたら、アルミホイルと食品用ラップを取り、冷蔵庫で保管しましょう。
※鶏むね肉が大きい場合は、上記の加熱時間では中心まで加熱されない可能性があるので調整してください。
※2本を同じくらいの太さに成形すると、均一に加熱できます。
鶏肉レシピのまとめ
鶏肉は他の肉に比べて安価で、手軽に購入できる良質なたんぱく源です。部位により味わいも異なり、いろいろな調理方法で楽しむことができます。日頃のお食事に積極的に取り入れましょう。
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