目次
麦茶とはどんな飲み物?
麦茶は殻付きのまま焙煎した大麦の種子を、煮出したり水で浸出した飲み物です。
麦茶の歴史
麦茶の歴史は緑茶よりも古く、平安時代には主に貴族の間で飲まれていたようです。戦国時代には武将にも広まり、陣中にも持参したといわれています。江戸時代末期になると庶民の気軽な飲み物となり、夏の夜に街頭で麦湯を売る「麦湯店」や、屋台で麦湯を売り歩く「麦湯売り」が流行し繁盛していました。大麦の収穫時期は初夏なので、主に夏の飲み物とされてきましたが、昭和30年代には一般家庭にも冷蔵庫が普及したことから、煮出した麦茶を冷やして飲む習慣が生まれ、昭和40年に水出しのティーバッグ麦茶が発売されたことで、夏の冷たい飲み物として定着しました。
麦茶の種類
麦茶の原料として使用される麦は主に3種類です。はと麦は「麦」とつきますがイネ科の植物です。麦の仲間ではありませんが、お茶の原料としても使われることがあります。
・六条大麦
麦茶の原料として最も一般的です。タンパク質を多く含み、でんぷん質が少なめなのが特徴です。焙煎することで適度な香ばしさと苦みが生まれます。6列ある穂のすべてに実が付くのでこの名前があります。
・二条大麦
二条大麦はビールの原料としても使われます。でんぷん質が多く、タンパク質が少なめなので、麦茶にすると甘みを感じやすいのが特徴です。6列ある穂の2列だけに実が付くのでこの名前があります。
・はだか麦
外皮が簡単に剥けて実がすぐに出てくることから、この名前がついています。麦みそや麦焼酎の原料としても使われます。外皮がないので麦茶にしたときは色が薄く、苦みが少なく甘味が感じられるのが特徴です。
麦茶の作り方
現在一般的に販売されている麦茶の多くは、ティーバッグの状態になっています。ティーバッグの形状や1個あたりの量は商品によって異なるので、商品のパッケージを確認しましょう。麦茶は作り方で味や香りも変わります。お好みの方法で作ってみましょう。
・煮出し
麦を煮込んでお茶を煮出します。麦茶の香りや甘味、苦みなど麦茶の味をしっかりと感じられる麦茶ができます。
・お湯出し
沸かしたお湯に麦を浸して抽出します。苦味が出にくく、さっぱりとした味わいの麦茶になります。
・水出し
水に麦を浸して抽出します。最も手軽な作り方で、苦味が出ないので、子どもにも飲みやすい麦茶になります。煮出しやお湯出しと比べると色は薄く、香りは少なめです。
いずれの方法でも、好みの濃さになったら麦茶のティーバッグは取り除きましょう。長く浸けすぎると苦味が強くなることがあります。また麦茶にティーバッグを入れたまま保存すると、麦茶が傷みやすくなることがあります。作った麦茶はティーバッグを取り出してから冷蔵庫で保存し、できるだけ早く飲みきるようにしましょう。
子どもや妊娠中にも安心
緑茶や紅茶、ウーロン茶など、ほとんどのお茶にはカフェインが含まれています。これらのお茶の原料は「チャノキ(茶ノ木)」ですが、麦茶の原料は大麦であり、カフェインを全く含みません。そのため小さな子どもや妊娠中、授乳中でも安心して飲むことができます。また汗で失われるナトリウムやカリウムも適度に含まれており、夏の水分補給に適しています。
麦茶に含まれる栄養
ミネラル
ミネラルは生体を構成する主要な4元素(酸素・炭素・水素・窒素)以外のものの総称で、無機質とも呼ばれます。体内で合成できないため食物から摂る必要があり、体にとって必要な量は微量でも、過不足があるとさまざまな不調を引きおこすことがあります。汗にはナトリウムをはじめ、カリウム、カルシウム、亜鉛などのミネラルが含まれており、たくさんの汗をかくことで、体内の電解質のバランスが崩れることがあります。麦茶にはこれらのミネラルが適度に含まれているため、夏の水分補給には適した飲み物といえます。
ポリフェノール
麦茶には、ゲンチシン酸やカテコールといったポリフェノールが含まれています。これらのポリフェノールの持つ抗酸化作用により体内の活性酸素を抑制し、さまざまな疾患の予防やアンチエイジング効果が期待されています。
アルキルピラジン
アルキルピラジンは、麦茶の香り成分のひとつです。麦茶を飲んだ後の血液流動性を測定した実験では、飲用後90分間は血液の流動性が向上したという結果があります。この血液をサラサラにして血流を改善する効果によって、血圧の上昇や血栓の形成を抑制する効果が期待できるといえます。のどの渇きを感じにくい高齢者や、発汗したときの水分補給に麦茶は適しているといえます。またこの効果は、麦茶の香りが強いほど効果も高いという結果が出ています。
薬膳の効果
麦茶には体の余分な熱を冷まし、渇きをやわらげる効果があります。胃の粘膜を保護し、胃腸の調子を整えるので食欲不振にも効果的で、夏バテの解消にも役立ちます。
麦茶のデザートレシピ
開封した麦茶のパックは、密閉できる容器や保存袋に入れかえて保存しましょう。麦茶の中に乾燥剤が入っているときは一緒に入れておき、賞味期限内に使用するようにしましょう
【麦茶寒天】
【材料】(作りやすい分量)
・麦茶 500ml
・寒天 4g
【作り方】
1. 麦茶を作ります。濃さはお好みですが、濃く抽出した方がおいしくできます。今回は商品に記載されている基準量の2倍の麦茶を使用し、お湯出しで作りました。
2. 鍋に麦茶500mlを入れて、寒天を加えてよく混ぜてから火にかけます。
3. 途中でかき混ぜながら、沸騰したらふつふつと沸騰が続く程度に火を弱めて、1~2分煮ます。
4. 寒天がしっかり煮溶けたら、火を止めて少し冷まします。
5. 保存容器などに入れ、粗熱が取れてから冷蔵庫に入れて冷やします。容器は水でサッとぬらしておくと、容器から取り出すときに出しやすくなります。
6. しっかり冷えて固まったら、適当な大きさに切って器に盛り付けます。
7. お好みでシロップをかけたり、きなこやゆで小豆などをトッピングしてできあがりです。
麦茶レシピのまとめ
麦茶はノンカフェインで、ナトリウムやカリウムなどのミネラルを適度に含むため、子どもから高齢者まで、幅広く夏の水分補給に適しています。他にもポリフェノールによる抗酸化作用や、血流をサラサラにする効果も期待できます。日常の水分補給にぜひ利用しましょう。
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