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ねぎとはどんな食材?
ねぎはネギ科ネギ属の野菜です。植物の分類学上では、ユリ科ユリ属に分類されることもあります。白ねぎと青ねぎに大別され、東日本では白い部分の多い白ねぎが好まれ、西日本では根元近くまで青い青ねぎが一般的です。どちらも食用にしている部分は葉で、土をかぶせて日光に当たらないようにすることで白い部分ができます。
ねぎの歴史
ねぎの原産地ははっきりとはしていないようですが、中国西部またはシベリアとされています。中国では紀元前から栽培されていたといわれており、6世紀頃の書物にはすでに栽培方法の記載があり、華北で白ねぎ、華中、華南では青ねぎが主に栽培されていました。日本には奈良時代までには伝わっていたようで、「日本書紀」にも「秋葱(あきぎ)」として記載があります。江戸時代には栽培方法が確立し、各地で栽培されるようになりました。
ねぎの種類
・白ねぎ(根深ねぎ、長ねぎ)
東日本では一般的に出回っているねぎで、白い部分が多く太いのが特徴です。主に食用とするのは白い部分で、加熱するとやわらかくなり甘味が出ます。青い部分も食べることができますが、先の方はかたいので、肉などを煮込むときの臭み消しなどに利用できます。東京の千住ねぎ、埼玉の深谷ねぎなどは、地域の特産品として扱われています。
・青ねぎ(葉ねぎ、万能ねぎ)
主に西日本で栽培されています。細くて緑色の部分が多く、根元から数本に枝分かれしています。葉先から根元まで食べられて、いろいろな料理に利用できます。関西ではお好み焼きやねぎ焼きにも多く利用されています。関東でもスーパーなどで売られている「万能ねぎ」は、福岡県で生産された「博多万能ねぎ」の商標名となっています。
・九条ねぎ
京都特産のねぎです。九条村(現在の京都市下京区)を中心に、奈良時代から栽培されていたといわれています。やわらかくて食味が良く、薬味から鍋物まで幅広い料理に適しています。太めの「九条太」と細めの「九条細」があり、葉先から根元まで食べることができます。
・下仁田ねぎ
群馬県の特産です。上州ねぎ、殿様ねぎなどと呼ばれることもあります。白ねぎの中では比較的太く、肉質はやわらかいのが特徴です。生では多少の辛味がありますが加熱すると甘味が出るので、鍋物やすき焼きにも適しています。
・あさつき
別名を糸ねぎとも呼ばれます。ねぎの仲間ですが根元に鱗茎(りんけい)があります。青い部分が多く、葉先は細くなっています。やや辛味があり、和え物や薬味に適しています。
・わけぎ
ねぎと玉ねぎの仲間であるエシャロットが交雑したものです。主に西日本で栽培されており30~40㎝くらいの長さで青い部分が多く、あさつきと似ています。葉先までやわらかく辛味や香りは強くありません。
・リーキ
西洋ねぎ、ポロねぎなどとも呼ばれます。太く短い形状で、白ねぎと同様、主に白い部分を食べます。煮崩れしにくく甘味があるので、煮込み料理にも適しています。青い部分はかたいので、臭み消しやスープのだしとして利用しましょう。
・赤ねぎ
白ねぎの白い部分が赤色のねぎです。外側は赤く色づいていますが、中心部は白です。加熱するとトロトロとして甘味があります。
・芽ねぎ
長さ6~10㎝くらいの細く小さなねぎです。種子を密生させて栽培し、若いうちに収穫します。黄緑から緑色でやわらかく、薬味や寿司ネタとしても利用されます。
ねぎの栄養
青ねぎは緑黄色野菜に分類され、白ねぎよりもビタミンCやβカロテンが多く含まれています。白ねぎは淡色野菜に分類され、アリシンを多く含みます。
ビタミンK
ビタミンKは、血液が凝固するときに必要な血液凝固因子であるプロトロンビンが肝臓で生成されるときに、補酵素として必要です。そのためビタミンKが不足すると、プロトロンビが不足して血液凝固に時間がかかるようになり、出血したときに血が止まりにくくなることがあります。
葉酸
水溶性のビタミンでビタミンB群の仲間です。赤血球を作るために必要であり、遺伝情報にかかわるDNAの合成に不可欠であることから、妊娠初期には特に重要な栄養素といわれています。
アリシン
ねぎの辛味はアリシンという物質によるものです。アリシンはねぎに含まれる硫化アリルが、酵素によって分解されて生成されます。ビタミンB1の吸収を助けたり、血管を広げる効果によって血行が促進されて体が温まり発汗を促します。他にも血圧を下げたり、悪玉コレステロール値を下げるなどの効果も期待されています。
薬膳の効果
ねぎには体を温める作用があり、気と血のめぐりをよくする食材です。寒気を伴う風邪の初期症状に効果があり、解毒作用もあるので下痢にも効果的です
ねぎのレシピ
白ねぎは白い部分が多く、白い部分と青い部分の境目がはっきりしているものを選びましょう。みずみずしくて光沢があり、巻きがしっかりとしているものが新鮮です。根元がずれたようになっているものは鮮度が落ちている可能性があるので避けましょう。青ねぎは根元から葉先までまっすぐで青みが濃く、みずみずしいものが新鮮です。購入後は新聞紙などに包んで冷暗所で保存するか、適当な長さに切ってからラップに包むかポリ袋に入れて、冷蔵庫の中で立てて保存しましょう。青ねぎは水で湿らせた新聞紙で包んでから冷蔵庫で保管すると長持ちします。きざんで小分けにしてラップに包み冷凍することもできますが、薬味として使用する場合は、生のときと比べると食感が異なることがあります。白ねぎの葉先は切り落としてから洗って水をきり、ラップに包んで冷凍しておくと、肉を煮るときの臭み消しなどに利用できます。
【ねぎ焼き】
【材料】(2~3人分)
・長ねぎ 太いもの1本
・豚バラ薄切り肉 80g
・塩、こしょう 適量
・小麦粉 100g
・水 200ml
・和風だしの素 小さじ1/2
・ごま油 小さじ1
・かつお節 適量
・ポン酢 適量
【作り方】
1.豚肉にかるく塩とこしょうを振っておきます。
2.ねぎは洗って小口切りにして、大きめのボールに入れます。
3.ねぎの入ったボールに小麦粉と和風だしの素を入れて、ねぎにまぶすように混ぜておきます。
4.水を入れて混ぜます。
5.フライパンにごま油を入れ、豚肉(2人分なら1/2量、3人分なら1/3量)をできるだけ広げて並べます。
6.豚肉の片面が焼けたら裏返し、ねぎの生地を適量のせます。
7.焼き色がついたら裏返し、ふたをして火加減を調節して中まで火を通します。
8.中まで火が通り、両面にこげ色がついたらできあがりです。かつお節をかけて、ポン酢をつけて食べましょう。
※ お好みでソースやマヨネーズをかけたり、ポン酢にラー油を入れてもおいしいです。
ねぎレシピのまとめ
ねぎは白ねぎと青ねぎに分けられます。白ねぎは淡色野菜でアリシンを多く含み、青ねぎは緑黄色野菜でビタミンCやβカロテンを多く含みます。ねぎに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を促進し、血管を拡張させる作用があることから、昔から風邪の予防やひき始めの風邪に効果があるといわれてきました。たっぷり食べて、風邪の予防に役立てましょう。
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