ナスは天ぷらや麻婆茄子、パスタなど和洋中さまざまな料理に大活躍な万能野菜。成分のほとんどは水分ですが、抗酸化作用の強いポリフェノールが含まれており、アンチエイジング効果も期待できます。ナスに含まれる栄養と簡単レシピをご紹介します。
目次
◆ナスとはどんな食材?
ナスはインド原産のナス科ナス属の植物で、6月~9月頃に旬を迎える夏野菜です。
日本へは中国を経由して伝わり、奈良時代にはすでにナスの栽培が行われていたと言われています。
現在多く流通しているのは長卵形をしている「中長ナス」や「千両ナス」と呼ばれる種類ですが、古くから栽培が行われていることもあり地域によってさまざまな種類のナスが栽培されています。
30㎝ほどの長さがある「長ナス」は、果肉がやわらかく焼きナスや炒め物にぴったりです。
「米ナス」はアメリカ種を改良して作られた大型のナスで、肉質がしっかりとしており、焼き物や田楽などに向いています。
「賀茂ナス」は京都府上賀茂地域で栽培されている丸ナスの一種で、かための果肉と甘みが特徴です。「水ナス」は、大阪泉州地方特産のナスで、アクが少ないので生食することができ、浅漬やサラダなどで食べられています。
「白ナス」は皮の色が白色をしているナスで、皮がしっかりとしていることが特徴です。揚げ物や炒め物に向いています。
「青ナス」は緑ナスとも呼ばれているナスで、皮の色が薄緑色や緑色をしています。皮はかためですが、加熱すると果肉がやわらかくなります。
ナスは、淡白な味わいで油との相性もよく、和洋中さまざまな料理に合わせやすい万能野菜です。成分の約90%は水分でできており、ビタミンやミネラルは少なめですが、皮には抗酸化作用の強いポリフェノールが含まれています。
また、むくみ解消に効果的なカリウムも豊富で、低カロリーなのでダイエット中の方にもおすすめの食材です。
◆ナスの選び方と保存方法
・皮の色が濃いもの
・ツヤとハリがあるもの
・ヘタのとげが鋭くとがっているもの
購入後はラップで包み冷蔵庫の野菜室で保存します。ナスは低温に弱いため、冷やしすぎるとかたくなり味が落ちてしまうので気をつけましょう。2~3日を目安に食べ切るのがおすすめです。
◆ナスに含まれる栄養
【ナス (可食部100gあたり)】
エネルギー…18㎉
水分…93.2g
たんぱく質…1.1g
炭水化物…5.1g
カリウム…220㎎
カルシウム…18㎎
マグネシウム…17㎎
リン…30㎎
鉄…0.3㎎
ビタミンA(β-カロテン当量) …100㎍
ビタミンB1…0.05㎎
ビタミンB2…0.05㎎
ビタミンB6…0.05㎎
葉酸…32㎍
ビタミンC…4㎎
食物繊維総量…2.2g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・皮の紫色の成分!ナスニン
皮に含まれているポリフェノールの一種で、青紫色の成分です。コレステロール値を低下させる働きがあり、高血圧や脂質異常症など生活習慣病予防にも効果が期待されています。
ナスニンが含まれているのは皮が紫色をしているナスだけで、皮が白や緑の品種には含まれていません。
・血圧を下げる効果も!クロロゲン酸
果肉に含まれているポリフェノールの一種で、ナスのアクのもとになっている成分です。強い抗酸化作用があり、血圧を下げる効果や血糖値の上昇を抑える効果、抗がん作用などが期待できます。
また、脂肪の燃焼を促す効果があり、内臓脂肪を減らす効果も期待できます。
・むくみの解消に!カリウム
カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防に効果が期待できます。
また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。
・腸内環境を整える!食物繊維
不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。また、有害物質を排出する効果もあります。
水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。
食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的。糖尿病や高血圧などの生活習慣病予防にも効果が期待できます。
◆ナスの栄養を上手にとるコツ
・水にさらす場合は短時間にする
アク抜きのために切ったナスを水にさらしますが、クロロゲン酸などのポリフェノールは水溶性なので水に溶け出してしまいます。
ポリフェノールを効率的に摂取したい場合は、水にさらす時間はできるだけ短時間にしましょう。すぐに調理する場合は、水にさらさずそのまま調理するのもおすすめです。
・皮ごと食べる
ナスの皮にはポリフェノールが含まれているので、皮ごと食べるのがおすすめです。皮がかためのナスは隠し包丁を入れたり、揚げると食べやすくなります。
また、油を使った料理にすると油が表面をコーティングしてくれるので栄養を逃がさず効率的に栄養を摂取できます。
・ぬか漬けにして食べる
ぬか漬けにすることで、ぬかに含まれるビタミンB群やβ-カロテン、カルシウム、鉄、乳酸菌などをナスが吸収して栄養価がアップします。ただし、塩分は多くなるので食べ過ぎには注意しましょう。
◆ナスのおすすめレシピ
ナスのミートグラタン
ソテーしたナスにミートソースをたっぷりとのせて焼いたグラタンです。
【材料(2人分)】
なす…3個
牛ひき肉…100g
玉ねぎ…1/2個
にんにく…1/2片
Aトマトの水煮…200g
A水…50ml
A赤ワイン…大さじ1
A顆粒コンソメ…小さじ1
ピザ用チーズ…40g
塩・こしょう…各少々
オリーブ油…大さじ1・1/2
パセリのみじん切り…少々
【作り方】
①ナスは乱切りにして水にさっとさらして水気をきる。玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブ油大さじ1を中火で熱し、ナスを炒める。炒まったら軽く塩、こしょうをふり、グラタン皿に分け入れる。
③②のフライパンに残りのオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかける。香りが出てきたら、牛肉を加えて中火で炒める。色が変わったら、玉ねぎも加えてしんなりとするまで炒め合わせる。
【A】を加えて沸騰したら中弱火にし、時々混ぜながら5~6分煮る。汁気がほとんどなくなるまで煮詰まれば、塩、こしょうで味を調える。
④②に③をかけてピザチーズをのせ、オーブントースター(1200W)で7~8分焼く。香ばしく焼けたらパセリのみじん切りを散らす。
◆ナスレシピのまとめ
淡白な味わいのナスはどんな料理にも合わせやすい万能野菜。栄養を逃がさないためには水にさらす時間は短めにし、皮ごと食べるのがおすすめです。
旬の美味しい時期にさまざまな料理に加えて美味しくいただきましょう。
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