筋肉強化で老化防止 代謝を上げる卵

筋肉強化で老化防止 代謝を上げる卵
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

料理のメインに、副菜、つなぎとして、また、お菓子の材料にも、と、本当に便利に使うことができる卵、意外にも、普段の食材として食べるようになってから、まだ100年程しかたっていないということはご存じでしょうか?とても栄養豊富で身近な食材となった卵、卵に含まれる栄養や、野菜をたっぷりとプラスして作るおいしいオムレツをご紹介します。

卵とは

卵と聞いてまず思い浮かべるのが、鶏卵ですね。大きく分けて白い卵、茶色い卵があります。この色の違いは親鳥の羽毛の色の違いに由来し、栄養価が大きく変わることはありません。
では、この鶏卵をはじめとする鳥類の卵は、いつごろから食べられるようになってきたのでしょうか?
冒頭で、卵を広く一般的に食べるようになったのは昭和に入ってから、60~70年程度前のこと、とご紹介したのですが、鶏そのものは今から約2500年前に朝鮮半島を経て日本に伝えられていました。
古事記には、天岩戸に閉じこもった天照大神が外に出てくるように仕向けるために鶏を集め、声を聴かせたとの記述が、また、鶏を飼育する専門の職業があったことが記されています。奈良時代中期頃迄は、栄養価の高い鶏肉や卵は、今でいう薬膳食材として、また、薬として利用されていました。
その後、西暦600年代に入ると、仏教の思想家から肉食を禁じる法令が施工され、卵や鶏肉は食べられなくなっていったようです。平安時代に執筆された『日本国現報善悪霊異記』には、卵を食べると祟りが起こる、というような記述があるということです。
今のような衛生管理や冷蔵施設もない時代、仏教の教え以前に、食中毒の危険を回避するための戒めの意味もあったのかもしれませんね。
やがて明治時代になり、日本開国とともにカステラをはじめとする南蛮菓子や卵料理が伝えられ、卵は食べられるものだという認識が広まりましたが、今とは違い高価な食材として扱われていました。
時を経て養鶏技術が進み、安定した供給ができるようになるとともに、食の欧米化が進みはじめた昭和30年頃から、卵は「価格の優等生」と言われ、庶民の食べ物となりました。

卵の栄養価とは?

① たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素の一つで、標準的な成人の場合、体重の約1/5を占め、筋肉や血液に含まれているだけではなく、エネルギー源としても利用されています。また、常に分解・生成を繰り返しているため、毎日取り続ける必要があります。
生卵100g中、12.4gのたんぱく質を含んでいます。

② 鉄

鉄は成人の体内に3~4グラム存在しています。そのうち約70%は血液の中のヘモグロビンに含まれ、体の隅々まで酸素を運ぶ役割を担っています。鉄分が不足すると、体の隅々まで酸素が行き渡らなくなるため、心臓は酸素をいきわたらせるためにより多くの血液を送り出さなければいけません。そのため、動機や息切れが多くなります。
残り25%は肝臓に貯蔵されていて、必要に応じて血液中に放出されます。
生卵100gあたり、1.4mgの鉄を含んでいます。

③ 亜鉛

亜鉛は新陳代謝を担う多くの酵素を作る成分となり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。舌の上にある、味を感じる味蕾という細胞の代謝を促進する効果があるため、亜鉛不足になると味覚障害を起こしてしまうことが知られています。
生卵100gあたり、1.2mgの亜鉛を含んでいます。

④ ビタミンB2

ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に役立つビタミンで、糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変換し、代謝を司る役割を担っています。口角炎、口内炎をはじめとする粘膜の炎症を抑える働きがあります。
生卵100gあたり、0.39mgのビタミンB2を含んでいます。

⑤ ビタミンD

ビタミンDは脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの吸収を助け、骨粗しょう症予防効果が認められています。食品から取るほか、日光にあたることで体内でも作り出すことができます。
ビタミンDが不足すると、くる病や骨粗しょう症を招き、過剰摂取は高カルシウム血症、腎障害などを引き起こすことがあります。サプリメントを利用する場合は注意が必要です。
生卵100gあたり、5.2㎍のビタミンDを含んでいます。

⑥ ビタミンE

ビタミンEは脂溶性のビタミンの一種で、強い抗酸化作用をもっています。そのため、細胞膜や血管の老化を予防して、血行を促進し、アンチエイジングや生活習慣病の予防に効果が期待できます。
とはいえ、脂溶性ビタミンは取りすぎると体内に蓄積されるため、サプリメントや薬を利用する際は過剰摂取に注意が必要です。

おすすめメニュー【ボリューム満点 スパニッシュオムレツ】

この一皿で多くの野菜や卵のたんぱく質がとれる一皿です。多くの野菜の下ごしらえをする時間がない時には、冷凍のミックスベジタブルを利用してもよいですよ。
【材料】   2人分
・卵       2個
・ピザ用チーズ  40g
・塩・こしょう  各適宜
・にんじん    1/2本
・玉ねぎ     1/4個
・赤・黄パプリカ 各1/8個
・ピーマン    1個
・オリーブオイル 大さじ1
・ケチャップ   適宜

材料

【作り方】
① にんじんは皮をむいて小さめのさいの目切りにし、固めに茹でて水を切っておきます。
② 玉ねぎは皮をむき、7mm角に切り、さっと炒めるか、電子レンジ600Wに1分程度かけて軽く加熱しておきます。
③ 赤・黄パプリカ、ピーマンはそれぞれヘタと種を取り、7mm角に切っておきます。
④ ボールに卵を溶きほぐし、塩・こしょうで味を整え、①のにんじん、②の玉ねぎ、③のパプリカとピーマン、ピザ用チーズを加えてざっくりとまんべんなく混ぜます。

作り方④

⑤ フライパンにオリーブオイルを熱し、④の卵液をフライパンにすべて流しいれ、半熟程度になるまでは底の部分を大きく返すように混ぜながら焼きます。
具材が多いので、直径が大きなフライパンだと、バラバラと広がってしまって1つにまとめることが難しくなります。この分量で直径18cmのフライパンでちょうどよい量になります。

作り方⑤

⑥ 半熟になるまで火が通れば蓋をして、弱火で蒸し焼きにします。中心部に竹串をさしてみて、生の卵液がしみ出してこなければ焼き上がりです。
⑦ 器に盛り、お好みでケチャップを添えます。

作り方⑦

まとめ

繊細な殻に包まれた卵、中に含まれる卵黄や卵白は、それだけで新しい命、体を作り出すことができる栄養素を含んでいます。
今回ご紹介したほかにも、出汁巻き卵や卵かけご飯、スクランブルエッグなど、卵料理は身近な存在です。上手に利用して私たちに大切なたんぱく質をはじめとする栄養素を取り、しっかりとした体づくりに役立てたいですね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

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