かぶは実よりも葉の方が栄養豊富だということをご存知ですか?葉には抗酸化作用の高いβ-カロテンやビタミンCがたっぷり!また、かぶの実には胃腸に優しい成分も含まれているので、年末年始で食べ過ぎがちな季節にもピッタリな食材です。かぶの栄養についてご紹介します。
目次
かぶとはどんな食材?
かぶはアブラナ科の一種で、日本では古くから食べられている野菜のひとつです。その歴史は古く「日本書紀」にも登場します。全国各地で栽培されており、一般的な小かぶをはじめ、京都の聖護院かぶや滋賀の日野菜かぶなど、さまざまな種類があります。旬は年に2回あり、3月~5月の「春もの」と10月~12月ごろに旬を迎える「秋もの」があります。春ものはやわらかい肉質が特徴で、春の七草「スズナ」としてもよく知られています。秋ものは甘みが強くなることが特徴です。
かぶは実も葉も丸ごと食べることが出来る野菜。実には甘みがあり、生ではシャキッとしたみずみずしい食感で煮るとなめらかな食感になります。実のほとんどは水分でできていますが、ビタミンCやカリウムが含まれています。また、消化酵素のアミラーゼが豊富に含まれているので、胃もたれや胸やけの予防改善に効果があります。実の部分は淡色野菜ですが、葉の部分は緑黄色野菜に分類されます。葉の部分は実よりも栄養が豊富で、β-カロテンやビタミンC、鉄、カルシウムなどのミネラルや食物繊維が豊富です。
かぶの選び方と保存方法
・実にハリがあって傷がないもの
・ひげ根が少ないもの
・葉の緑が鮮やかでみずみずしいもの
葉と実をつけたままにしておくと葉にどんどん水分を奪われてしまうので、購入後はすぐに葉と実に切り分けましょう。葉はぬれた新聞紙やキッチンペーパーに包んでビニール袋に入れて冷蔵庫で保存を。実はビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。3~4日で食べきるようにしましょう。
かぶの栄養とは?
【かぶ可食部100gあたり】
葉 | 実 | |
エネルギー | 20㎉ | 20㎉ |
水分 | 92.3g | 93.9 g |
たんぱく質 | 2.3 g | 0.7 g |
炭水化物 | 3.9 g | 4.6 g |
カリウム | 330㎎ | 280㎎ |
カルシウム | 250㎎ | 24㎎ |
ビタミンA (β-カロテン当量) |
2800㎍ | 0 |
ビタミンK | 340㎍ | 0 |
ビタミンB1 | 0.08㎎ | 0.03㎎ |
ビタミンB2 | 0.16㎎ | 0.03㎎ |
ビタミンB6 | 0.16㎎ | 0.08㎎ |
葉酸 | 110㎍ | 48㎍ |
ビタミンC | 82㎎ | 19㎎ |
食物繊維総量 | 2.9g | 1.5 g |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・アミラーゼ
アミラーゼとはでんぷんを分解する消化酵素の総称です。「ジアスターゼ」とも呼ばれます。唾液や膵液に含まれている成分で、ごはんやパンなどのでんぷんの消化・吸収を促す効果があります。かぶの実にはアミラーゼが豊富に含まれているので、胃もたれや胸やけなどの症状を改善する効果があります。
・イソチオシアネート
イソチオシアネートとはアブラナ科の野菜に含まれている辛み成分です。抗酸化作用があり、免疫力を高める効果や抗ガン作用も期待できます。また、胃腸を刺激して食欲を増進させる効果や解毒作用、殺菌作用もあります。
・ビタミンA(β-カロテン)
葉に豊富に含まれているβ-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内で必用に応じてビタミンAに変換されます。
ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンで、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。さらに、強い抗酸化作用でアンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・ビタミンC
かぶの葉には実の約4倍ものビタミンCが含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果もあります。水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるとより効果的に摂取できます。
・カルシウム
かぶの葉に豊富に含まれており、骨や歯を作るために欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえて安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。
かぶの栄養を上手にとるコツ
・栄養豊富な葉の食べ方
かぶの葉は実よりも栄養が豊富なので、捨てずに食べたい部分です。食べやすい長さに切って炒めものやみそ汁に加えていただきましょう。漬物にしたり、さっとゆでてから和え物に加えても美味しいです。また、ゆでてから細かく切ったものを炒めて水分を飛ばし、しょうゆなどで味付けをしてふりかけのようにしても美味しくいただけます。葉の部分はクセもなく食べやすいので、さまざまな料理に活用してムダなくいただきたいですね。
・小かぶは皮ごと食べる
皮のすぐ下にはビタミンCやカリウム、アミラーゼなど栄養が豊富に含まれています。小かぶは皮がやわらかいので皮ごと食べると栄養をムダなく摂取できます。大きいかぶの皮は繊維質で固いので、皮をむいてから調理しましょう。むいた皮は千切りなどにして浅漬けにしても美味く食べることができます。
かぶのおすすめレシピ
かぶとベーコンのガーリックソテー
おつまみにもピッタリ!オリーブ油で炒めて、塩・ブラックペッパーで味付けしたシンプルなガーリックソテーです。栄養満点な葉も一緒に調理しましょう。
【材料(2人分)】
かぶ…1個
薄切りベーコン…2枚
にんにく…1片
オリーブ油…大さじ1
塩、ブラックペッパー…各少々
【作り方】
① かぶの実は茎を1㎝程度残して切り、皮をむいて5㎜幅のくし型に切る。葉は4㎝長さに切る。薄切りベーコンは1㎝幅の細切りにして、にんにくは輪切りにする。
②フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかける。香りが出てきたら、かぶの実を加えて中火で炒める。しんなりとしてきたらかぶの葉とベーコンも加えて炒め合わせる。
③ 具材に火が通れば、塩、ブラックペッパーで味を調える。
【ポイント】
・かぶは葉つきで約200gのものを使用しました。小ぶりなかぶを使用する場合は分量を増やしてください。
・お好みで炒める時にアンチョビを加えても美味しいです。塩気があるので、味付けの塩は加減をみて加えてください。
かぶレシピのまとめ
かぶは煮物からソテーまで和洋さまざまな料理に活用できる万能な野菜。葉の部分は特に栄養が豊富なので、捨てずに活用したいですね。甘みがあっておいしい実も栄養満点な葉も色々な料理に加えて丸ごといただきましょう!
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