西インド諸島が原産のグレープフルーツは、アメリカで多く生産されており、最近ではスーパーでよく見かけるようになりました。さっぱりとした味わいと少し感じる苦みのおかげで、食欲が落ちてしまっているときにでも食べやすい果物です。グレープフルーツは美容と健康によいとされています。今回は、グレープフルーツの栄養やそのレシピについてご説明していきます。
目次
グレープフルーツとは
グレープフルーツはミカン科ミカン属の大型柑橘類で、ブンタンに別の柑橘類の花粉が偶然付着したことで生まれたと言われています。果実の実り方が、ぶどうの房のようであることからグレープフルーツと呼ばれています。アメリカのフロリダで多く生産されており、寒さに弱い品種のため日本産のグレープフルーツはあまりありません。
グレープフルーツは、果肉の色から様々な種類に分類されます。果皮が黄色く果肉が薄黄色のものはホワイト種と呼ばれ、果汁が多く酸味と甘みがほどよくあります。ほかには果肉がピンク色で、酸味が控えめでまろやかな甘みがあるピンクグレープフルーツなどがあります。
グレープフルーツを選ぶポイントと保存方法
グレープフルーツを選ぶときには、皮にハリとツヤがあり色が鮮やかなもの、球状でずっしりと重たいものを選びましょう。
グレープフルーツは、風通しのよい冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。1~2週間程度日持ちします。半分にカットした場合はラップをかけて冷蔵庫の野菜室で保存してなるべく早めに食べましょう。グレープフルーツは少し日を置くと酸味が和らぐので、酸味が苦手な方は少し冷蔵庫で日を置いてから食べると良いでしょう。
冷凍保存する場合は、皮と薄皮をむいて果肉のみを冷凍するようにしましょう。果肉を取り出したいときには、ヘタの部分と底の部分を切り取り上から下へ皮を切り落しましょう。皮をむいた後、薄皮に沿って果肉の左右に包丁を入れたら1房ずつ取り出すことができます。果肉は、一旦急速冷凍し凍ったら密閉容器に入れて冷凍庫で保存します。約1か月は保存が可能です。
グレープフルーツの栄養
グレープフルーツには、美容と健康によいとされる栄養素がたくさん含まれています。
・ビタミンC
ビタミンCは、疲労回復や風邪予防に効果的です。メラニン色素沈着を防いでくれてシミ予防となるので、美肌や老化防止によいとされています。
グレープフルーツを半分食べると1日に必要なビタミンCが摂取できると言われているほど多くのビタミンCが含まれています。
・イノシトール
肝臓の機能を正常に保ち、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を予防することができます。また、うつ病やパニック障害などの精神疾患の改善にも役立つと言われています。
・リモネン
柑橘類に多く含まれる香り成分です。身体の免疫細胞を活性化させて免疫力を高めたり、コレステロールや内臓脂肪を減らす効果があります。代謝が良くなるので、ダイエットや冷え性の改善など女性にうれしい効果があります。さらに、リラックス効果があるためストレス解消や安眠効果を得ることができます。
・クエン酸
クエン酸は肝臓機能の改善やアルコール分解を促す効果があるので、二日酔いに効きます。また、運動などでたまる乳酸を抑える効果があるため、疲労回復効果があると言われています。
・ナリンギン
ポリフェノールの一種でグレープフルーツの苦み成分です。血中の脂肪酸を分解し血流を改善してくれます。抗アレルギー作用があるため、花粉症などを緩和したり免疫力を高めてくれたりします。
このように多くの栄養素を含んでいるグレープフルーツですが、実はお薬との飲み合わせが悪いことでも有名です。「高血圧薬」「免疫抑制剤」「高脂血症治療薬」「不眠症治療薬」などを内服されている方は、一部のお薬でグレープフルーツと一緒に摂取することが禁じられているものがありますので注意しましょう。
グレープフルーツの調理法
【グレープフルーツと人参のマリネ】
グレープフルーツは生のまま召し上がっていただいたり、フレッシュジュースにして飲んだりと素材の味を楽しむ方が多いと思います。しかし、グレープフルーツのさっぱりとした味わいは実は野菜ととても相性がいいのです。今回は、グレープフルーツと人参のマリネのレシピをご紹介いたします。
【材料】
・にんじん 1/2本
・グレープフルーツ 3~4房
・オリーブオイル 大さじ1
・酢 小さじ1
・塩こしょう 少々
【作り方】
① 人参を千切りにします。
② グレープフルーツは薄皮をむいて果肉を取り出します。
③ 千切りした人参とほぐしたグレープフルーツに、オリーブオイルとお酢、塩コショウを入れて混ぜます。
④ 盛りつけて完成です。
まとめ
グレープフルーツは柑橘系のさわやかな香りと酸味、苦みのバランスが絶妙な果物です。美容と健康によい栄養素がたくさん含まれており、ダイエットや美肌に興味がある女性の方や、生活習慣病や肝臓が気になる方にもぜひ食べていただきたい食品の1つです。そのまま食べていただいてももちろんおいしいですが、時には野菜と一緒に食べるとさわやかさと甘みが加わって食べやすい副菜の1つになりますので、一度試してみてください。
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