ひき肉の栄養と健康効果|牛・豚・鶏それぞれの特徴

ひき肉の栄養と健康効果|牛・豚・鶏それぞれの特徴
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ハンバーグや餃子、麻婆豆腐、そぼろ炒めなど、さまざまな料理にアレンジできる使い勝手のいいひき肉は、肉類の中ではお手頃な価格でお財布にも優しい食材です。牛、豚、鶏などのひき肉が販売されていますが、それぞれ味わいや含まれている栄養も異なります。ひき肉の特徴と栄養についてご紹介します。

◆ひき肉とはどんな食材?

ひき肉とは

ひき肉とは機械で細かくひいた肉のことで、ミンチと呼ばれることもあります。すね肉や肩肉などのかたい部位や食肉を加工する際に出た切れ端などが使用されています。

一般的にスーパーで販売されているのは、牛ひき肉、豚ひき肉、鶏ひき肉、合いびき肉の4種類です。「粗びき」「細びき」「二度びき」などのひき方があり、それぞれ味や食感が変わります。

最も一般的なのが細びきで、粗びきはその名の通り最も粗いひき方で肉のうま味をよく感じられます。二度びきは細びきよりもやわらかく、より滑らかな食感になることが特徴です。

◆牛・豚・鶏ひき肉の特徴

牛・豚・鶏ひき肉の特徴とは

・牛ひき肉

内もも肉、ばら肉、すね肉などを合わせてひいたものです。うま味が強く弾力があり、豚ひき肉よりも水分が少なめです。たんぱく質や鉄、ビタミンB12などが多く含まれています。ハンバーグやミートソース、ミートローフ、ミートボールなど、洋食によく使用されます。

・豚ひき肉

すね肉や肩肉などを合わせてひいたものです。他のひき肉に比べて脂が多めですがコクがあり、やわらかい食感が特徴。クセもないので使い勝手のいいひき肉です。赤身が多いものと脂が多いものがありますが、赤身が多いものを選ぶとヘルシーです。

たんぱく質、ビタミンB1、ビタミンB2などが豊富に含まれています。餃子や焼売、麻婆豆腐など、中華料理によく使用されます。

・鶏ひき肉

もも肉やむね肉をひいたものです。淡白な味わいであっさりとしていることが特徴です。皮ごと引いたものと皮なしでひいたものがあります。皮ごとひいたものの方がよりコクがあります。

ビタミンB2やビタミンB6、ナイアシンなどが豊富に含まれており、高たんぱく、低脂質で消化吸収にも優れています。つくねやそぼろ煮など、和食によく使用されます。

・合いびき肉

コクのある豚肉とうま味の強い牛肉のいいとこ取りをしたもので、牛ひき肉と豚ひき肉を6:4や5:5の割合でひいたものです。牛と豚の割合によっても味が変わります。

ハンバーグやキーマカレー、コロッケなど、和洋中さまざまな料理に活用できます。

牛100%のハンバーグはかたくなりがちですが、合いびき肉を使用することでやわらかい食感のハンバーグに仕上げることができます。

◆ひき肉の保存方法

ひき肉は空気に触れる面積が多く、肉の中でもっとも痛みやすく味も落ちやすいという特徴があります。

冷蔵保存する場合は、ペーパータオルで包んでからラップでぴったりと包み、冷蔵庫のチルド室かパーシャル室で保存しましょう。

冷凍保存する場合は、加熱してから冷凍するか下味をつけて冷凍するのがおすすめです。

そぼろを作って1食分ずつラップで包んで冷凍したり、ハンバーグのタネを作って成形まで行いそれぞれラップで包んで冷凍するなどの方法があります。冷凍保存の目安は2〜3週間です。

◆ひき肉に含まれる栄養

【ひき肉 (可食部100gあたり)】

牛ひき肉 豚ひき肉 鶏ひき肉
エネルギー 251㎉ 209㎉ 171㎉
たんぱく質 17.1g 17.7g 17.5g
脂質 21.1g 17.2g 12.0g
炭水化物 0.3g 0.1g 0g
カルシウム 6㎎ 6㎎ 8㎎
マグネシウム 17㎎ 20㎎ 24㎎
リン 100㎎ 120㎎ 110㎎
2.4㎎ 1.0㎎ 0.8㎎
亜鉛 5.2㎎ 2.8㎎ 1.1㎎
ビタミンB1 0.08㎎ 0.69㎎ 0.09㎎
ビタミンB2 0.19㎎ 0.22㎎ 0.17㎎
ナイアシン 4.2㎎ 5.5㎎ 5.9㎎
ビタミンB6 0.25㎎ 0.36㎎ 0.52㎎

参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

・貧血予防に効果的!鉄

牛ひき肉に豊富で、鶏ひき肉の3倍もの量が含まれています。鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。

また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。

・味覚を正常に保つ!亜鉛

牛ひき肉に多く含まれています。亜鉛には細胞を作り成長を促す働きがあり、美しい肌や髪を保つためにも欠かせない栄養素です。

また、インスリンや性ホルモンの合成にも関わっています。さらに、亜鉛は舌の表面の味蕾にある味を感じる細胞を作る働きがあり、不足すると味覚異常の原因になります。

・糖質の代謝を助ける!ビタミンB1

特に豚肉に多く含まれています。ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける働きがあります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。

・三大栄養素の代謝に関わる!ナイアシン

ひき肉の中では鶏ひき肉に最も多く含まれています。ナイアシンはビタミンの一種で、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わりエネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働きます。

また、皮膚や粘膜の健康を保つ働きもあります。さらに、アルコールの分解にも欠かせないビタミンです。お酒と一緒にナイアシンを含む食材を食べることで二日酔い予防にも効果が期待できます。

◆ひき肉のおすすめレシピ

タコライス

レシピ|タコライス

タコスの具材をごはんに乗せた沖縄発祥のメニューです。アボカドをプラスしても美味しいです。

【材料(2人分)】
牛ひき肉…200g
玉ねぎ…1/2個
にんにく…1/2片
トマト…1/2個
レタス…2枚
チリパウダー…小さじ1
Aケチャップ…大さじ2
Aしょうゆ…大さじ1
A酒…大さじ1
A砂糖…小さじ1/2
塩、こしょう…各少々
ピザ用チーズ…20g
ごはん…300g
オリーブ油…大さじ1

【作り方】
①玉ねぎとにんにくはそれぞれみじん切りにする。トマトは角切りにして、レタスは一口大にちぎる。

作り方①

②フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて弱火にかける。香りが出てきたら、玉ねぎを加えてしんなりとするまで中火で炒める。牛ひき肉を加えて更に炒め合わせる。

作り方②

③具材が炒まったら、チリパウダーを加えてさっと炒める。【A】を加えて汁気が少なくなるまで炒めて、塩、こしょうで味を調える。

作り方③

④皿にごはんを平らに盛り、レタスをのせる。③をのせてトマト、ピザ用チーズの順にのせたら出来上がり。

作り方④

【ポイント】
・合いびき肉で作っても美味しいです。
・ピザ用チーズは加熱せずにそのまま食べられるものを使用してください。

◆ひき肉レシピのまとめ

ひき肉はやわらかく食べやすいので噛む力が弱くなってきたご年配の方にもおすすめのたんぱく源です。ひき肉の種類によっても味が変わるので、同じ料理でもいつもと違うひき肉を使用するとまた一味違う美味しさを楽しむことができます。

和洋中さまざまな料理にひき肉を活用して美味しくいただきましょう。

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この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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