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ゆずとはどんな食材?
ゆずはミカン科ミカン属の果実です。原産地は中国ですが、日本でも古くから栽培されています。果汁はもちろん、鮮やかな黄色の果皮に特有の香りがあり、日本料理では薬味や調味料として用いられます。
ゆずの歴史
ゆずの原産地は中国の揚子江上流といわれています。日本へは飛鳥から奈良時代に朝鮮を経て伝わったと考えられており、初めは薬として用いられていたようです。その後日本全域で栽培されるようになり、昭和40年代までは埼玉県が主な産地でしたが、現在では四国地方の高知県、徳島県、愛媛県の3県で多く栽培されており、国産ゆずの約8割を占めています。
ゆずの種類
・本ゆず
日本各地に多くの系統があります。「木頭ゆず」は徳島県那賀町木頭地区で古くから栽培されていたゆずです。大玉で形が整っており、果皮の色や香りも良い高品質なゆずとして扱われます。「山根ゆず」は「早成(はやなり)ゆず」とも呼ばれ、実り始めが早いのが特徴です。木頭ゆずよりもやや小さめですが、玉揃いがよくトゲが小さいので扱いやすいゆずです。種なしの「多田錦」は、酸味が穏やかで甘味があるのが特徴です。サイズは小さめですが、トゲがなく扱いやすいゆずです。
・青ゆず
ゆずの若い実を緑色のうちに収穫したもので、夏に出回ります。キレのあるさわやかな酸味と香りが特徴です。
・花ゆず
「常柚(とこゆ)」「花柚(はなゆ)」などとも呼ばれます。サイズは小さめで皮が薄く、花の香りも良いのが特徴です。木は高くなりにくいので、庭木や鉢植えにも適しています。
・獅子ゆず
「鬼ゆず」とも呼ばれます。果実の形状からゆずの名がついていますが、分類上はブンタンの仲間であり別種です。果皮はごつごつとしていて、サイズは非常に大きくなり、1㎏近くになるものもあります。生食よりもジャムや砂糖漬けなどに加工して利用されます。
ゆずの香り成分とその効果
・ユズノン
ユズノンはゆずの黄色い皮の部分に含まれる香気成分です。ゆず特有の香りはユズノンによるものですが、ごくわずかな量しか含まれていません。果皮の表面に見える小さな点(油胞)に多く含まれており、皮に傷をつけたり、皮をしぼるとゆずの香りが強くたちます。抗菌、殺虫、鎮痛作用などのほか、気分をリフレッシュしたり、集中力を高める効果やリラックス効果があります。血行を促進し、体を温める効果もあるといわれます。
・リモネン
リモネンは柑橘類には共通して含まれていますが、ゆずにはレモンよりも多くのリモネンが含まれています。リモネンは交感神経の働きを活性化させ、脂肪の分解を促進して内臓脂肪を減少させる働きがあるといわれています。また食欲を抑える効果もあるといわれます。リモネンは皮膚に触れるとピリピリと刺激を感じたり、かゆくなることがあります。果皮に傷が入るとリモネンが流出するので、肌の弱い人は注意しましょう。
・シトラール
レモンなどの柑橘類に含まれる香りです。シトラールには抗菌、鎮痛、鎮静作用があります。また免疫力を維持する働きがあり、風邪の予防や、疲れたときにかかりやすい口唇ヘルペスなどを予防する効果があるといわれています。ほかにも血行を促進したり、気分を落ち着かせる効果もあります。
ゆずに含まれる栄養
ゆずの栄養成分の多くは、果肉よりも果皮に多く含まれています。果汁を利用するだけではなく、皮を食べることで効率よく栄養成分摂取できるといえます。
ヘスペリジン
ヘスペリジンは柑橘類に含まれているフラボノイドでポリフェノールの一種です。ビタミンと似た働きをもち、ビタミンPと呼ばれることもあります。マウスの実験では血圧を下げたりコレステロール値の上昇を抑える効果のほか、骨密度の低下を抑制する効果も認められています。他にも抗アレルギー作用やリウマチの症状改善など、さまざまな生理機能が期待されています。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用によって体内でおこるさまざまな酵素反応を助けています。体内で合成することができないため、食物から摂る必要があります。ビタミンCが不足することで皮膚のコラーゲンが減少したり、骨密度の低下などを引きおこす可能性があります。また免疫力をアップして風邪などの感染症を予防したり、鉄分の吸収を促進して貧血を予防するなど、幅広い健康効果をもつビタミンです。
ペクチン
ペクチンは水溶性食物繊維のひとつで植物には広く含まれており、植物の細胞と細胞をつなぐ接着剤のような役割をしています。整腸作用により下痢や便秘を予防・改善する効果があるほか、血中の悪玉コレステロールを下げ、動脈硬化の予防などにも効果が期待されています。
薬膳の効果
気の巡りを良くして胃の不快感を和らげたり、鎮咳や去痰の効果もあります。酔いをさます作用があるので、お酒を飲んだあとにもよいでしょう。漢方ではゆずの果汁は橙子(とうし)、果皮は橙子皮(とうしひ)、種は橙子核(とうしかく)という名前で生薬としても利用されています。
ゆずのおすすめレシピ
ゆずは乾燥しないようにビニール袋に入れて、冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。果皮の黄色い部分をむいてきざんでから、冷凍用の保存袋などに入れて冷凍しておくこともできます。果汁はしぼって種を取り除き、製氷皿などにいれて凍らせておくと、少量ずつ使うことができます。
【ゆず茶】
【材料】
・ゆず(無農薬のもの) 5~6個
・氷砂糖 ゆず皮と同量
・はちみつ 大さじ2
【作り方】
1.保存用のカラスビンなどは、よく洗ってから煮沸やアルコールで消毒しておきます。
2.ゆずはやわらかめのたわしなどを使ってよく洗います。
3.実と皮に分け、皮の内側のスジや白い部分は取り除きます。実は果汁を搾っておきます。
4.皮は細かく刻んで量をはかり、同量の氷砂糖を用意します。
5.保存容器にゆずの皮と氷砂糖を交互に重ねて入れます。
6.最後に絞っておいたゆず果汁とはちみつを加えます。
7.冷蔵庫で保管し、氷砂糖が溶けたらできあがりです。
※ お湯や水、炭酸水などで薄めて飲みましょう。
ゆずレシピのまとめ
ゆずの原産は中国ですが日本でも古くから各地で栽培されており、多くの種類があります。ゆず特有の香りはユズノン、リモネン、シトラールなどで、これらの香り成分に多くの健康効果があるといわれます。ゆずのさわやかな香りと健康効果を、毎日の生活に取り入れてみましょう。
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