脱水症、熱中症予防に効果的なナス

脱水症、熱中症予防に効果的なナス
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焼きナスに麻婆ナス、揚げびたしやぬか漬けなど、ナスはよく食卓に上る野菜の一つではないでしょうか?一富士二鷹三茄子ともいわれ、縁起の良い食べ物として、古くから親しまれているナス。スーパーマーケットに行くと、長いものや真ん丸なもの、色も白や緑、シマシマのものなど、実にさまざまな種類がみられますね。今回はナスに焦点をあて、栄養価や効能、レシピなどをご紹介します。

ナスとはどのような野菜?

ナスは東部インドが原産と考えられており、5世紀頃にはすでに古代ペルシャやアラビア半島で栽培されていました。インドから中国へも同じころに伝えられ、日本でも奈良時代にはすでに栽培されていたと考えられています。
ナスにはとても多くの品種があります。日本でナスというと、紫色を思い浮かべる方が多いと思いますが、英語でegg plant(卵の野菜)という通り、白いもの、緑色のものなど、世界各国で古くからさまざまな色や形に改良されています。
冒頭の写真でご紹介した緑色の長いナスは、その名も長緑(ちょうりょく)、左下が水ナス、中が白ナス、右側が古くから栽培されている千両ナスといいます。
品種により質感もさまざまで、皮が固く果肉がスポンジ状のものは油と相性がよく、揚げびたしや田楽、中華料理に向いています。一方、皮が柔らかく水分が多いものは浅漬けやぬか漬けなど、生食に向いているといわれています。
紫色のナスは、調理法により色が出ることがあります。合わせる食材に色がついてしまうことを避けたい場合は、先ほどご紹介した白や緑色のナスを利用するとよいですね。逆に紫色を美しく保ちたい場合は、下処理として、加熱調理するメニューは多めの油で揚げ焼きにしておきます。漬物の場合は鉄くぎや漬物用の鉄を入れておくとよいでしょう。

ナスの栄養価は?

ナスはそのほとんどが水分で、栄養はあまりないと思われることがあります。しかし、近年の研究で、ポリフェノールや水溶性ビタミン様物質を含んでいることが確認されています。中医薬膳学では体の熱を取り、胃の不快感を解消し、血行促進、むくみを取る、と、さまざまな薬効が古くから知られています。

① ビタミンB1

溶性ビタミンの一種、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助け、糖が唯一のエネルギー源である脳神経系を健康に保つ働きがあります。また、皮膚や粘膜の健康を担っています。
生のナス100gあたり、0.05mgのビタミンB1を含んでいます。

② ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、皮膚や筋肉、骨の細胞同士を結び付けるコラーゲンを生成する働きがあります。また、鉄分の吸収を助け、活性酸素を除去したり、血管を保護したりすることから、動脈硬化や心疾患の予防を期待できます。
生のナス100gあたり、4mgのビタミンCを含んでいます。

③ カリウム

カリウムは主に私たちの細胞内液に含まれ、過剰に摂取したナトリウムを排泄し、むくみを解消して血圧を正常に保つ働きがあります。また、近年の研究ではカルシウムが骨に沈着するのを助け、骨粗しょう症予防に一役かっていることがわかってきました。
ナスが体を冷やす、という所以は、このカリウムの働きによるところも多いのですね。
生のナス100gあたり、220mgのカリウムを含んでいます。

④ ナスニン

ナスニンとは、ナスの皮に含まれる紫色の色素のことで、アントシアニン系のフラボノイドの一種です。目の疲れを癒し、肝臓の働きを助けるほか、悪玉コレステロールの排せつを促進することができます。

⑤ クロロゲン酸

クロロゲン酸はコーヒーから発見されたポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があることが知られています。クロロゲン酸には肝臓に脂肪が蓄積することを防ぐ働きや、体内で乳酸やアミノ酸から糖を生成する働きを抑え、糖尿病を予防する効果があります。

⑥ コリンエステル

2016年に信州大学農学部の研究グループにより発見された物質です。コリンエステルは、交感神経の緊張を緩め、リラックス効果が期待できるとされ、血圧の安定、抗ストレス効果が認められています。
さまざまな野菜に少なからず含まれていることが確認されていますが、ナスには格段に多く含まれ、生のナス100gあたり、5mgのコリンエステルが含まれています。

おすすめレシピ【ナスの揚げびたし】

ナスを揚げてしっかりと出汁が効いたつゆに漬けます。温かくても、しっかりと冷やしても、美味しく召し上がっていただけます。

【材料】   2人分
ナス     2本
めんつゆ   400cc
(市販のめんつゆを規定通り薄めたもの)
かつおぶし  適宜
しょうが   1かけ
ねぎ     2本
揚げ油    適宜

【作り方】
① ナスは縦半分に切り、皮の方に鹿の子に隠し包丁を入れる。

作り方①

② しょうがは千切りまたはすりおろし、規定通り薄めためんつゆに加え、沸騰直前まで温めておく。

③ ナスの水分をキッチンペーパーなどでふき取り、180℃に熱した揚げ油でナスの断面がきつね色になるまで揚げる。

作り方③

④ 揚げあがりをすぐに②のめんつゆに入れて冷まし、味をなじませる。

作り方④

⑤ 一口大に切って器に盛り、しょうが、小口に切ったネギを天盛りにする。

作り方⑤

まとめ

秋ナスは嫁に食わすな、と、年配の方から聞くことがあります。これは秋が深まった頃、名残のナスを食べると体が冷えてしまい、流産をしてはいけないから、という説と、美味しいものは嫁に食わすな、という説の二つの解釈がありますね。
ナスが体を冷やす野菜だということは有名ですが、残暑も厳しい昨今の日本の秋は、上手にナスを利用して体調を整え、来たる本格的な秋、冬に備えて体力の回復を行いたいものですね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

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