一人っ子が親の介護をする際に抑えておきたい3つのポイント

一人っ子が親の介護をする際に抑えておきたい3つのポイント
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

親の介護は大変なものですよね。
とくに一人っ子の方は、「自分が両親の面倒を見なくてはならない」といった気負いがあるのではないでしょうか?

相談相手がいないことや役割を分担できず抱え込みがちになることなど、さまざまな問題があります。

そんな不安を抱えている方々に向けて、
ここでは、一人っ子が親の介護をするときのポイントなどについてお伝えします。

一人っ子が親を介護するときに抱える問題

一人っ子が親を介護する際に、直面しやすい3つの問題をお伝えします。

(1)体力の負担が大きい

親に何かしらの介護が発生したとしても、一人ですべてをこなすのは至難の業。
在宅介護の場合、買い物や掃除など家事の負担が全部のしかかってくるほか、入浴や食事の介助なども出てくるかもしれません。
将来的には、おむつ替えや体位変換などを行う必要も出てきます。

これらをすべて一人でこなすのは、かなり大変です。
しかも子ども世代の多くは、働いていたり、育児に追われていたりなど、自分のこともする必要があります。

自らの生活を守りながら、介護も両立させる。
一筋縄ではいかないことが、容易に予測できます。

では、介護サービスや施設を利用した場合は、どうでしょうか?
ヘルパーさんを雇ったとしても、すべてをお任せすることは難しいですし、
細かな指示を出すことや折衝などは自ら行わなくてはなりません。

施設に入所したとしても、面会やケアマネージャーさんとのやりとりなど、さまざまな事柄が発生します。

初めてのことに心も身体も疲れ切ってしまう……。

そう感じる一人っ子の方も少なくないでしょう。

(2)精神的に苦しい

介護は身体的な負担だけではありません。
たとえ、肉親の情があったとしても、徐々に精神的な苦しみも芽生えてきます。

まず大切な親が、元気でなくなってしまうことにショックを受けるでしょう。

場合によっては、認知症などを患っているケースもあり、
「あんなに健康だった両親が……」とすっかり変わってしまった姿に衝撃を覚えるかもしれません。

また介護をすることによって、自分の時間を犠牲にすることも出てくるでしょう。

友人や家族たちと過ごす時間、趣味の時間などを失ってしまうかもしれません。
人によっては、介護に手いっぱいで仕事が手につかないと、介護離職してしまうケースもあります。

そうなると、自分の思い通りにならないことが増えて、さらに介護に対しての精神的ストレスが増します。

そのうえ、被介護者がワガママや文句をいうなど、さらに介護者にストレスを与えるケースもあります。

とくに一人っ子の介護は、兄弟などに相談できないため、孤立しやすいです。
その結果、どんどんストレスが蓄積され、介護疲れが生じやすい傾向にあります。

(3)経済的に心もとなくなってくる

介護には、金銭的負担も生じます。
親がある程度の資産を持っている場合はいいものの、ほとんど貯金がない家庭もあるでしょう。
その場合、費用負担は子どもに伸しかかってきます。

一人っ子の場合、兄弟と分担するわけにはいかず、全額自分でまかなわなくてはなりません。

なかには、介護で手いっぱいだからと、仕事を辞めたり、転職したりするケースもあります。

しかしそうやって収入が途絶えてしまったり、少なくなってしまったりすると、時間はある程度確保できたとしても、介護生活が長引くにつれて、「経済的に大丈夫だろうか」と心配になってきます。

行政サービスなどを利用して、いかに経済的負担を減らすかも、介護をするうえでのポイントとなってくるでしょう。

一人っ子が親を介護する際のポイント

一人っ子が親を介護するときに、抑えておきたい3つのポイントをお伝えします。

(1)一人で抱え込まない

一人っ子が介護をする際に大切なのが、抱え込まないことです。

ご自身の家族や友人、インターネット上の仲間などだれでもいいです。
ぜひストレスを吐き出しましょう。

なかには「家族の恥部をさらすようで、他人には言えない」という方もいるでしょう。

しかし、介護の悩みは表には出しづらいかもしれませんが、だれもが必ずといっていいほど直面することです。

「特別なこと」と意識しすぎずに、無理のない範囲で介護を行うことを心がけましょう。

(2)事前に準備をしておく

一人っ子に限らず、将来、介護が生じることを想定して、事前に準備し心がまえをしておきましょう。

まずは両親とともに、老後について話し合うことが大切です。

どのような最期を送りたいのか、どの時点で施設入所を検討するのか、どの施設を利用するのか、どれくらい資金があるのか……。

事前に話し合い、ある程度イメージが湧いていたほうが、その場に直面したときの焦りや戸惑いを軽減できます。

また介護保険制度など、国の仕組みや行政サービスなどについても、前もって調べておくといいでしょう。

(3)自分の生活を犠牲にしすぎない

「自分がやらなくては」と、気負いこみすぎるのもNG。

大切に育ててくれた親だからこそ、見捨てられないという気持ちもあると思いますが、
自分の生活を優先させましょう。

というのも、あまりに介護にかかりきりになると、被介護者も介護者にどんどん依存するようになり、要求がエスカレートすることがあるからです。

最初は「親のためだし、仕方がない」と思えたことも、日が経つにつれ、ストレスがたまっていき、すべてがイヤになってしまうことも。
介護をきっかけに、共倒れになってしまったら、元も子もありません。

確かに大変な介護ですが、周囲の協力を仰ぎながら、「できる範囲内で頑張る」ことを忘れないようにしましょう。

親の介護時に利用したいサービス

要介護認定を受けたら、介護保険を通じて、さまざまな介護サービスを利用できます。
利用可能なサービスをみていきましょう。

(1)訪問介護(ホームヘルプ)

要介護認定を受けたら、訪問介護サービスを受けられます。
訪問介護には、食事や排せつ、入浴等を介助する身体介護と、掃除や洗濯、調理などの生活をサポートしてくれる、生活支援の2種類があります。

まだある程度自活できる場合は、最初は主に生活支援サービスを利用することになるでしょう。

しかし、訪問介護は、要介護1以上でないと利用できないため、
「まだ介護認定を受けるほどではないけど、日々の生活を親がひとりで何でもこなすのは難しい」
「自分がサポートできればいいが、仕事などの事情もあってそれもできない」といった場合は、民間サービスを利用する手もあります。

例えば、毎食栄養に配慮した食事をつくるのは大変、という場合は、「まごころケア食」といった冷凍弁当を利用するのも一つの方法です。
冷凍弁当のため、チンするだけで、簡単に栄養バランスに気を配った食事をとることができます。

ほかにも、洗濯、掃除、買い出し、布団干し、庭の手入れなどさまざまな雑事をこなしてくれるサービスがあります。

これらのサービスも取り入れて、無理のない介護生活を送りましょう。

(2)通所リハビリ(デイケア)

要支援認定(介護まではいかなくても、日常生活においてサポートが必要であると認められた状態)以上を受ければ、通所リハビリを利用できます。

例えば、過去にケガなどで入院し、もう復帰しているが、リハビリは継続して行いたい。
定期的に出掛けることで、心身の健康を保ちたいといった方々が利用するサービスです。

しかし、デイケアは医療的ケアが必要な方のみが利用できるサービス。
単純なレクリエーションを求める場合は、似たような名前ですが、デイサービスを利用します。
デイサービスは要介護1以上の方のみ利用可能なため、注意しましょう。

(3)短期入所生活介護(ショートステイ)

たとえ寝たきりなどの重い症状でなくても、介護は大変なもの。
ときには、「親のことなど気にせずに旅行などを楽しみたい!」という方もいるでしょう。

そのような方々が利用するのが、ショートステイです。

ショートステイを利用すれば、遠出の外出や出張なども行えます。
最大、30日間まで連続で使用可能。
ただし、要介護認定有効期間の半数以上(要介護認定有効期間が120日の場合、60日以上)使用してはならないといった規定もあるので、注意が必要です。

 

(1)~(3)は要介護または要支援認定以上を受けたときに、利用できるサービスの一部です。
まだ認定を受けていない場合、全額自己負担になりますが、民間サービスを利用できます。
民間サービスのなかにも、安くて手軽に利用できるサービスは多々ありますので、ぜひチェックしてみてください。

各サービスの詳しい内容については、ケアマネージャーなどが把握しています。
地域包括支援センターや自治体の窓口などで、ぜひ聞いてみましょう。

困ったときの相談相手

親の調子がちょっと悪い……。
まだ介護という段階ではないけど、物忘れや足腰の衰えが以前より、激しくなってきた。
そのような場合、どのような機関・スタッフに相談すればいいのでしょうか?
ここでは、困ったときの相談先を紹介します。

(1)地域包括支援センター

地域包括支援センターは、介護士や社会福祉士、保健師などの専門スタッフがチームを組んでアプローチすることで、包括的に福祉や健康、介護などの相談にのる施設です。
さっそく施設に訪問してもいいですし、電話での相談も受け付けています。

まだ具体的な相談内容が決まっておらず、「何となく不安……」という状態で訪れても、職員の方がしっかりヒアリングしてくれるでしょう。

相談そのものは無料でできますので、ちょっとした不安が生じたときも、気軽に利用できます。

(2)民生委員

民生委員は、地域の安心安全を守るために設置された、相談相手。
住民の声に耳を傾け、適切なサービスや行政機関などを紹介してくれます。

また民生委員は、地域に住む一人暮らしの高齢者のもとを定期的に訪れてくれるなど、日頃から地域の高齢者などに気を配ってくれます。

地域によっては、各地区の民生委員がだれか、ホームページに掲載しているところもありますので、チェックしてみるといいでしょう。

(3)介護専門の電話相談

近年は、民間の介護専門相談サービスも増えてきています。
従来型の電話だけでなく、LINEなどのSNSで気軽に相談できるサービスも増加。

介護は、高齢者だけでなく、
若年層や働き盛りの人たちも直面する可能性が大いにある問題です。

60~70代の両親の足腰が弱ってきた、物忘れがひどくなってきた、などと悩む若年層や勤労世代の人たちも少なくないでしょう。

さっそく、行政の窓口に相談に行くのはちょっと……、という場合は、電話やSNSを使って、気軽に相談するところから始めてみるのもいいかもしれません。

サービスによっては、介護に悩む人同士が集えるコミュニティをつくっているところもあります。
定期的に会合に参加して、知識や理解を深めていくのもいいでしょう。

一人暮らしの高齢者でも要支援認定は受けられる

親の介護の負担を減らすのに大切なことは、できる限り長く親に元気でいてもらうこと。

介護というと、寝たきりや歩けない、認知症の症状が現れてくるなど、自活が難しくなってから始まるイメージがあるかもしれませんが、その状態になってから、慌てて準備するのは少し遅いかもしれません。

まだ元気なうちに、親と話し合い、少しでも不安を感じることがあったら、
専門の施設やスタッフに相談することが大切です。

要介護認定には、「要支援1・2」というものもあり、
まだ介護が必要でない人でも、介護予防という名目で、介護保険を使って色々なサービスを受けられます。

早い段階から、将来のことを意識して取り組んでいけば、
いつまでも元気に長生きできる可能性はきっと高まります。

そうなるためにも、早い段階から介護に対する知識を蓄え、心がまえをつくっておくことをおすすめします。

一人っ子でも相談先はたくさんある。一人でくよくよ悩まないで

一人っ子の介護についてお伝えしました。
兄弟と相談や役割分担ができない分、一人っ子は「自分がやらねば」という責任感が強いかもしれません。

しかし、介護は自分ですべてやろうと思ったところから、ほころびが生じます。
介護と仕事など自分の生活との両立は、想像以上に大変です。
途中で心が折れてしまったり、介護疲れに陥ってしまったりするケースも珍しくはありません。

そうならないためにも、早い段階から知識を蓄え、専門機関やスタッフ、サービスを積極的に活用してください。
そうすることで、親子共々よりストレスの少ない介護生活を送れると思います。

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この記事の作成者:編集担当(editor)
この記事の提供元:シルバーライフ

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