おからで腸内環境改善

おからで腸内環境改善
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

豆腐を作る際にできるおから、召し上がることはありますか?おからを煮て作る卯の花は食べるけれど、普段のおやつや料理に利用することはあまりない、という方もいらっしゃると思います。おからというと、中には豆腐の搾りかす、と敬遠される方もいらっしゃいますが、実は栄養豊富でヘルシーな食品なのです。今回はそんなおからについて、ご紹介します。

おからとはどんな食材?

おからは、大豆を煮てすりつぶし、豆乳を搾り取った残りの部分のことです。絞られた豆乳にはにがりを加え、豆腐として利用されますが、残ったおからは豆腐ほど利用されることはなく、肥料や飼料として加工されたり、廃棄されたりしています。
これは食料が潤沢になった近年に限ったことではなく、豆腐が広く一般的に食べられるようになった江戸時代中期頃から、さほど重要視されず、廃棄されていたようです。
とはいえ、各地にはおからを使った郷土料理もたくさんあります。
江戸時代、高価だった米が利用できない庶民がすし飯の代わりにおからを利用して作った「丸寿司」(愛媛県宇和島)、醤油漬けの魚をおからで和えた、大分県臼杵の「きらすまめし」、また、石川県では鯛の腹におからを詰めて蒸した「鯛の唐蒸し」が、結婚披露宴に欠かせない料理として知られています。
過去には、日持ちがしない、水分が多い生おからが主流でしたが、近年になり、乾燥させて消費期限が長いものが販売されるようになりました。おからの栄養が広く知られるようになったことと相まって、おからは広くさまざまな料理やお菓子作りに利用されるようになり、今日に至っています。

おからの栄養価とは?

大豆をもとに作られるおからには、とても多くの栄養素が含まれています。

① たんぱく質

たんぱく質は三大栄養素の一つで、標準的な成人の場合、体重の約1/5を占め、筋肉や血液に含まれているだけではなく、エネルギー源としても利用されています。また、常に分解・生成を繰り返しているため、毎日取り続ける必要があります。
ゆで大豆100gあたり、14.8gのたんぱく質を含んでいますが、大豆を絞ったあとの生おから100gあたりのたんぱく質は、100gあたり6.1gを含んでいます。

② カルシウム

カルシウムは私たちの体内に含まれる総量のうち、99%が骨や歯に蓄えられています。残り1%は血液や体液中に含まれ、止血を助け、神経伝達や筋肉の動きを促し、生命活動の維持を行う役割を果たす栄養素のひとつです。
ゆで大豆100gあたり79mgのカルシウムを含んでいますが、生おから100gあたりのカルシウムは81mgです。

③ 食物繊維

食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。
水溶性食物繊維は小腸で栄養素の吸収を穏やかにし、血糖値の上昇を抑え、コレステロールやナトリウムを吸着し、体外に排出する働きがあります。不溶性食物繊維は有害物質を吸着して排せつするとともに、水分を抱え込んで便のかさを増やし、便秘の改善に効果的です。
ゆで大豆100gあたり、2.2gの水溶性食物繊維、6.4gの不溶性食物繊維を含んでいますが、生のおから100gあたり、0.4gの水溶性食物繊維、11.1gの不溶性食物繊維を含んでいます。

④ レシチン

レシチンは卵黄や大豆、酵母などに含まれる成分で、私たちの体の細胞を包む細胞膜を構成する成分です。また、体内で神経伝達物質の材料として利用され、学習能力、睡眠の質の向上や脂質の代謝、肝臓の保護にも役立っています。中でも大豆に含まれるレシチンには、動脈硬化や高脂血症の予防、ダイエットにも効果的だといわれています。

⑤ イソフラボン

イソフラボンは大豆などに含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があり、日々のストレスなどにより増えた活性酸素を抑え、生活習慣病の予防、改善に一役かってくれるといわれています。
また、女性ホルモンに似た働きをし、エストロゲンが過剰な時には分泌を控え、不足している時には補う働きがあります。

⑥ サポニン

サポニンは豆科の植物に多く含まれる成分で、水に溶かすと泡立つ性質があり、脂質を溶かしだす働きがあることから、過去には石鹸として利用され、ラテン語のサボン(石鹸)の語源となっています。
サポニンには殺菌・抗菌作用のほか、肥満抑制、免疫機能の向上、血液をサラサラにする効果が期待できます。

おから入り蒸しパン

時にはパサパサとして喉を通りにくいおからですが、小麦粉と混ぜ、水分を多めに含む蒸しパンにすると、もちもちとして、食事の際やおやつに簡単におからの栄養を摂取することができます。
生おからと乾燥おからでは、上手に作るコツが少し違います。乾燥おからでの作り方をメインに、生おからを利用する方法もポイントとしてご紹介していますので、ご参照くださいね。
【材料】        150ccのプリンカップ又はマフィン型約6個分
・薄力粉        100g
・乾燥おから      50g
・ベーキングパウダー  小さじ1/2
・塩          1つまみ
・砂糖         大さじ2
・牛乳または水     200cc※
・卵          1個

材料

【作り方】
① 薄力粉、乾燥おから、ベーキングパウダー、塩、砂糖を合わせ、ボールにふるい入れます。

作り方①

② 牛乳または水と卵をよく溶き混ぜ、①の粉類に加えてダマが残らないように混ぜ合わせます。
③ プリンカップにサラダオイル(分量外)を薄く塗るか、グラシンケース(敷き紙)を敷き込み、②の生地を均等に流し込みます。
④ 蒸気の上がった蒸し器で約10分、竹串をさしてみて生の生地がつかなくなるまで蒸します。

作り方④-1

(蒸し器がない場合は、電子レンジのスチーム機能を利用するか、上の写真のようにフライパンに布巾を1枚敷き、熱湯を2cm程度入れ、その中にプリンカップを入れ、蒸してください。なお、この場合はガラスや金属など、耐水性のある型をご利用ください)

作り方④-2

※生おからを利用する場合は、レシピ中の牛乳または水の分量を100ccに減らします。
また、①では、薄力粉、ベーキングパウダー、塩、砂糖を合わせてふるい、②の牛乳または水に卵と生おからを溶き混ぜたものを、粉類に加えて混ぜ合わせます。生おからの水分量はメーカーにより若干違います。加える水分は生地の状態を確認しながら、スプーンですくってぽってりと落ちる程度になるように加減してくださいね。

おからレシピのまとめ

水分が少ないと、もそもそとして飲み込みにくさを感じることもあるおからは、高齢者や小さな子どもには敬遠されることも多いかと思います。が、おからそのものは淡白な味で、意外にもいろいろな料理に利用できるのが特徴です。
お財布にも、私たちの腸内環境の改善にも、とてもよいおからですが、不溶性食物繊維が多く、胃腸の働きが弱い方が食べすぎると、下痢、時には便秘を引き起こすこともありますので、体の声を聞きながら量を調整し、少しずつ召し上がってみてくださいね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

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