シャキシャキとした食感が特徴の水菜は、鍋やサラダ、煮物など、さまざまな料理に大活躍な野菜。それほど栄養満点な野菜には見えませんが、実は水菜には抗酸化作用の高い栄養素が豊富に含まれていて、生活習慣病予防にも効果が期待できます。水菜の栄養を上手にとるコツについてご紹介します。
目次
◆水菜とはどんな食材?
水菜は日本特産の野菜で古くから京都で栽培されています。シャキシャキとした食感が特徴で、サラダや鍋の具材、煮物、炒め物など、生食から加熱調理まで幅広く活用できます。1年中スーパーに並んでいますが、旬の時期は12月~3月ごろ。旬の時期の露地物は水耕栽培のものよりも味がよく、栄養価も高くなります。
一見淡い緑色であまり栄養豊富には見えませんが、β-カロテンが100gあたり600㎍以上含まれている緑黄色野菜に分類されます。また、抗酸化作用が高いビタミンCやビタミンEも含まれており、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。さらに、脂質の代謝を助けるビタミンB2やカリウムやカルシウムなどのミネラル、食物繊維も含まれている栄養バランスに優れた野菜です。
◆水菜の選び方と保存方法
・葉が鮮やかな緑色をしているもの
・葉先までみずみずしいもの
・根元がしっかりとしているもの
購入後は新聞紙やキッチンペーパーで包んでからビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。2~3日で食べきるのがおすすめです。
◆水菜の栄養とは
【水菜可食部100gあたり】
エネルギー…23㎉
水分…91.4g
たんぱく質…2.2g
炭水化物…4.8g
カリウム…480㎎
カルシウム…210㎎
リン…64㎎
鉄…2.1㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…1300㎍
ビタミンE…1.8㎎
ビタミンB1…0.08㎎
ビタミンB2…0.15㎎
ビタミンB6…0.18㎎
葉酸…140㎍
ビタミンC…55㎎
食物繊維総量…3.0g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・目や皮膚の健康を保つ!ビタミンA(β-カロテン)
β-カロテンには優れた抗酸化作用があり、体内で必用に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンで、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。強い抗酸化作用を持ち、アンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・美肌に欠かせない!ビタミンC
コラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果もあります。
・脂質の代謝をサポートする!ビタミンB2
ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるために欠かせないビタミンです。脂質が新しい細胞を作る手助けをすることで、皮膚や粘膜などを健康に保つことができます。子どもや胎児の発育を助ける働きがあることから「成長ビタミン」とも呼ばれています。
・たんぱく質の代謝に関わる!ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉や血液などを作ります。髪や皮膚、粘膜などを健康に保ち、成長を促進します。また、神経伝達物質の合成にも関わっています。ビタミンB2によって活性化すので、ビタミンB2と一緒にとると効果的です。
・血行を促進する!ビタミンE
強い抗酸化作用があり、体をストレスから守って老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防いでシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
・むくみの解消に!カリウム
カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があることから高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出するので、むくみの解消にも効果があります。
・骨粗しょう症の予防に!カルシウム
葉物野菜の中でカルシウムが豊富と言われている小松菜よりも多くのカルシウムが含まれています。骨や歯を作るのに欠かせないミネラルで、体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえて安定させるなどの効果もあります。
◆水菜の栄養を上手にとるコツ
・ビタミンCを摂取するにはサラダで
ビタミンCは水溶性の栄養素で熱に弱い性質がるので、生で食べると効率よく摂取することができます。水菜は生でサラダにしても美味しく食べられるので、ビタミンCの補給源としても優秀です。茎の部分は少し固いので食べにくい場合は少し塩もみすると食べやすくなります。
・油と一緒に食べる
水菜に含まれているβ-カロテンやビタミンEは脂溶性の栄養素なので、油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。水菜のサラダに油を使ったドレッシングをかける、ツナのオイル漬けと一緒に和え物にする。豚肉と一緒に炒め物にするなど、油と一緒に調理すると効果的です。
・きのこや鮭と一緒に食べる
水菜にはカルシウムが含まれていますが、カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素のひとつです。ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなるので、ビタミンDが豊富な食材と組み合わせて食べるのがおすすめです。ビタミンDは、きのこ類や卵、紅鮭、いわし、にしんなどに豊富に含まれています。
◆水菜のおすすめレシピ
水菜と油揚げの煮びたし
水菜のシャキシャキ食感が美味しい簡単副菜です。水菜は火の通りが早いので、煮る時間は短時間にすると色よく美味しく仕上がります。
【材料(2人分)】
水菜…1/2束
油揚げ…1枚
Aだし汁…150ml
A薄口しょうゆ…小さじ2
Aみりん…小さじ2
【作り方】
① 水菜は4㎝長さに切る。油揚げは、縦半分に切ってから横1㎝幅に切る。
② 鍋に【A】を合わせて沸騰させる。油揚げ、水菜の順に加え、時々上下を返しながら中弱火で煮る。水菜がしんなりとすれば出来上がり。
【ポイント】
・油揚げはコクや旨味をプラスするために油ぬきせずにそのまま使用しています。気になる方は油ぬきをしてからご使用ください。
・完成してから少しおくとより味がなじんで美味しくなります。
◆水菜レシピのまとめ
栄養バランスに優れた栄養満点の水菜。食べる時は、油と組み合わせて栄養をムダなくいただきましょう。サラダにかける油は血中のコレステロールや中性脂肪を減少させる効果も期待できる亜麻仁油やえごま油にするとさらに健康効果が期待できます。旬の美味しい時期に水菜をたっぷりといただきましょう!
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