日本の誇るスーパーフード 味噌

日本の誇るスーパーフード 味噌

味噌は日本人にはなくてはならない調味料の一つですね。白味噌や赤味噌、麦みそに田舎味噌。過去には味噌は各家庭で作られるのが当たり前の時代もありました。それぞれ自慢の味噌があり、そこから手前味噌という言葉が生まれたのです。今回はそんな味噌について、優れた健康効果や栄養成分、また、手前味噌の作り方をご紹介します。

味噌とはどのような調味料?

味噌の起源は、中国で作られていた醤(ひしお)ではないかと言われています。日本に伝えられた経緯については明らかにはなっていませんが、平安時代の文献には、味噌についての記載がみられます。
当時は調味料としてではなく、高価な食材として、貴族の間でなめ味噌のように食材に付けて大切に食べられていたようです。鎌倉・室町時代になると、味噌は広く一般に食べられるようになり、味噌を水でといて食べる、いわゆるみそ汁が登場しました。
この頃から、味噌は家庭でも作られるようになりました。その後戦国時代になると、移動にも耐える保存食として、また貴重なたんぱく源としてさらに広く利用されるようになり、保存方法、調理方法もバリエーションが豊かになっていきました。
やがて各地で地域色豊かな味噌が作られるようになり、その後、人口の増加とともに味噌の需要が高まり、江戸時代以降には各地で味噌の蔵元が発展していきました。
昭和の中頃から平成初期にかけては、女性の社会進出に伴って、出汁いりやインスタント味噌汁のもとが数多く販売されるようになりました。
その一方で、味噌の健康効果についてテレビの健康番組などで取り上げられる機会が増えたこともあり、手作りの味噌にこだわり、自宅で味噌を作る人が増えてきています。

味噌の栄養価とは?

① たんぱく質

大豆が主な原料となる味噌は、植物性たんぱく質を多く含んでいます。たんぱく質は脂質、糖質とともに三大栄養素の一つとして数えられています。私たちの筋肉や内臓、血液、免疫細胞を構成する成分であるほか、1gあたり4kcalのエネルギーを産出しています。

② 鉄

鉄は血液中の赤血球のなかにあるヘモグロビンに含まれ、全身に酸素を送り届ける働きがあります。鉄分が不足すると、めまい、動悸や息切れを引き起こします。

③ イソフラボン

イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化力があり、生活習慣病の予防や改善に役立つといわれています。また、女性ホルモンの一つ、エストロゲンに似た働きを持っています。更年期を迎え、エストロゲンの分泌が減って不調がみられる方は、特に意識して取りたい成分の一つです。

④ 大豆サポニン

サポニンは大豆をはじめとする植物に含まれる、苦みやえぐみのもとにもなる成分です。サポニンには殺菌作用、抗菌作用があり、過剰なコレステロールを除去したり、免疫力を向上させたりする働きがあります。

我が家の味を作る 手前味噌

【材料】    味噌約2.2kg分
・大豆・・・500g
・米麹・・・1kg
・塩・・・250g+α

材料

(ほかに、ホワイトリカー、食品用消毒用アルコールなど・・・適宜
使用する調理器具や保存容器はホワイトリカーや食品用消毒用アルコールをふきかけて消毒し、手指もきれいに洗ってから、消毒用アルコールを噴霧しておきます。)
※この配合で作ると、西日本で好まれる少し甘めの、塩分濃度が10%程度の味噌になります。すっきりとした東北風の配合がお好みの場合は米麹500g程度で作るとよいでしょう。
【作り方】
① 大豆は洗って24時間水につけ、中心までしっかりと水を吸わせておきます。
② 大豆を親指と薬指でつまみ、押してみて簡単につぶれるくらいの柔らかさになるまで煮るか蒸します。

作り方②

③ 大豆を煮ている間に米麹と塩を両手で包み込むようにして、よくすり合わせます。(塩切りといいます。)
④ 大豆が煮えたらザルに取り、人肌まで冷ましてから、ボールに入れてすりこ木などでつぶすか、写真のように、丈夫なフリーザーバックなどに入れて、ビンや鍋底などでつぶします。ゆで汁は残しておきます。

作り方④

⑤ 塩切りした麹とつぶした大豆を混ぜ合わせ、耳たぶ程度の固さになるまで茹で汁を加え、固さを調整します。

作り方⑤

⑥ ⑤を野球ボール大に丸め、ぎゅぎゅっと押し付けるように清潔な樽や保存容器に詰めます。このとき、空気が入らないように隙間なく押し込むのが、カビを防ぐポイントになります。上部に塩をまんべんなく振り、ラップなどで密閉してから600g程度の重しを乗せておきます。量が少ない場合は、写真のようにファスナー付きのフリーザーバックなどに入れておくとよいでしょう。

作り方⑥

味噌は四季の気温の変化を感じて発酵していきます。冷蔵庫に保存しておくと発酵は進みませんので、できるだけ涼しく、日の当たらないところで保存しておきましょう。
併せて、味噌づくりで出やすい疑問をQアンドAの形でご紹介します。
・大豆は煮る?蒸す?
大豆を煮ると、煮汁に旨みが出るので、すっきりとした味に、蒸すと旨みが残りやすく濃厚な味になり、色も若干早く濃くなります。
・味噌の表面に黒っぽい水分が上がってきたら?
黒っぽい水分は、醤(ひしお)に近い、しょうゆの原型です。梅雨になり、適度な気温と湿気が出て発酵が進むと表面に溜まってきます。たくさんある場合は、刺身醤油やたまごかけごはんにおすすめのしょうゆとして利用できますが、あまり取り過ぎると味噌にカビが出やすくなります。
・カビが生えてきたら?
カビの部分を取り除き、ホワイトリカーなどを噴霧し、新たに塩を振ってからラップフィルムなどを密着させ、重しをしておきます。
・いつごろから食べられるの?
この配合は麹の使用量が多く、いち早く甘みがでてくるので、作ってひと月後位から、白みそとしておいしく食べることができます。味噌が若いうちは麹の粒が残っています。気になるときは、あらかじめフードプロセッサーなどで滑らかにしてから利用してくださいね。

まとめ

今回ご紹介したほかにも、味噌は古くから民間療法の薬として火傷やあかぎれの薬として使用されてきました。その効能の高さから、「味噌汁は医者殺し」「医者に金を払うよりも味噌屋に払え」ということわざも生まれました。
近年の研究では、がんや高血圧、便秘を解消したり、放射線から体を守ってくれたりすることも確認されています。数年をかけて長期熟成させた、少し酸味を感じる味噌には、腸内の環境を整える植物性乳酸菌も増えていますよ。
味噌は、同じ材料、作り方でも家庭や作る人の手にいる常在菌により、少しずつ味や香りが変わるといいます。何軒かで一緒に作り、一年後にお互いの味を確かめ合うのも楽しいですね。

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