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スーパーフード「抹茶」とは
公益社団法人日本茶業中央会では「覆下栽培した茶葉を揉まずに乾燥した茶葉(碾茶)を茶臼で挽いて微粉状に製造したもの」とされています。しかし明確な定義がないため、品質には大きなばらつきがあるのが現状で、世界的な抹茶の需要などをふまえて、新たな定義が検討されています。
抹茶の歴史
鎌倉時代の初期、臨済宗の開祖である栄西禅師が、中国の宋から茶の種を持ち帰ったのが初めといわれています。栄西禅師の「喫茶養生記」は、茶の栽培方法や効用などが記された、茶に関しての日本最初の文献です。京都の宇治は土地や気候が茶の栽培に適しており、足利義光が宇治茶の栽培を奨励したこともあり、お茶の文化が大きく発展しました。さらに室町時代に禅の精神と結びついた茶の湯は、千利休によってひとつの文化として大成し、織田信長や豊臣秀吉などの戦国大名にも親しまれ、茶の湯文化は日本特有の文化として現在に受け継がれています。昭和の中~後期、冷たい抹茶にシロップを加えた「グリーンティー」や、牛乳に抹茶を溶かした「抹茶ミルク」が人気となり、抹茶アイス、抹茶パフェなど、抹茶を使用したスイーツが次々と登場しました。現在「抹茶味」は一般的に定着し、茶道だけではなく、スイーツや料理の材料としても幅広く使用されるようになっています。
ジャパニーズスーパーフード
「スーパーフード」は1980年代頃のアメリカやカナダで、食事療法を研究する医師や専門家によって使われ始めた言葉で、アメリカの医師スティーブン・プラットの著書の中で使われたことで広まりました。スーパーフードは特定の食品を定義したものではなく「一般の食品よりもビタミンやミネラル、クロロフィル、アミノ酸などの必須栄養素や健康成分を多く含む、主に植物由来の食品である」ことが前提で、提唱者によって異なる食品が挙げられています。その中で、日本で古来から食されている健康効果の高い食品は「ジャパニーズスーパーフード」と呼ばれ、抹茶もジャパニーズスーパーフードのひとつです。ジャパニーズスーパーフードについては、日本スーパーフード協会によって次のように定義されています。
・日本の食文化において、日本人の健康と幸福に寄与してきたと評価される、伝統自然食品や伝統的製造法を有する国産の食品。
・日本の伝統食を再構築し、新しいカタチ、新しい食し方で国内外に普及する活動をしていくことを目的とした、日本発・日本独自のスーパーフード。
抹茶に含まれる栄養素について
抹茶は茶葉を丸ごと摂取できるため、茶葉の有効成分を無駄にせず、効果的に摂取することができます。
カテキン
カテキンはポリフェノールの一種で、緑茶カテキンは緑茶に含まれる8種類のカテキン類の総称です。加工前の茶葉には4種類のカテキンが含まれており、加工処理の工程でそれぞれのカテキンの一部は構造が変化するため、加工された茶葉では8種類のカテキンが含まれていることになります。緑茶カテキンにはとても多くの健康効果が期待されています。
・口腔内環境の維持・改善
カテキンの持つ抗菌作用により、口内フローラを良好に保つことがわかっています。このことから歯周病の予防・改善や、口臭の予防にも有効と考えられます。また歯垢の付着を抑制する働きがあり、虫歯予防にも効果が期待できます。
・腸内環境の維持・改善
緑茶カテキンは、ビフィズス菌などの有用菌には影響せず、ウェルシュ菌やクロストリジウム属の有害菌を抑制することがわかっています。しかし効果の持続性は弱いため、緑茶カテキンを毎日摂取することで、腸内環境を良好に維持できるといえます。
・花粉症の症状緩和
緑茶カテキンにはアレルギー症状が出るときに、ヒスタミンなどの伝達物質が遊離するのを抑制する効果があるといわれています。緑茶カテキンを継続的に摂取したことで、アレルギー性鼻炎の症状が緩和されたという調査結果があります。
・抗菌・抗ウイルス効果
緑茶カテキンとお茶に含まれるテアニンにより、インフルエンザの予防や症状緩和に効果があることが実験により確認されています。
薬膳の効果
清熱効果が高く、体の熱を冷ます働きがあります。消化を促進するといわれており、下痢気味の時に効果的とされています。
抹茶の簡単で美味しいレシピ
抹茶の品質は、原料の茶葉の品質とほぼ比例します。上質な抹茶は、鮮やかな美しいみどり色をしていて、一般的には上級品ほど価格も高くなります。上質な抹茶は、香りやうま味、甘みが濃厚で、渋みや苦みは少なくまろやかです。
【抹茶ムース】
【材料】(作りやすい分量)
・牛乳 200ml
・砂糖 30g
・抹茶 小さじ1
・ゼラチン 3g
・生クリーム 50ml
・砂糖 大さじ1
【作り方】
1. ゼラチンは10mlの水(分量外)でふやかしておきます。
2. 抹茶と砂糖をよく混ぜておきます。あらかじめ砂糖と混ぜておくことで、抹茶がだまになりにくくなります。
3. 牛乳を鍋に入れて温めます。沸騰させないように注意しましょう。
4. 牛乳に2.を入れてよく溶かします。だまができてしまったときは、一度ざるでこしておきましょう。
5. 1.を入れてよく溶かします。ゼラチンがよく溶けたら、ボールか大き目の計量カップなどに入れかえて冷ましておきます。
6. 生クリームを泡立てます。少しとろみがついてきたら砂糖を加え、さらに泡立てて、角がたつまで泡立てます。
7. 5.を氷水にあてて、とろみがつくまでよく混ぜながら冷やします。冷えてくるとゼラチンが凝固するので、必ず混ぜながら冷やしてください。
8. とろみがついてきたら、氷水から外します。泡立てた生クリームの1/3量を入れて、よく混ぜます。
9. よく混ざったら、残りの生クリームを泡が消えないように手早く混ぜます。
10. 容器に入れてラップをかけ、固まるまで冷蔵庫で冷やしてできあがりです。
※お好みで、生クリームやゆで小豆、チョコレートなどをトッピングしてください。
スーパーフード「抹茶」のまとめ
抹茶は茶葉を丸ごと摂取でき、健康効果を効率よく摂ることができます。欧米では日本を代表する食材のひとつとなっており、スーパーフードとしてさまざまな健康効果が期待されています。茶道に限らず、気軽に毎日の生活に取り入れてみましょう。
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