高齢者の一人暮らしをサポートするのに必要なものは?

高齢者の一人暮らしをサポートするのに必要なものは?
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「家族が高齢で一人暮らしをしている」という方もいると思います。
また、現在お一人で生活されている高齢者の方もいるでしょう。

しかし高齢者の一人暮らしには不便がつきもの。
何かしらのサポート・支援を受けることで、快適に暮らせるといいですよね。

ここでは、一人暮らしの高齢者の方やそのご家族の方向けに、おすすめのサポート方法などについてお伝えします。

一人暮らしの高齢者の割合

令和2年国勢調査によると、65歳以上の約671万7,000人が一人暮らしをしています。
これは65歳以上人口の19.0%を占めており、高齢者の約5人に1人が一人暮らしをしているという結果です。

男女別の値は、男性230万8,000人、女性440万9,000人と、一人暮らしをしている女性は男性の2倍近くいることになります。

また老人ホーム等に入居している「社会施設の入所者」は179万8,000人、「病院・療養所の入所者」は40万2,000人となっているところから、一人暮らしの高齢者がいかに多いかが分かるかと思います。

(参考資料:令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要

一人暮らしの高齢者が増える理由

なぜ一人暮らしの高齢者が増加しているのか。その理由を見ていきましょう。

(1)一人で生活していてもとくに大きな問題がない

近年の高齢者は、元気な方が多いです。

令和2年度の65~79歳の男女を対象に行われた新体力テスト(握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行)においても、それぞれの合計点は平成23年度を上回っています。

また経済的な暮らし向きについて「心配がない」と回答している高齢者も68.5%と高め。

体力的にも経済的にも大きな問題がないゆえ、一人暮らしを継続している高齢者が増えているのでしょう。
(参考資料:令和4年版高齢社会白書(全体版)

(2)現在の生活環境を変えたくない

施設や家族の世話になるのであれば、多少不便であっても、今の生活を手放したくない。
そういった高齢者が多いのも、一人暮らしの高齢者が増加している理由かもしれません。

現在は、高齢者であっても、コンビニエンスストアや商業施設が発達していることで、
一人暮らししやすい環境になっています。

そのため、たとえ家族に勧められたとしても、現在の生活を維持する高齢者が増えている可能性もあります。

(3)頼れる身内がいない

高齢者のなかには、頼れる家族や友人がおらず、一人暮らしをせざるを得ない人たちもいます。

令和3年度の内閣府の調査によると、「自分には人との付き合いがないと感じることがあるか」の質問に対して、「常にある」と回答した高齢者は9.3%。
とくに60~64歳の男性は「常にある」と回答した人の割合が16.2%と、ほかの属性の人たちよりも高くなっています。

また一人暮らしの人も「常にある」との回答が14.7%と高く、子どもがいない人も「時々ある」が38.3%、「常にある」が15.7%と高い傾向にありました。

高齢者ともなると、親兄弟や配偶者がすでに亡くなっているケースも多く、誰もが近くに頼れる家族をもっているわけではありません。
そのため、本人が希望する・しないにかかわらず、一人暮らしをせざるを得ない人たちも一定数いることがうかがえます。
(参考資料:令和3年 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査(全体版)

一人暮らしの高齢者が直面する問題

では、一人暮らしの高齢者が気をつけなくてはならないことは何でしょうか?
みていきましょう。

(1)認知症などの病気を見逃す恐れがある

高齢者が気をつけなくてはならない病気の一つが、認知症。
家族などと同居していれば、「あれ、おかしいな?」と周囲の人が異変に気が付くことができますが、
一人暮らしの場合、だれも分からず、症状がどんどん進行してしまうことも……。

周りとの接触がないまま知らず知らずのうちに症状を放置してしまい、病状が悪化してしまうケースもあります。

(2)犯罪などのトラブルに巻き込まれやすい

高齢社会白書によると、全刑法犯被害認知件数のうち65歳以上が占める割合は、令和2年は16.4%と年々増加傾向にあります。
これは、社会全体で高齢者の割合が増えたことも関係していますが、特殊詐欺(オレオレ詐欺や預貯金詐欺など)の被害者の9割近くは高齢者です。

このように高齢者は犯罪被害に巻き込まれやすく、とくに一人暮らしの高齢者は、近くに相談できる家族がいないため、より慎重になる必要があります。
(参考資料:令和4年版高齢社会白書(全体版)

(3)生活水準が低下しやすい

誰にも気兼ねなく自由に過ごせることが一人暮らしの利点ではあります。

しかし、同居人がいないことから日々の張り合いがなく、やるべきことをおろそかにしてしまうことも考えられるでしょう。

たとえば、整理整頓や掃除が億劫になって少しずつ部屋に汚れが目立つようになることがあり得ます。
あるいは、食事を外食やスーパーの総菜で済ませてしまうことが増えてしまうかもしれません。

このような生活を続けていると、健康を損ねるリスクが高まってしまうのではないでしょうか。

一人暮らしには、生活水準が低下しやすいといという問題があるのかもしれません。

一人暮らしの高齢者が安全と健康を保つには

一人暮らしは気楽で、自分の好きなものを食べられたり、部屋をお気に入りのスタイルに整えられたりとメリットも色々あります。
しかし、体力・気力ともに衰えがちな高齢者だからこそ、安全や健康を保つためにも、さまざまなサービスを利用したいものです。
ここでは、高齢者の一人暮らしにおすすめのサービスを紹介します。

(1)見守りサービス

一人暮らしの高齢者が最も懸念する事項の一つが、「何かあったとき」ではないでしょうか。

ふだんの生活には何ら問題ないけれど、病気で倒れたり、災害などに遭ったり。
そんな「万一のとき」を思うと、不安で仕方がないという方も多いと思います。

そのような方々におすすめなのが、見守りサービス。
何かあったときに、すぐさまスタッフが駆けつけてくれるので、遠方で暮らす家族なども安心できるでしょう。

見守りサービスのなかには、健康相談ができたり、医療機関や人間ドックの紹介・予約代行などを行ってくれたりするものもあります。

これらのサービスを利用して、安心安全な生活を長く続けていきましょう。

(2)家事代行サービス

毎日行っている掃除や洗濯などの家事も、高齢になると負担になりがち。
高い場所に手が届かない、重い買い物バッグなどの荷物が持てない、といった問題に直面することもあると思います。

そのような場合に、おすすめなのが家事代行サービス。
近年は高齢者向けの家事代行サービスも充実しており、高所の掃除、洗濯・布団干し、庭の手入れなどさまざまなことを行ってくれます。

手が届く範囲は自ら行って、脚立を使わないといけないところなど危険な箇所はプロにお任せするというのもいいでしょう。

(3)食事宅配サービス

高齢になると食欲も低減し、若い頃みたいにたくさん食べられない……といったことが生じます。

食事の量が減るにつれ、栄養も十分ではなくなり、フレイル(虚弱、介護一歩手前の状況)などに陥ってしまうことも。
当然のことながら、元気もなくなり、病気にもかかりやすくなってしまいます。
そうならないためにも、日々栄養バランスのとれた食事を摂取することは大切です。

とはいっても、「毎日、栄養まで考えたうえで自炊するのは大変」という方は少なくないと思います。

そのような方々におすすめなのが、食事の宅配サービスです。
宅配サービスのなかには、管理栄養士が献立を考案したものや健康バランスに配慮したものなども多く存在します。

シルバーライフでも高齢者の方々向けに、「まごころケア食」といった冷凍弁当(主菜1品+副菜3品)をお届けしています。

電子レンジで解凍するだけで、簡単に食べられるので、毎日の食事の支度がおっくうな方は、ぜひ利用してみてください。

家族ができること

たとえ同居していなくても、一人暮らしの家族が気がかりという方もいると思います。
そのような方々のために、そばにいられなくても、できることをお伝えします。

(1)地域包括支援センターを利用する

地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを地域ぐるみでサポートするための施設。
令和3年4月末時点で、全国に5,351カ所が設立されています。
(参考資料:地域包括支援センター (参考資料) – 厚生労働省

地域包括支援センターには、ケアマネージャーや社会福祉士など、介護・医療・保健・福祉のエキスパートが在籍しており、その他の機関とも連携しながら、高齢者の安全や健康を守っています。

もし親の一人暮らしなどに不安を感じることがあれば、親が住む地域の地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。

必要であれば、スタッフが介護保険の申請や調査の立会い、介護サービスの導入のサポートなどを行ってくれます。

このように書くと、なかには「まだ介護が必要という段階ではない」といった懸念を表される方もいるでしょう。しかし、地域包括支援センターは、介護予防といった支援も行っています。

介護予防では、通いの場にてさまざまな仲間と交流できたり、リハビリテーションを受けられたりします。
とくに高齢者同士が集まるサロンのような役割を果たす「通いの場」は今、注目の介護予防です。

通いの場では、飲食しながらお話をしたり、場所によってはパソコンや料理教室、将棋・囲碁サロンなどが開かれたりして、高齢者の生きがい保持やモチベーションアップにも貢献しています。

介護にならないよう予防することは、一人暮らしの高齢者にとって非常に重要なことです。

「まだ介護には早すぎるし……」という段階でも、一度相談してみて、その状態をできる限り長くキープできるようにしていきましょう。

(2)民生委員に相談する

もしお近くに民生委員の知り合いがいる場合は、その方々に相談するのもいいかもしれません。

民生委員とは、その地域に密着した、社会福祉における相談相手のこと。
そこまで遠方に親が住んでいるわけではないけど、仕事や家庭などの事情で、なかなか様子を見に行けないなどの場合は、地域の民生委員の方に協力を仰ぐのもいいと思います。

民生委員は地域のボランティアですが、厚生労働省から任務を委嘱される非常勤の地方公務員のため、守秘義務があります。
そのため、他者に知られたくない家族の秘密が漏洩するといったこともありません。

もし民生委員の知り合いがいない場合は、お住まいの自治体の窓口に相談してみるといいでしょう。
(参考資料:ご存じですか?地域の身近な相談相手「民生委員・児童委員」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
民生委員・児童委員はどのような活動をしているのですか?|厚生労働省

(3)民間サービスを利用する

介護保険を申請していなくても利用できる、民間サービスもたくさんあります。

「一人暮らしの高齢者が安全と健康を保つには」の項で説明したサービス以外にも、訪問理美容や訪問マッサージなどのサービスも存在します。

遠方まで出掛けるのが難しい高齢者でも、これらのサービスを活用すれば、気軽にオシャレをしたり、リラックスしたりすることができます。

人と接することは、介護予防にもつながりますし、定期的に人と会うことで、間接的に一人暮らしの高齢者の見守りを果たしていることにもなります。

最低限の生活を保障するだけでなく、高齢者がより楽しく前向きに人生を歩んでいくためにも、ぜひ家族の方々はこのようなサービスの利用も検討してみてください。

一人暮らしの高齢者でも、楽しく快適に生きる方法は色々ある!

一人暮らしの高齢者のサポートについて、お伝えしました。
年々増加傾向にある、一人暮らしの高齢者。
少子高齢化が進むなか、この状況はさらに加速度を増していくと予想されます。

しかし現代は、一人暮らしの高齢者でも快適に楽しく暮らせるよう、サービスが充実しています。
たとえ一人暮らしであっても、おいしいご飯を食べられたり、部屋の中を整えたり、仲間たちと楽しい時間を過ごしたりといったことは可能です。
一人で難しいことは各種サービスを利用しながら、ぜひ明るく前向きな人生を送っていきましょう。

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この記事の作成者:編集担当(editor)
この記事の提供元:シルバーライフ

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