目次
コーヒーについて
コーヒーはコーヒー豆を焙煎して挽いた粉末から、湯または水で成分を抽出した飲み物です。
コーヒーの歴史
コーヒーが日本に伝わった時期には諸説ありますが、出島のオランダ屋敷に招かれた蘭学者たちが、コーヒーを味わったという話が残っています。1782年(天明2年)、蘭学者の志筑忠雄が訳した「万国管窺」という本の中に、「阿蘭陀の常に服するコッヒーと云うものは、形豆の如くなれどもじつは木の実なり」との記載があり、1797年(寛政9年)「長崎寄合町諸事書上控」の中には、長崎丸山の遊女がもらった物として「コヲヒ豆一箱。チョクラート」と記されています。江戸末期、出島に医者としてやってきたドイツ人のシーボルトが「コーヒーが体に良いことを説明すれば、日本人ももっとコーヒーを飲むようになる」と言っていることから、コーヒーには薬のような役割もあったことがわかります。
1888年(明治21年)4月、日本初の喫茶店である「可否茶館」が開店しました。残念ながら3年足らずで閉店となりましたが、一般庶民が利用できる喫茶店の開業は、コーヒー文化の先駆けとなりました。その後、明治41年に始まった日本からブラジルへの移民の多くがコーヒー農園で働いていたことから、ブラジル政府からコーヒー豆が無償で提供され、その豆を使ってコーヒーを低価格で提供するコーヒー店が繁盛したことで、コーヒーが庶民にも浸透していきました。
コーヒー豆の焙煎
コーヒー豆は焙煎によって風味と香りが生じます。生豆(なままめ)は淡い緑色で、コーヒー特有の香りはありません。一般的に深く焙煎するほど甘味と苦みが増し、酸味は減少しますが、豆の種類による特徴が最も強く出るのは浅煎りから中煎りで、焙煎が深くなるほど豆の香りは薄くなるといわれます。豆の特徴に合わせて焙煎することが必要です。
コーヒーをいれる方法
・ペーパードリップ式
最も一般的なコーヒーのいれ方といえます。いれる杯数に合ったサイズのドリッパーとペーパーフィルターが必要です。
・ネルドリップ式
日本では出汁を濾すフランネルという布を使用したことから、ネルドリップと呼ばれています。もともとは一度に大量のコーヒーをいれるための方法でしたが、現在は少量抽出用のネルフィルターを使って、家庭でも楽しむことができます。
・サイフォン式
19世紀の初めにヨーロッパで開発された方法です。サイフォン器具を使用し、蒸気圧でお湯を押し上げ、高温の湯にコーヒーの粉を浸して抽出します。
コーヒーの伝説
コーヒーの起源には数多くの伝説がありますが、中でも2つが有名です。1つは主にキリスト教国に伝わる「ヤギ飼いカルディの伝説」、もう1つは主にイスラム教国に伝わる「僧侶シェーク・オマールの話」です。
ヤギ飼いカルディの話(エチオピア起源説)
このお話はレバノンの言語学者ファウスト・ナイロニの「眠りを知らない修道院」(1671年)に記されています。
「6世紀ごろのエチオピア高原での出来事です。ヤギ飼いのカルディは、放し飼いのヤギたちが昼夜に関係なく、とても興奮していることに気づきました。調べてみると、丘に自生していた赤い実を食べたことが原因のようでした。そこでこの赤い実を修道僧に渡し、修道僧が食べてみると、眠気が覚め気分が爽快になることがわかりました。それから修道僧たちは、徹夜の祈祷や修行でも睡魔に苦しむことがなくなったということです。」
僧侶シェーク・オマールの話(アラビア起源説)
こちらはイスラム教徒アブダル・カディの「コーヒー由来書」(1578年)に記されているものです。
「13世紀ころ回教僧のシェーク・オマールは、無実の罪でイエメンの山中に追放されてしまいました。山中をさまよい歩いていると、1羽の鳥が赤い木の実をついばんでは元気にさえずっていました。その赤い実を摘み、煮だして飲んでみると、うそのように疲れが消え元気が回復しました。医者でもあったオマールはこの赤い実を持ち帰り、薬として用いて多くの人を病から救いました。」
コーヒーの栄養
レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーでは、香りや風味に違いはあっても、飲料にしたときの栄養量はほぼ同じです。
カフェイン
カフェインには神経を興奮させる作用があるため、適量の摂取によって集中力を高めたり、脳を活性化する効果があります。運動前にカフェインを摂取すると、運動効率を上げ体脂肪の燃焼や基礎代謝の亢進などの効果も期待できます。しかしカフェインの過剰摂取は、イライラしたり疲れやすくなったり、睡眠の質が低下するなどの悪影響を及ぼすことがあります。カフェインの摂取量について日本では明確な基準値はありませんが、カナダ保健省ではカフェインの摂取量を、健康な成人では最大400㎎/日(マグカップ約3杯のコーヒーに相当)としています。さらに妊娠している女性や授乳中の女性は300㎎/日、3歳までの子どもは摂取を控える方がよいとしています。
コーヒーポリフェノール
コーヒーに含まれるポリフェノールはクロロゲン酸類という物質で、コーヒーから発見されました。コーヒーの色や苦味、香りのもととなる成分で、多くの種類があります。クロロゲン酸類には脂肪の吸収を抑制したり、がんや糖尿病、動脈硬化などの予防に効果があるとされ、研究が進められています。
薬膳の効果
訳もなく不安になったり気分が落ち込むなど、心の不調を感じる人に適しています。眠気を覚まし、心身を覚醒させる効果があります。また胃腸の働きを助け、利尿作用によってむくみの改善にも効果的です。
コーヒーのレシピ
コーヒー豆は高温を避け、日光や紫外線に当たらないように遮光性のある容器で保管しましょう。空気に触れると酸化して苦みや風味が落ちるので、できるだけ空気を抜いた状態で保管し、開封したコーヒー豆は早めに使い切りましょう。
【コーヒーのゼリードリンク】
【材料】(350mlのコップ 2杯分)
・コーヒー 300ml
・アガー 3g
・砂糖 30~40g
・牛乳 適量
【作り方】
1.ドリップしたコーヒー300ml、または300mlの水にインスタントコーヒーを溶かしたものを用意します。
2.アガーと砂糖をよく混ぜておきます。アガーは単体だと溶けにくいことがあるので、あらかじめ砂糖とよく混ぜておきましょう。
3.鍋に1.のコーヒーをいれ、2.を加えてよく混ぜてから火にかけます。
4.混ぜながら軽く沸騰させて火を止めます。
5.粗熱がとれたらコップに注ぎ分けます。
6.ラップをして、冷蔵庫で固まるまで冷します。
7.飲む直前に、固まったコーヒーゼリーをスプーンで大きめに崩します。
8.牛乳を注いでできあがりです。
※ 砂糖の量はお好みで調節してください。
コーヒーレシピのまとめ
コーヒーにはリラックス効果や集中力を高める効果があります。適量を摂ることで、コーヒーポリフェノールの健康効果も期待できます。
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