贅沢なうま味 干し貝柱

贅沢なうま味 干し貝柱

干し貝柱とは

主にホタテガイの貝柱を、ゆでてから天日干しした乾物の一種です。ホタテガイの他にイタヤガイやタイラギなどの貝柱が使われることもあります。中華料理ではよく用いられる食材で、そのまま食べることもできますが、料理に使用するときは水で戻してから調理します。戻し汁にはうま味があり、だし汁として利用できます。

干し貝柱のうま味成分とその効果

干し貝柱に含まれるうま味の主な成分はグルタミン酸とイノシン酸です。うま味成分は単体でも効果がありますが、組み合わせることで相乗効果が生まれ、うま味が何倍にも強くなることがわかっています。干し貝柱はタンパク質系のグルタミン酸と核酸系のイノシン酸を含み、干し貝柱自体がうま味の相乗効果をもっているといえます。
・グルタミン酸
グルタミン酸はタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中のひとつで、人の体内にも約2%の割合でグルタミン酸が含まれているといわれます。グルタミン酸は体内でも合成され、生命の維持に重要な働きを担うアミノ酸です。海藻や野菜類などにも広く含まれており、食事から摂取したグルタミン酸の多くは腸で使用されます。興奮性の神経伝達物質のひとつであり記憶や学習に重要な役割を果たすほか、パーキンソン病や抑うつ症状などの神経症状にもかかわっています。
・イノシン酸
イノシン酸は核酸を構成する成分のひとつでRNAの中に含まれており、魚や肉など動物性の食品の多く含まれています。イノシン酸はグルタミン酸と共存することで飛躍的にうま味が増強されることが分かっています。
現在、うま味にはさまざまな効果が期待されています。最も身近な効果は減塩の効果で、うま味を活用することで美味しさを損なうことなく減塩ができます。汁物ではうま味を利用することで、塩分を30%減らしてもおいしく食べることができるという研究データもあります。またうま味にはだ液の分泌を促す効果があるといわれており、特にグルタミン酸とイノシン酸の相乗効果によって、だ液の分泌が促進されるといわれています。だ液が十分に分泌されることによる消化機能の促進や口腔内の衛生保持など、だ液分泌が減少している高齢者のQOL改善にも効果があるとして研究が進められています。

干し貝柱の戻し方

大きめの容器に干し貝柱を入れ、全体がしっかりと浸かるように多めの水を入れてふたをし、冷蔵庫で一晩(8~12時間ほど)戻します。しっかりと戻ると体積はおよそ2~3倍に膨らみます。短時間で戻したい場合は大きめの耐熱ボールに干し貝柱を入れ、十分に浸るようにお湯を入れてラップをして5~10分おきます。その後、電子レンジ500Wで2~3分加熱し、冷めてから使いましょう。電子レンジで加熱するときは吹きこぼれに注意し、加熱時間は干し貝柱の大きさなどによって調節してください。干し貝柱は時間をかけてゆっくりと戻す方が、戻し汁にうま味がたっぷり出て貝柱もやわらかくふっくらと戻ります。浸けておくだけなので、使う時間を逆算して戻しておくとよいでしょう。

干し貝柱の栄養

ビタミンB12

ビタミンB12は水溶性のビタミンで、神経や血液細胞を健康に保ったり、DNAの生成を助ける働きがあります。ビタミンB12が不足すると疲れやすくなったり、便秘や食欲不振の他、手足がチクチク痛むような神経症状がおこることがあります。ひどくなると、うつ病や記憶力の低下などを引きおこす可能性もあるため注意が必要です。特に乳幼児でビタミンB12が不足すると発育障害や運動障害を引きおこす可能性もあるため、妊娠中や授乳中の女性では必要量が増加するビタミンです。

亜鉛

亜鉛は細胞の正常な分化に深くかかわっています。そのため細胞の代謝が活発な部位では必要量が増大すると考えられ、けがややけどなど創傷部位の回復時には必要量が増大することがあります。また味やにおいの受容体が存在する粘膜部位も、細胞の代謝が活発であることから、亜鉛の不足により細胞の代謝が妨げられることで味覚障害の原因となることがあります。

タウリン

タウリンはアミノ酸の一種で、人の体の恒常性の維持にとって重要な作用があります。体内のあらゆる臓器に分布しており、特に脳や心臓、肝臓、骨格筋、網膜などに多く含まれます。恒常性の維持(ホメオスタシス)は体温や血圧などが体外の環境に左右されずに一定に保たれる機能のことで、体内のさまざまな機能を制御したりバランスをとっていて、タウリンにはこのホメオスタシス作用があるといわれています。

薬膳の効果

ミネラルが豊富で体液を補い、腎の働きを高めます。滋養強壮やアンチエイジングの効果が期待できます。めまいやのぼせ、視力回復、頻尿などにも効果があり、食欲不振や消化不良の改善にも良いといわれています。

干し貝柱のレシピ

干し貝柱は乾物であり比較的劣化しにくい食品ではありますが、本来の品質や美味しさを維持するための理想的な保管条件は、温度5~15℃、湿度が60%の環境といわれます。ホタテの干し貝柱は肉のしまりが良く、黄金色か和赤褐色で光沢があり、特有の香りがあるものが上級品です。干し貝柱の厚み(高さ)は、海流の速さや海底の地形など、貝の生育環境によって変わります。貝が流されやすい環境で育つと貝柱は厚く丸みを帯び、穏やかな海底では貝柱は平たくなる傾向があります。

【干し貝柱の炊き込みごはん】

干し貝柱の炊き込みごはん

【材料】(米2合分)
・米       2合(300g)
・干し貝柱    5個(20~25g)
・にんじん    25g
・油揚げ     1/2枚
・塩       小さじ1/2
・しょう油    小さじ1
・酒       小さじ1
・みりん     小さじ1/2
・万能ねぎなど  適量

【作り方】

1.干し貝柱はサッと洗って、100mlの水に浸けておきます。干し貝柱の全体がしっかりと浸かる容器に入れ、蓋かラップをして冷蔵庫で一晩おいて戻します。

作り方1-1

作り方1-2

2.お米は洗ってざるにあげ、水をきってから炊飯器(写真では土鍋)に入れます。
3.干し貝柱の戻し汁を炊飯器に入れ、調味料を入れます。炊飯器の目盛りまで水を足し、軽く混ぜます。20分以上浸漬し、お米に吸水させます。

作り方3

4.にんじんは洗ってから、長さ1~1.5㎝くらいの細い短冊切りにします。
5.油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、にんじんと同じくらいの大きさに切っておきます。
6.戻した干し貝柱はほぐしておきます。
7.にんじん、油揚げ、干し貝柱をお米の上にのせて、通常通りに炊いてできあがりです。お好みで万能ねぎをトッピングして下さい。ごまやのりなどをのせてもおいしいです。

作り方7-1

作り方7-2

※ 塩分は、お好みで炊きあがった後に塩(分量外)を加えて調整してください。

まとめ

干し貝柱は、主にホタテの貝柱を乾燥させた乾物です。そのまま食べることもできますが、調理に利用するときには水で戻してから使います。戻し汁はうま味成分がたっぷりと出ているので、残さず利用しましょう。

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