食感もさまざまな雑穀の栄養

食感もさまざまな雑穀の栄養

雑穀とは

雑穀は一般社団法人日本雑穀協会によって「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」と定義されています。

雑穀の歴史

雑穀の起源はユーラシアとアフリカといわれています。両大陸でそれぞれに独自の雑穀が発達し、栽培されてきたと考えられています。日本では「古事記」の中に「五穀」として「稲、粟、麦、小豆、大豆」について起源が記されています。続く「日本書紀」には、「六穀」として「粟、ひえ、稲、麦、大豆、小豆」が記されており、これらの作物が古くから日本人の基本的な食糧であったことがわかります。江戸時代になると主要都市を中心に、玄米から白米を食べる習慣が広まりました。その影響で「江戸患い」と呼ばれた脚気が流行し、人々は経験的に白米に粟やひえを混ぜたり、そばや麦、小豆なども食べて脚気を予防していたと考えられます。日本人の主食が一般的に白米となったのは戦後の高度経済成長以降と、比較的最近のことです。それまでは日本各地で雑穀が栽培され多くの人が主食としており、日本人の食生活を支えてきた主要穀物であったといえます。現在は家畜の飼料として利用される他、雑穀の優れた栄養が見直され、食用としての需要が増加しています。

雑穀の種類と栄養

雑穀の範囲は広くとらえられており、雑穀として扱われるものの中には豆類や玄米、そばやごま、とうもろこしなどを含める場合もあります。ここでは雑穀の一部についてあげます。
・黒米
玄米のぬかの部分にアントシアニン色素を含んだ米です。白米に混ぜて炊くと全体がきれいな紫色のごはんになります。中国では楊貴妃も食べたと伝えられており、薬米とも呼ばれて薬膳料理や宮廷料理にも利用されます。白米と比べてタンパク質やビタミンを多く含み、アントシアニンはポリフェノールの一種です。
・赤米
縄文時代の晩期に中国から伝わり、野生稲の多くが赤米だったことから日本の米のルーツともいわれています。赤米の色は、種皮部分に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンやタンニンの影響で、白米と一緒に炊くとお赤飯のようなピンク色のごはんになります。食物繊維、マグネシウム、ビタミンB1などを多く含みます。
・胚芽押し麦
胚芽を残して精麦した麦を、蒸気で加熱してからローラーにかけたものです。白米と混ぜて炊くことができ、プリプリとした食感があります。食物繊維は白米の20倍も含まれており、胚芽部分には不飽和脂肪酸やビタミンEも含まれています。
・もち麦
もちもちとした食感が特徴のもち性品種の大麦です。水溶性食物繊維のβグルカンが含まれており、βグルカンはアメリカで冠状動脈心疾患のリスクを下げる効果が認められています。
・きび
乾燥に強く、短い期間で収穫できます。きれいな黄色い粒が特徴で、冷めてももちもちした食感があります。白米と比べて食物繊維やカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などを多く含みます。
・あわ
日本では米や麦が普及するまでは主要な穀物として扱われており、明治の末期まで主食の一種として重要でした。くせがなく上品な味で食べやすく、消化もよい穀物です。白米と比べてビタミンB1が豊富で、食物繊維や鉄分、マグネシウムも含みます。
・ひえ
日本では稲作より早く伝来していたとされて日本最古の穀物のひとつといわれており、あわとともに主食とされていました。マグネシウムや亜鉛などのミネラルがバランスよく含まれており、食物アレルギーの人の代替穀物としても期待されています。
・キヌア
高地や湿地、塩害のあった土地など、一般的に作物が育ちにくい土地でも生育できる作物です。ミネラルや食物繊維のほか、タンパク質が多く含まれており、必須アミノ酸のバランスも優れていることから、アメリカのNASAが「21世紀の主食になる」と発表し、宇宙食にも推奨されたことでスーパーフードとして広く知られるようになりました。
・アマランサス
1975年にアメリカで栄養学的価値が評価され注目が集まりました。種は小さく、甘味がありプチプチとした食感があります。ゆでると透明感がでて白米と混ぜて炊くほか、料理にも利用できます。タンパク質が豊富で、穀物に不足しがちなメチオニンも多く含みます。穀物の中ではミネラルの含有量が飛びぬけて多く、カルシウムは白米の23倍、鉄も約6倍含まれています。

雑穀の効果

抗酸化作用

人の体内では酸素を利用してエネルギーを作り出すのと同時に活性酸素が生じます。活性酸素は細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因となります。活性酸素による酸化を抑えることを抗酸化といい、活性酸素から体を守ることを抗酸化作用といいます。雑穀には抗酸化物質であるビタミン類やポリフェノールなどが含まれています。

低GI

GIとは、食後の血糖値の上昇を示す指標で、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略です。食品に含まれる糖質の吸収度合いを示しており、GI値が70以上の食品を高GI食品、56~69の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品と定義されています。雑穀は種類によっても異なりますが、中~低GIであり、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

薬膳の効果

雑穀は種類によってそれぞれの効果をもっていますが、多くの雑穀に共通するのは、体力や気力を補い消化機能を高めます。体力を回復し、元気を出したいときに効果的な食材です。

雑穀のレシピ

雑穀は、開封後は密閉して冷暗所で保管するようにしましょう。小袋包装のものは、使う分ずつ開封できるので便利です。冷蔵庫での保管は、出し入れのときの温度差で結露すると劣化やカビの原因となるため、使いやすい量に分けて保存用のチャック袋などに入れてから冷蔵庫で保管するとよいでしょう。

【雑穀ごはんのスパムおにぎり】

雑穀ごはんのスパムおにぎり

【材料】(作りやすい分量:今回は8個分)
・米         2合
・雑穀ミックス    30g
・スパム       1缶
・卵         2個
・砂糖        小さじ1
・酒         小さじ1
・サラダ油      小さじ1
・板のり       2枚

【作り方】
1.米をといでざるにあげ、水をきっておきます。
2.炊飯器に米と雑穀ミックスを入れて、水加減をして炊きます。水加減は、雑穀ミックスに記載されている炊き方を参考にしてください。
3.卵2個をボールに割り入れ、砂糖と酒を入れてよく混ぜます。フライパンにサラダ油を入れて火をつけて薄焼き卵を2枚作ります。冷めたら1枚を4等分に切っておきます。
4.スパムを缶から取り出し、8枚にスライスします。
5.フライパンを火にかけ、あたたまったらスパムを焼きます。スパムから油が出るので油はひかず、両面に焼き色をつけます。
6.板のりは、1枚を縦長の帯状に4枚に割っておきます。
7.雑穀ごはんを8等分にし、俵型に軽く握っておきます。

作り方7

8.握った雑穀ごはんを割り、間にスパムを挟むようにして握ります。
9.薄焼き卵を上にかぶせ、のりで巻いてできあがりです。

作り方9

まとめ

雑穀は、主食以外に利用している穀物の総称です。多くの種類がありますが、食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含みます。白米に混ぜて炊くことで手軽に摂ることができるので、毎日のお食事にぜひ取り入れてみましょう。

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