きなこの栄養|筋トレにも美容にも効果的 

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きなことはどんな食材?

きなこは大豆を炒って皮をむいてから粉状に挽いた食品です。語源は「黄色の粉」で、漢字では「黄粉」または「黄な粉」と書きます。

きなこの歴史

きなこの原料である大豆は、弥生時代には栽培されていたと考えられています。奈良時代には大豆を粉にして使っていたといわれており、薬としても用いられていたようです。平安時代中期に作られた辞書である「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には大豆の粉が「未女豆岐(まめつき)」と記載されています。「きなこ」と呼ばれるようになったのは室町時代頃、きなこが庶民に広まったのは江戸時代といわれており、お菓子の食材として利用されるようになったことで用途が広がったと考えられます。徳川家康が駿河国(現在の静岡県)の茶屋を訪れたときに、きなこに砂糖を混ぜたものを砂金に見立ててもちにまぶし、「金粉もち」といって献上したところ、家康がとても喜んで食べたのがきなこもち(安倍川もち)の始まりといわれています。

きなこの種類

関東では黄金色のきなこが好まれるため、浅煎りのきなこが一般的ですが、関西では香りの強い、深煎りのきなこが好まれます。
・きなこ
浅煎りで色の薄い関東風のきなこです。
・こがしきなこ
一般的なきなこよりも強めに煎ったきなこです。
・黒須きなこ
深煎りで色も濃く、香りが強いきなこです。京風きなことも呼ばれます。
・うぐいすきなこ
青大豆を使用したきなこです。
・黒豆きなこ
黒豆を使用したきなこです。

きなこに含まれる大豆の有効成分

きなこは大豆を丸ごと煎って粉にした食品で、大豆の成分をそのまま摂取できるといえます。煎って粉にすることで、消化吸収もよくなると考えられます。
・大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは大豆の胚芽に多く含まれる成分で、エストロゲンという女性ホルモンと分子の構造が似ていることから、植物性エストロゲンと呼ばれることもあります。大豆イソフラボンから糖が遊離した構造のものを大豆イソフラボンアグリコンといいますが、この大豆イソフラボンアグリコンの分子構造が人のエストロゲンと似ていて、エストロゲンの働きを補う作用があると考えられています。エストロゲンは第二次性徴の発現や月経周期の調節など、特に女性の生理作用に重要な役割があるとされています。他にもがんの予防や骨粗しょう症の予防にも効果が期待されています。
・大豆オリゴ糖
大豆に含まれるオリゴ糖のことで、ラフィノースやスタキオースなどがあります。腸内でビフィズス菌のエサとなってビフィズス菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
・大豆サポニン
サポニンには苦みがあり、大豆をゆでたときに水に溶け出てくるアクの成分のひとつです。大豆サポニンには、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンという物質の分泌を促進する働きがあります。アディポネクチンには動脈硬化や糖尿病を予防する働きや、脂肪の燃焼を促進する働きがあることがわかっています。また大豆サポニンには過酸化脂質を抑制して脂肪肝を予防し、肝臓の働きを助ける働きが期待できます。他にも免疫力を向上させたり、血流を改善するなど、多くの健康効果が期待されています。

きなこに含まれる栄養

きなこの原料である大豆には、とても多くの栄養素がバランスよく含まれています。プロテインの一種であるソイプロテインの原料も大豆であり、きなこにも良質の植物性タンパク質が含まれています。

タンパク質

きなこに含まれる大豆タンパクは、植物性タンパク質でありながらアミノ酸スコアが100の良質なタンパク質です。飽和脂肪酸の含有量が低くコレステロールを含まないことから、生活習慣病の予防にも効果的といえます。大豆タンパクが分解されてアミノ酸が数個から数十個結合したものを大豆ペプチドと呼びますが、この大豆ペプチドは筋肉の合成を促進する効果があるといわれています。また、ブドウ糖の吸収を促進して効率よくエネルギーを消費することで疲れにくい体を作り、トレーニングにも有効です。他にも大豆ペプチドには血圧を下げる効果なども期待されています。

ビタミンB群

きなこにはビタミンB群がバランスよく含まれています。ビタミンB群の仲間はそれぞれに特有の働きも持っていますが、お互いに協力し合うことで効果的に働きます。食品から摂ったビタミンB群はそのままではなく体内で活性型となって働きますが、活性型に変化するときにお互いに作用することが必要です。ビタミンB群をバランスよく含むきなこは、摂取したビタミンB群を効率よく働かせることができるといえます。

ビタミンK

ビタミンKの主な働きは血液の凝固にかかわるものです。血液が凝固するときに必要な血液凝固因子であるプロトロンビンの合成にビタミンKが必要であるため、ビタミンKの不足によってプロトロンビンの合成も不足し、出血したときに血が止まりにくくなる症状が引き起こされます。またカルシウムが骨に沈着するのを助けるため、骨粗しょう症の予防にも効果が期待されています。

銅は腸管から吸収された後、タンパク質と結合してセルロプラスミンという形で全身に運ばれます。このセルロプラスミンはヘモグロビンの合成に欠かせない酵素であり、貧血の予防には欠かせません。

体内の鉄の約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となっており、酸素を運ぶ働きがあります。鉄が不足することで正常なヘモグロビンが合成できなくなり、鉄欠乏性貧血を引きおこします。

薬膳の効果

虚弱体質の改善や消化不良、お腹のはりなどに効果があるといわれます。水分の代謝を改善するので、むくみの解消に効果的です。

きなこのおすすめレシピ

きなこは、開封後は密閉できる容器や保存袋に入れて冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使い切りましょう。使いやすい量に小分けして密封できる保存袋などに入れて空気を抜き、冷凍しておくこともできます。

【きなこクッキー】

きなこクッキー

【材料】(作りやすい分量)
・小麦粉        90g
・きなこ        30g
・卵          1個
・砂糖         40g
・サラダ油       40g
・カシューナッツ    20g

【作り方】
1.カシューナッツは手で割るか、包丁で粗く刻んでおきます。
2.小麦粉ときなこは、合わせてふるっておきます。
3.ボールに卵を割り入れ、砂糖を加えてホイッパーでよく混ぜます。

作り方3

4.サラダ油を少量ずつ加えて、その都度よく混ぜます。
5.2.を加えて、ゴムべらで粉気がなくなるまで混ぜます。途中でカシューナッツも加えます。

作り方5

6.ラップを大きめに切り、5.を包んで棒状にととのえます。冷蔵庫に入れて1時間以上休ませます。

作り方6

7.オーブンを180℃に予熱します。生地を冷蔵庫から出して5㎜くらいの厚さになるように切り、クッキングペーパーを敷いた天板に並べます。

作り方7

8.10~15分焼いてできあがりです。

作り方8

※ 焼き時間は、生地の厚さや大きさ、オーブンの機種によって調節してください。

きなこレシピのまとめ

きなこは大豆を煎ってから粉にした食品です。大豆タンパクの他、大豆に含まれる多くの栄養素を効率よくできる食品といえます。日常のお食事やおやつにも積極的に取り入れましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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