うま味と栄養が詰まった しいたけ

うま味と栄養が詰まった しいたけ
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

しいたけとは

しいたけはハラタケ目キシメジ科に分類されるキノコです。シイの木の枯れ木に生えることからこの名前がついていますが、シイの木以外にもクヌギやナラ、カシなどの落葉広葉樹に発生し、全国の森林で自生しています。

しいたけの歴史

しいたけの原産地はアジアの熱帯高地と考えられています。中国では古くから食べられていて、14世紀の書物である「王禎農書」には栽培方法が記されています。日本では、室町時代にはしいたけを将軍に献上したという記録があるようですが、食用として栽培されるようになったのは江戸時代といわれています。栽培といっても当時はクヌギなどの原木にナタやカマなどで傷をつけ、しいたけの胞子が自然に着床するのを待つというものでした。以降、さまざまな栽培方法が考案されてきましたが、昭和17年に農学博士の森喜作氏によって種駒を使った人工栽培法が開発され、効率の良い植菌が可能となって各地に普及し、しいたけ栽培が産業化されました。

しいたけの種類

・冬菇(どんこ)
冬菇は、カサが開き切らないうちに収穫した肉厚で丸みのあるしいたけをいいます。しいたけの成長中に気象条件が整うと、カサの表面に美しい模様が入ります。白くはっきりとした花模様のような割れ目があるものは「天白冬菇」。寒さの厳しい時期に育ち、割れ目が薄茶色のものは「茶花冬菇」と呼ばれ、高級品として扱われます。
・香信(こうしん)
カサが全体に平たく開いたしいたけを指します。厚みがないので扱いやすく、いろいろな料理に使うことができます。
・香菇(こうこ)
冬菇と香信の中間サイズのものを指します。

しいたけの栽培方法

・原木栽培
クヌギやコナラなどの丸太に、しいたけの種菌を植え付けて栽培する方法です。肉質が詰まっていて、香りや風味が強いのが特徴です。主に春と秋に出荷されますが、天然物に近い環境で栽培しているため、収穫量や品質は天候などにより影響を受けます。
・菌床栽培
樹木を粉状に粉砕したもの(おがくず)に米や麦の糠と水を加えて成形した菌床に菌を植え付け、湿度や温度が管理されたハウス内で栽培する方法です。原木栽培のしいたけに比べると肉質はやわらかく香りは少ないですが、通年で収穫でき、安定した品質で出荷されます。完全無農薬栽培が可能で、ハウス内の衛生管理によって安全性が確保されています。

干ししいたけの戻し方

干ししいたけのうま味成分であるグアニル酸を十分に引き出すには、冷水でゆっくりと戻しましょう。しいたけのカサの部分がしっかりと水に浸かった状態で、冷蔵庫で半日以上戻します。時間がないときにはぬるま湯に浸けて常温に置いておくと、数時間で戻すことができます。戻し汁にもうま味が溶け出しているので、捨てずに使いましょう。

しいたけの栄養

ビタミンD

ビタミンDは体内でカルシウムの代謝にかかわる栄養素です。成長期の子供や、高齢者の骨粗しょう症の予防にも欠かせない栄養素といえます。しいたけに含まれるエルゴステロールは、紫外線によってビタミンDに変化するため、天日に干した干ししいたけには、特にビタミンDが豊富に含まれています。生しいたけも、食べる前にカサの裏のひだの部分を上にして数時間日に当てることで、ビタミンDを効率よく摂ることができます。

食物繊維

しいたけには特に、不溶性の食物繊維が多く含まれています。便のかさを増やし、腸内環境を整えて、便秘の改善効果が期待できます。

エリタデニン

エリタデニンはしいたけとマッシュルームに含まれる栄養素ですが、しいたけにより多く含まれています。エリタデニンには血中の悪玉コレステロール値を下げる効果があるといわれ、血流を改善して血圧を下げる効果も期待されています。

レンチナン

レンチナンはβ-グルカンの一種で、しいたけの子実体から抽出された多糖類を精製した物質です。医薬品として、抗がん剤の一種として用いられます。しいたけのレンチナンはカサが開き始めるころに多く含まれ、採取された後は減少していくので、できるだけ新鮮なしいたけを食べると、レンチナンが効率よく摂取できるといえます。

薬膳の効果

気を補い元気をつけて、栄養不足やエネルギー不足で弱った体を補う働きがあります。食欲が落ちていたり、胃もたれがするなど消化機能が低下しているときには適している食材です。食物繊維やビタミンDが豊富で、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の予防や改善に有効です。

しいたけのレシピ

カサは開きすぎず肉厚で、軸は太くて短く、カサの裏のひだが白くてきれいなものを選びましょう。しいたけは日持ちがしないので、購入したらすぐに食べましょう。食べきれないときは、石づきを取り、使いやすい大きさに切ってから袋に入れ、空気を抜いて冷凍保存すると長持ちします。生しいたけは、調理の際には基本的には水洗いはしません。汚れが気になるときはキッチンペーパーなどで拭きとるか、ハケでごみを払い落としてから使いましょう。

【しいたけの肉詰め】

しいたけの肉詰め

【材料】
・牛豚合いびき肉        140g
・玉ねぎ            1/2個
・生姜チューブ         1㎝くらい
・にんにくチューブ       1㎝くらい
・塩、コショウ         適量
・酒              大さじ1
・しいたけ           直径5~6㎝のもの10個
・片栗粉             適量
・オリーブオイル         大さじ1
・酒               大さじ1

【作り方】
1. 玉ねぎはみじん切りにします。
2. しいたけは石づきを取り、軸の部分はかさの付け根から切り取り、みじん切りにしておきます。

作り方2

3. 牛豚合いびき肉に1.の玉ねぎと2.のきざんだしいたけの軸、生姜チューブ、にんにくチューブ、塩、コショウ、酒をボールに入れてよく練り混ぜます。

作り方3

4. しいたけの内側に片栗粉をふっておきます。

作り方4

5. 3.の肉だねをしいたけに詰めます。

作り方5

6. フライパンにオリーブオイルを入れて火をつけて温めます。
7. しいたけを肉だねを詰めた方を下にして焼きます。

作り方7

8. 焼き目がついたら裏返して焼き目がつくまで焼き、酒を入れてふたをして蒸し焼きにします。
9. 肉の部分につまようじを刺してみて、透明な汁が出てくればできあがりです。

※ お好みで生姜醤油やソースなどをつけて食べましょう。

作り方9

まとめ

しいたけには食物繊維やビタミンDの他、しいたけに特有の栄養素も含まれています。カロリーも少なくうま味をたっぷり含んだしいたけを、日常のお食事に取り入れましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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