おはぎや羊羹などの和菓子からお赤飯、いとこ煮などの料理まで幅広く使えるあずき。小豆の小さな実には、生活習慣病の予防やむくみの解消、アンチエイジングに効果的な栄養素がタップリと含まれています。あずきの栄養についてご紹介します。
目次
◆小さな実には栄養が満点!
あんこや煮物、お赤飯、あんパンなど日本の食卓には欠かせないあずき。その歴史は古く、縄文時代の遺跡からも出土されているほどです。栄養価の高いあずきは古来から薬として用いられてきました。また、赤い色には邪気を払う効果があるとされ、小正月に無病息災を願いあずき粥を食べたり、お祝い事にお赤飯を食べる習慣が現在も残っています。
あずきにはたんぱく質と糖質が豊富に含まれています。さらにビタミンB群やカリウムなどのミネラルも豊富!強い抗酸化作用があるポリフェノールなども含まれていて栄養満点です。
◆あずきの種類について
日本で生産されているあずきは大きく分けて「普通小豆」「大納言」「白小豆」3種類に分類されます。
・普通小豆
こしあんや粒あんなどに用いられることが多い一般的なあずきです。直径4.2㎜以上の大きさのものを指します。
・大納言
普通小豆よりも一回り大きく煮ても皮が破れにくい高級品で、粒あんやお赤飯、甘納豆などに使用されます。直径は5.5㎜ほどです。
・白小豆
白小豆は生産量が少なくとても希少です。高級食材として白あんの材料となり、和菓子に用いられます。
◆あずきの栄養とは?
【あずき・全粒 乾(可食部100gあたり)】
エネルギー…343㎉
水分…14.2g
たんぱく質…20.8g
炭水化物…59.6g
ナトリウム…1㎎
カリウム…1300㎎
カルシウム…70㎎
鉄…5.5㎎
亜鉛…2.4㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…9㎍
ビタミンB1…0.46㎎
ビタミンB6…0.40㎎
食物繊維総量…24.8g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・むくみの解消に!カリウム
カリウムは身体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。
・疲労回復に効果的!ビタミンB1
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝にかかわっており、疲労回復を助ける効果があります。また、脳と神経を正常に保つ働きもしています。水に溶けやすいので、煮汁も一緒にとれる料理にすると効果的に摂取できます。
・生活習慣病予防に!サポニン
苦味やえぐみの成分でポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を抑え、動脈硬化予防に効果が期待できます。また、コレステロール値や中性脂肪を下げる働きもあります。
・アンチエイジング効果が期待できる!アントシアニン
ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があります。青紫色の色素の成分で、ブルーベリーやなす、紫キャベツ、黒豆、赤ワインなどにも含まれています。
光の刺激を目から脳に伝えるロドプシンの合成を促す効果があり、目が疲れる・ぼやけるといった症状を予防、改善する効果が期待できます。
・便秘解消に効果的!食物繊維
あずき(乾燥)には不溶性食物繊維が17.1g、水溶性食物繊維が7.7gと不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。また、有害物質を排出する効果もあります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
◆ゆであずきの作り方
一からあずきを炊くのは難しいと思われがちですが、ポイントを押さえれば意外と簡単に炊くことができます。甘さの加減を自分でできるのも嬉しいポイント。料理にもお菓子作りにも使えるのでぜひマスターしましょう!
【材料】
あずき…250g
【作り方】
①あずきは割れているものや変色しているものを取り除き、水で洗う。
②渋抜きをする。
鍋に①とたっぷりの水を入れて強火にかける。沸騰したら弱火にして2~3分ゆでる。
ザルに上げてゆで汁をすて、水でさっと洗う。
【ポイント】
あずきには渋みのもとになるタンニンが含まれています。後口をよくするためにこの渋みを取り除く工程を「渋抜き」といいます。水を変えて2~3回行う場合もありますが、ゆで汁を少し飲んでみてそれほど渋みが気にならないようであれば1回でも大丈夫です。豆によってもかわりますので、使用する料理や好みに応じて調整してください。
③鍋に②のあずきとたっぷりの水を入れて火にかける。沸騰したら、弱火にして豆が躍るくらいの火加減を保ち40分~1時間煮る。途中、水分が減ってきたらさし水をして豆が水面から出ないようにする。
④豆が指でつぶせるくらいのやわらかさになれば出来上がり。
この状態は甘みがついていないので、赤飯やサラダ、煮物、スープと料理に大活躍です。ぜんざいを作る時は工程④の後に砂糖と適量の水を加えて炊きます。あんこを作る場合は④の後に水を切り、あずきと砂糖を練って作ります。
また、渋抜きの工程で出る煮汁にはビタミンB群やサポニン、ポリフェノールなど水溶性の栄養素がたっぷりと溶け出ています。渋みが気にならない方はあずき水として飲むと栄養をムダなくとることができます。
◆あずきの簡単レシピ
あんバターきな粉トースト
サクッと香ばしい食パンにゆであずきの甘みと有塩バターの組み合わせがよく合います。香ばしいきな粉をお好みでふってお召しあがりください。朝食やおやつにもおすすめです。
【材料(2人分)】
食パン(6枚切り)…2枚
ゆであずき(加糖)…120g
有塩バター…10g
きな粉…お好みで
【作り方】
①食パンはオーブントースターで約3分香ばしく焼く。
②ゆであずきをのせて、バターをのせる。
きな粉を茶こしでふれば出来上がり!
◆あずきレシピのまとめ
むくみの解消やアンチエイジングにも効果が期待できるあずき。あんこにするとカロリーが高くなるので食べすぎには注意が必用ですが、スイーツだけでなくサラダや煮物など料理にも幅広く活用できます。あずきを使用した料理やスイーツをぜひ取り入れて、健康に役立てましょう。
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