どこが辛い?カプサイシン豊富な唐辛子の栄養

どこが辛い?カプサイシン豊富な唐辛子の栄養
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ピリッとした辛みで料理にアクセントを加えてくれる唐辛子。世界中で使用されている香辛料のひとつで、世界各国に唐辛子を使った料理が数多くあります。唐辛子と言えばダイエットに効果的な食材としても有名ですよね。そんな唐辛子に含まれる栄養や簡単レシピについてご紹介していきます。

◆唐辛子とはどんな食材?

唐辛子とは

唐辛子は中南米が原産で、大航海時代にコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰ったことによって世界中で使用されるようになった香辛料です。日本へは、16世紀にポルトガル人によって伝えられたと言われています。

唐辛子はナス科トウガラシ属の草木になる実の総称のことで、辛みがある種類と辛みがない種類があります。辛みのあるものを唐辛子と呼ぶことが多いですが、辛みがないパプリカやピーマン、しし唐辛子なども唐辛子の仲間に分類されます。辛みのある種類では、鷹の爪が日本で最もポピュラーな唐辛子です。

その他にも世界にはハバネロやプリッキーヌ、ハラペーニョ、ブート・ジョロキアなど、見た目や辛さもさまざまな唐辛子があります。

◆唐辛子はどこが辛い?

唐辛子はどこが辛い?

唐辛子は種の部分が辛いと思っている方も多いかもしれませんが、実は唐辛子の辛みが作られている部分は、種がついている「胎座(たいざ)」と呼ばれる白いワタの部分です。この部分には辛みのもとになっているカプサイシンが豊富に含まれています。

生の状態では果肉や種にそれほど辛みはありませんが、乾燥させると胎座が崩れて周囲に辛み成分が染み込むので全体を辛く感じるようになります。

唐辛子は未熟な状態では緑色をしていますが、熟していくと赤色になります。青唐辛子は生の状態で使用するとより辛みを感じ、赤唐辛子は加熱した方が辛みを感じます。

◆唐辛子の保存方法

生の唐辛子はポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。1週間程度を目安に使い切るのがおすすめです。冷凍する場合は、ラップに包んで冷凍用の保存袋に入れて冷凍しましょう。また、乾燥させることで長期保存も可能です。乾物は密閉容器に入れて冷暗所で保存しましょう。

◆唐辛子の栄養とは

【唐辛子・生(可食部100gあたり)】
エネルギー…96㎉
たんぱく質…3.9g
炭水化物…16.3g
カリウム…760㎎
マグネシウム…42㎎
リン…71㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…7700㎍
ビタミンE…8.9㎎
ビタミンB1…0.14㎎
ビタミンB2…0.36㎎
ナイアシン…3.7㎎
ビタミンB6…1.00㎎
葉酸…41㎍
ビタミンC…120㎎
食物繊維総量…10.3g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

・ダイエット効果も期待できる!カプサイシン

唐辛子に含まれている辛み成分で、体内に吸収されると脳に運ばれて神経を刺激しアドレナリンというホルモンを分泌させます。アドレナリンはエネルギー代謝を促進する働きがあり、血行促進や発汗作用があります。

唐辛子を食べて代謝が上がっている状態で運動をすることで脂肪を効率的に燃焼することができ、ダイエット効果が期待できます。

・生活習慣病予防の効果も!β-カロテン

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンで、粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。また、肌荒れ予防にも効果が期待できます。

ビタミンAに変換されなかったものは抗酸化物質として働き、動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防や老化防止に効果が期待できると言われています。

・美肌を作る効果も!ビタミンC

乾燥の唐辛子にはあまり含まれていませんが、生の唐辛子に多く含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。

また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果があります。さらに、粘膜を強くして健康に保つ効果があることから風邪予防の効果も期待できます。

・血行を改善する効果も!ビタミンE

強い抗酸化作用を持ち、体をストレスから守り、老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。

◆唐辛子を美味しく食べるコツ

唐辛子を美味しく食べるコツ

唐辛子の辛み成分は油によく溶ける性質があります。炒めものならまず油と唐辛子を弱火で加熱することで油に辛みや有効成分がよく溶けて効率的にカプサイシンを摂取することができます。

また、サラダ油やオリーブ油に唐辛子を漬け込んで風味を移した唐辛子オイルもおすすめです。唐辛子は酢とも相性が良いので、生の唐辛子をピクルスにしても美味しいですし、刻んだ青唐辛子を酢につけた唐辛子酢も和え物や酢の物に大活躍です。

唐辛子は細かく刻むほど辛みがよく出るので、辛さを抑えたい場合は大きめに切るのがおすすめです。また、種とワタを取り除いて調理すると辛みを抑えることができます。料理やお好みに応じて調整してみてください。

辛いものはやみつきになりますが、一度にたくさん量を食べると喉や胃の粘膜を傷つけて胃腸が荒れる原因になることもあります。食べ過ぎには注意しましょう。

また、唐辛子を触った手で目をこすったり口を触ると痛みを感じる場合があるので注意してください。

◆唐辛子のおすすめレシピ

ブロッコリーのペペロンチーノ風炒め

ブロッコリーとベーコンを鷹の爪、にんにくと一緒に炒めたおつまみにもぴったりな一品です。鷹の爪の分量はお好みで調整してください。

ブロッコリーのペペロンチーノ風炒め

【材料(2人分)】
ブロッコリー…1/2株
薄切りベーコン…2枚
鷹の爪…1本
ニンニク…1片
オリーブ油…大さじ1/2
塩・こしょう…各少々

【作り方】
① ブロッコリーは小房に分けて耐熱皿に並べ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で約1分半加熱する。

作り方①

② ベーコンは1㎝幅に切って、ニンニクは輪切りにする。鷹の爪は種を取り除いて輪切りにする。

作り方②

③ フライパンにオリーブ油と鷹の爪、ニンニクを入れて弱火にかける。香りが出てきたら、ブロッコリーとベーコンを加えて中火で炒める。火が通れば、塩・こしょうで味を調える。

作り方③

このレシピを動画で見てみる

◆唐辛子レシピのまとめ

ピリッとした辛みが料理のいいアクセントになる唐辛子。唐辛子の種類によっても辛さや風味が違うので、料理やお好みによって使い分けてみるのも楽しいですね。エネルギー代謝を促進してダイエット効果も期待できる唐辛子を毎日の料理に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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