目次
白菜とはどんな食材?
白菜はアブラナ科アブラナ属の二年生植物です。日本で一般的な白菜は円筒型の結球白菜ですが、中国などでは青梗菜なども白菜に含まれることがあります。
白菜の歴史
原産地は地中海沿岸と考えられていますが、白菜として発達したのは中国北部といわれます。その後中国南部や朝鮮半島に広がりましたが日本に伝わったのは明治時代で、一般に広く普及したのは大正時代になってからと比較的新しい野菜といえます。国産第一号の結球白菜は明治8年(1875年)の東京博覧会に出品された3株です。そのうち2株は愛知県が譲り受けて栽培を試みましたが結球させるのが難しく、品種改良が重ねられました。明治28年、ついに野崎徳四郎氏の研究開発によって結球白菜が誕生し、大正6年に「愛知白菜」が県から正式に新品種と認められ、さらに純度を高めた「野崎白菜2号」が誕生しました。野崎徳四郎氏はその後も品種改良や流通方法などの研究にも尽力し、現在の白菜の栽培方法に至っています。
白菜の種類
白菜はその形状で分類することができます。
・円筒型
2~4㎏の一般的な大型の白菜です。葉が結球しており外葉は緑色、中心は黄緑から黄色がかっています。水分が多く甘味があります。
・砲弾型
円筒型よりも葉の上部があまり重なっていない形で、少し尖ったような形が特徴です。サイズは2~4㎏程度でどっしりとした印象です。
・長円筒型
日本ではあまり見かけることがありませんが、中国では一般的な白菜です。長さが40~50㎝、重さは2~3㎏で、「たけのこ白菜」とも呼ばれています。葉はややかためですが加熱すると甘味があり煮崩れしにくいため、鍋物の他、炒め物にも適しています。
・ミニ白菜
重さ1㎏前後の小型の白菜です。味や食感は普通の白菜と同じで、扱い方や調理方法も同様です。使い切りのサイズで扱い野菜ことから需要が高まっている野菜のひとつです。
・オレンジ白菜
外葉は普通の白菜と同じ緑色ですが、中の葉はオレンジ色をしています。「オレンジクイーン」という品種は白菜とヨーロッパ産の株を交配したもので、甘味が強いので漬物や炒め物の他、生のままサラダなどにも適しています。
・山東菜(さんとうな・さんとうさい)
葉先が開いている半結球型です。3~6㎏と普通の白菜よりも大型で、葉は肉厚でやわらかいのが特徴です。漬物に使われることが多いですが、煮物や炒め物でもおいしく食べることができます
・紫白菜
葉が紫色の白菜です。2㎏前後と普通の白菜よりも小型で、葉がやわらかいのでサラダや浅漬けなどに適しています。きれいな紫色はアントシアニンによるもので、加熱すると色が抜けてしまうため、生のままの方がきれいな色が生かせるといえます。
白菜に含まれる栄養
白菜は100gあたり14Kcalと、エネルギーの低い野菜です。鍋ものなど煮込む調理方法ではかさが減り、たっぷり食べてもカロリーは抑えることができます。キャベツと比較すると糖質が少なく、他のいろいろな食材とも相性が良いので、組み合わせを楽しめる野菜のひとつです。
ビタミンK
天然に存在するビタミンKには2種類あります。ひとつは食品に含まれるビタミンK1(フィロキノン)で、もうひとつは腸内細菌が合成するビタミンK2(メナキノン)です。またビタミンK2 には11種類の同族体が存在しています。ビタミンKは各種タンパク質のグルタミン酸を変換するときの補酵素として働き、この働きによって血液凝固因子がカルシウムと結合して正常な血液凝固がおこります。またビタミンKは骨の形成に必要であり、メナキノンの一種は骨粗しょう症治療薬としても利用されています。
ビタミンC
ビタミンCは体内で皮膚や骨、血液に多く含まれるコラーゲンの生成に必要です。コラーゲンは全身に広く分布しており、体を作るために欠かせません。人は体内でビタミンCを合成する酵素を持たないため、食品から摂る必要があります。またビタミンCは老化と関係が深いとされており、難聴や白内障などにも影響を及ぼすとして研究が進められています。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンでありビタミンB群の仲間です。胎児の成長には特に重要とされており、受胎前後の葉酸摂取が胎児の神経管閉鎖障害の発症に影響を及ぼすことがわかっています。赤血球の正常な形成やDNAの合成にもかかわっており、すべての人にとって必要な栄養素ですが、妊娠や出産を考える女性にとっては特に必要な栄養素といわれています。
薬膳の効果
体にこもった熱を冷まし、発熱や咳、痰の改善に効果があります。胃腸の調子を整えたり、便秘の改善にも良いといわれます。水分の代謝が促進され、むくみの改善や二日酔いにも効果的です。
白菜のおすすめレシピ
白菜は、外葉は緑色で葉先までしっかりと巻いているものを選びましょう。白い部分はつやがあり、持ったときにずっしりと重みを感じるものが良品です。カットしてあるものは、断面が盛り上がっていないものが新鮮です。葉が詰まっていてみずみずしいものを選びましょう。白菜の白い部分には黒い点がみられることがあります。これは「ゴマ症」というもので、肥料過多や土壌の成分が要因とされます。見た目はよくありませんが、食用には問題ありません。
【白菜とツナの和え物】
【材料】(2~3人分)
・白菜 350g(小さい白菜なら1/2個くらい)
・ツナ(油漬け) 1缶
・マヨネーズ 大さじ1
・めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
・塩糀 小さじ1
・すりごま 小さじ2
・こしょう 適量
【作り方】
1.白菜は葉先と芯を分けます。葉先は食べやすい大きさに切り、芯は縦方向にスライスし、3~4㎝くらいの長さに切ります。
2.洗って水をきってから耐熱ボールに入れ、電子レンジでしんなりするまで加熱します。電子レンジに葉物の下ごしらえモードなどがある場合は利用しましょう。
3.全ての調味料を合わせて混ぜておきます。
4.白菜の粗熱がとれたら水気を絞り、ツナと調味料を入れてよく混ぜてできあがりです。
白菜レシピのまとめ
白菜は漬物や鍋物など冬の食卓には欠かせない野菜のひとつですが、現在一般的な白菜の形が完成したのは比較的最近のことです。白菜自体は低カロリーでありいろいろな食材との相性も良いので、鍋物だけではなくいろいろな調理方法でたっぷり白菜を楽しみましょう。
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