お鍋だけじゃもったいない 春菊の栄養

お鍋だけじゃもったいない 春菊の栄養

春菊とは

春菊はキク科シュンギク属に分類される植物で、ギザギザした葉が特徴です。原産地はトルコやギリシャなどの地中海沿岸ですが、食用としているのは日本や中国など東南アジアの一部地域です。菊の花は一般的には秋に咲きますが、春に花が咲くことから春菊の名前がついたといわれます。特有の香りと風味があり、関西では菊菜(きくな)とも呼ばれます。

春菊の歴史

欧米では観賞用として栽培されていたものが中国へ伝わり、中国で食用されるようになったといわれています。日本に伝わった時期ははっきりとわかっていません。室町時代後期に編纂された「尺素往来(せきそおうらい)」に春菊が記載されていますが、現在の春菊とは別の植物ではないかといわれています。同じく室町時代頃の「御湯殿上日記(おゆどののうえのにっき)」という、御所に使える女官たちの日誌のような文献には「高麗菊(こうらいきく)」や「しゅんきく」などの記載があるので、少なくとも室町時代には伝わり、食用とされていたと考えられています。江戸時代の農書である「農業全書」には栽培方法が記載されており、食用として栽培されていたことがわかっています。

春菊の種類

・中葉種
最も一般的に市場に出回っているのが中葉種です。菊の特徴ともいえる、深い切込みが入ったギザギザの葉で、特有の香りが強いのが特徴です。関東では茎の根元を切って収穫するのが主流ですが、関西では根付きで収穫するものが多くなります。
・大葉種
主に中国地方や九州で栽培されています。葉の切れ込みが浅く、丸みがあり肉厚なのが特徴です。特有の香りや苦味も少なく、くせのない味です。
・サラダ用
生食に適している春菊です。茎も細くて柔らかく、香りも苦み穏やかです。
・小葉種
葉が小型で切れ込みが多く、葉肉が薄いのが特徴です。収穫量が少ないため、現在はあまり栽培されていません。

春菊の香り

春菊特有の香りはαピネンとぺリルアルデヒドという成分です。αピネンはヒノキやスギなどの樹木に含まれる香り成分で、森林浴のようなリラックス効果があります。また、αピネンの香りが細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化させたという実験結果があります。CTLにはウイルスやがんなどに侵された細胞を破壊する働きがあるため、免疫機能を高める効果が期待されています。ぺリルアルデヒドはしその葉にも含まれる成分で、強い抗菌作用があります。どちらも副交感神経の働きを高め、胃腸の機能を活性させる作用があるといわれています。

春菊の栄養

βカロテン

βカロテンはカロテノイドの一種です。強い抗酸化作用によって体内の活性酸素の発生を抑制し、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待されています。またβカロテンは体内でビタミンAに変換されるため、プロビタミンAとも呼ばれます。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫機能を高める効果があります。また視機能の維持や改善にも必要なビタミンです。

ビタミンE

成分名をトコフェロールといいます。血管を健康に保ち、血行を促進することで体内のすみずみまで酸素と栄養を運ぶことができ、冷えや肩こり、疲労感を回復する効果があります。また、ホルモンバランスを整える効果もあります。

ビタミンK

ビタミンKは、血液の凝固に必要なビタミンで「止血のビタミン」と呼ばれることもあります。またカルシウムが骨に沈着する際にも必要で、骨を丈夫にしたり骨粗しょう症の予防にも効果が期待されています。

葉酸

葉酸はDNAの合成に深くかかわっている栄養素で、胎児の成長には欠かせません。そのため、妊娠を希望する女性や妊娠・授乳中には特に重要な栄養素といわれます。

ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンを合成するために欠かせない栄養素です。またビタミンEと一緒に摂ると酸化したビタミンEを復活させ、相乗効果でより高い抗酸化作用が得られます。

食物繊維

食物繊維は、人の消化酵素によって消化・吸収されずに大腸まで達する成分です。整腸効果の他に、血糖値の上昇を抑制したり、血中のコレステロールを低下させるなどの効果が認められています。現代の日本人に不足しがちな栄養素のひとつです。

薬膳の効果

春菊は気の巡りを改善し、寝つきの悪いときや、夢を見て何度も目が覚めてしまうようなときに効果があるといわれます。胃腸の機能を整えるので、嘔吐や口臭の改善にも効果があります。痰をきったり咳を鎮める効果や、貧血にも有効です。

春菊のレシピ

葉に張りがあり、緑色が濃いものを選びましょう。茎は細めで短い方が、太いスジが少なく食べやすいでしょう。葉が黄色く変色していたり、しおれているものは鮮度が落ちているので避けましょう。保存は新聞紙やキッチンペーパーで包んでからビニール袋や保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて入れておきましょう。食べきれないときは、硬めにゆでて水分をしぼり、ラップで包んで冷凍することもできます。

【春菊のペペロンチーノ】

春菊のペペロンチーノ

【材料】(2人分)
・春菊       1束(150gくらい)
・唐辛子      1本
・にんにく     2かけ
・オリーブオイル  大さじ3
・パスタ      200g
・塩・こしょう   適量

【作り方】
1.鍋にパスタをゆでるお湯を沸かします。沸騰したら、お湯の1%の塩(分量外)を入れ、パスタをゆでます。
2.春菊は葉と茎に分けます。葉は3~4㎝、茎は硬い部分を切り落としてから食べやすい大きさに切ります。

作り方2

3.にんにくは皮をむいてみじん切り、唐辛子は斜めに半分に切って、中の種を取り除いておきます。
4.フライパンににんにくと唐辛子、オリーブオイルを入れて火をつけます。弱火でオリーブオイルの中でにんにくと唐辛子を加熱します。

作り方4

5.にんにくの香りがしてきたら春菊の茎を入れて炒めます。オリーブオイルがなじんだら春菊の葉を加え、パスタのゆで汁を大さじ2入れて素早く混ぜます。

作り方5

6.ゆで上がったパスタをお湯をきってフライパンに入れ、よく混ぜます。

作り方6

7.塩・こしょうで味をととのえてできあがりです。

まとめ

春菊は冬が旬の野菜です。欧米では主に観賞用とされ、野菜として栽培されているのはアジアの一部の地域に限られています。いろいろな栄養素を豊富に含むだけではなく、特有の香りにも健康効果が期待できます。旬の時期にたっぷり摂りたい野菜です。

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