冷ややっこやそばの薬味、鍋の具材やお好み焼きなど日本の食卓に欠かせない「ねぎ」。白ねぎと青ねぎでは含まれている栄養素が少し異なることをご存知ですか?強い殺菌作用があり風邪予防にも効果が期待できるねぎの栄養についてご紹介します。
目次
◆ネギとはどんな食材?
日本では奈良時代に日本に伝わり、古くから食べられている日本人になじみの深い野菜です。11月~2月頃に旬を迎えます。抗酸化作用の高いビタミンCや硫化アリルが含まれており、風邪予防や血行促進、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
ねぎは大きく分けて「根深ねぎ」と「葉ねぎ」があります。
・根深ねぎ
根深ねぎは「長ねぎ」や「白ねぎ」と呼ばれているもので、太く白い部分が多いことが特徴。葉の一部の葉鞘という部分を土に埋めて日に当たらないように栽培されています。主に東日本で多く出回っています。ビタミンCやβ-カロテン、カルシウムなどが豊富で、硫化アリルは葉ねぎよりも多く含まれています。「千住ねぎ」「下仁田ねぎ」「加賀ねぎ」「深谷ねぎ」「曲がりねぎ」などの種類があります。
・葉ねぎ
葉ねぎは「青ねぎ」と呼ばれるもので、細く緑色の部分が枝分かれしており葉先まで食べられることが特徴です。薬味だけでなく、炒め物やお好み焼きなど様々な料理に活用できます。主に西日本で多く栽培されています。ビタミンCやβカロテンは白ねぎの2倍以上含まれています。京都産の「九条ねぎ」が有名です。スーパーでもよくみかける「万能ねぎ」は福岡県で栽培されているブランドねぎのことで、青ねぎを若採りしたものです。
◆ねぎの選び方と保存方法
【美味しい白ねぎの選び方】
・巻きがしっかりとしているもの
・白と緑色がはっきりしているもの
・緑色が濃すぎないもの
【美味しい青ねぎの選び方】
・緑色が濃いもの
・葉がまっすぐにのびているもの
・よく枝分かれしているもの
白ねぎは新聞紙に包んで冷暗所で保存するか、2~3等分に切ってラップに包み冷蔵庫で保存します。青ねぎは湿らせた新聞紙に包んでビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。また、小口切りにして冷凍しておくと薬味がほしいときに便利です。
◆ねぎに含まれる栄養
【ねぎ(可食部100gあたり)】
白ねぎ | 青ねぎ | |
エネルギー | 34㎉ | 30㎉ |
水分 | 89.6g | 90.5g |
炭水化物 | 8.3g | 6.5g |
カリウム | 200㎎ | 260㎎ |
カルシウム | 36㎎ | 80㎎ |
リン | 27㎎ | 40㎎ |
鉄 | 0.3㎎ | 1.0㎎ |
亜鉛 | 0.3㎎ | 0.3㎎ |
マンガン | 0.12㎎ | 0.18㎎ |
ビタミンA (β-カロテン当量) |
83㎍ | 1500㎍ |
ビタミンB1 | 0.05㎎ | 0.06㎎ |
ビタミンB2 | 0.04㎎ | 0.11㎎ |
ビタミンB6 | 0.12㎎ | 0.13㎎ |
葉酸 | 72㎍ | 100㎍ |
ビタミンC | 14㎎ | 32㎎ |
食物繊維総量 | 2.5g | 3.2g |
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・血液をサラサラに!硫化アリル
ツンとした香りのもとになる辛み成分が硫化アリルで、ねぎの白い部分に多く含まれています。血液の凝固を防ぎ、血液をサラサラにしてくれる効果や優れた殺菌作用、抗酸化作用があります。さらに、血中コレステロール値をダウンさせて、動脈硬化や心臓病の予防にも効果があるとされています。また、刻んだり加熱調理をすると、ビタミンB1と協力して糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助ける効果も期待できます。
・風邪予防に効く!ビタミンC
ねぎの緑色の部分に多く含まれています。ビタミンCはストレスから体を守る働きをし、風邪予防にも効果が期待できます。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果があります。水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるとより効果的に摂取できます。
・生活習慣病予防にも!β-カロテン
ねぎの緑色の部分にはβ-カロテンが豊富に含まれており、青ねぎは緑黄色野菜に分類されます。強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を消去して動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防にも効果が期待できると言われています。脂溶性の栄養素なので油と一緒に摂取すると効果的です。
・DNAを作る材料になる!葉酸
ビタミンB群の一種である葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作り、食べたものをエネルギーに変えるのを助ける役割があります。また、DNAを正常に作る材料にもなります。動物性ではレバーに多く含まれており、野菜類や豆,海藻などにも多く含まれています。
・骨粗しょう症の予防に!カルシウム
骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。
◆ねぎの栄養を上手にとるコツ
・食べる直前に切る
ねぎに含まれている硫化アリルは揮発性があるので、時間とともにどんどん減ってしまいます。食べる直前に小口切りにして薬味にすれば、栄養をムダなく摂取できます。
・水にさらしすぎない
硫化アリルやビタミンCは水溶性なので、水にさらすと栄養が溶け出してしまいます。辛みが気になる場合も水にさらす時間は短めにすると栄養をムダなく摂取することができます。
・ビタミンB1を含む食材と一緒に食べて疲労回復
硫化アリルはビタミンB1と協力して糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助ける効果が期待できます。ビタミンB1は豚肉に特に多く含まれています。他にもウナギやたらこ、いくら、カシューナッツや大豆、玄米にも豊富です。
◆レシピ|ねぎ焼き
青ねぎと天かすで作るシンプルなねぎ焼き。青ねぎをたっぷりと食べることができます。おつまみやおやつにもピッタリ!
【材料(2人分)】
青ねぎ…1束
天かす…20g
A卵…1個
A薄力粉…100g
Aだし汁…100ml
A塩…少々
サラダ油…小さじ2
ポン酢しょうゆ…お好みで
かつおの削り節…お好みで
【作り方】
①青ねぎは小口切りにする。
②ボウルに【A】を入れて混ぜ合わせる。①と天かすも加えてざっと混ぜる。
③フライパンにサラダ油を中火で熱し、②の1/4量を加えて平らな円形に形を整える。残りも同様にする。焼き色がついたら上下を返して弱火にし、フライ返しで軽く押さえながら焼く。火が通れば皿に盛り、ポン酢しょうゆをかけてかつおの削り節をのせる。
【ポイント】
・ポン酢の代わりにお好みでソースやマヨネーズをかけても美味しいです。
◆ねぎレシピのまとめ
青ねぎと白ねぎによっても含まれている栄養素が異なるので、好みや料理によって使い分けるのもおすすめです。薬味として生で食べたり、鍋や炒めものなど加熱調理をしたりと様々な調理法で美味しくいただきましょう。
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