風邪の予防に みかんの栄養と効果

風邪の予防に みかんの栄養と効果

みかんとは

「みかん」とは、皮をむきやすい小型の柑橘類の総称とされていますが、一般的には収穫量の多い「温州みかん」を指します。

みかんの歴史

柑橘の原種は3000万年前のインド東北部が発生といわれ、さまざまな種に分化しながら、ミャンマー、タイ、中国へと広まったといわれています。中国では古くから栽培されており、約400年前江戸時代の初期に、中国の浙江省から鹿児島県に伝えられた早橘(ソウキツ)や慢橘(マンキツ)などの柑橘類から、偶然できた品種が日本のみかんと考えられています。以降、300年余りは九州だけで栽培されていましたが、明治から大正時代にかけて他の地域にも伝えられ、みかんの栽培は本格化していきました。太平洋戦争以降、一時的に果樹園は荒廃していましたが、戦後のみかん栽培は飛躍的に伸びて回復していきました。現在でも冬の果物の代表といえるみかんですが、若い世代の果物離れや、農家の後継者不足などの問題を抱えているのも現状です。

みかんの種類

・極早生温州(ごくわせうんしゅう)
9月から10月ころの早い時期に出荷されるみかんで、皮には青みが残っていることがあります。比較的小さめで酸味がやや強く、じょうのう膜(小房を覆う半透明の皮)が薄くて食べやすいのが特徴です。
・早生温州(わせうんしゅう)
10月下旬から12月ころに出荷されるみかんです。皮は全体にオレンジ色で、甘味と酸味の両方が楽しめます。有名な品種は「宮川早生」で、糖度が高く香りがよいのが特徴です。
・中生(なかて)・普通温州
11月下旬から12月下旬ころに出回るみかんで、酸味は少なめで甘味が強いのが特徴です。皮の色は濃いオレンジ色で、比較的大きなサイズのものが多くなります。
・晩生温州(おくてうんしゅう)
12月から3月ころに出荷される、シーズン最後のみかんです。一般的な品種は「青島温州」で、1か月ほど貯蔵して甘味を強めてから出荷されます。
・ハウスみかん
温室栽培されるみかんの総称で、5月~9月に出回ります。栽培に手間がかかるため、価格は高くなります。サイズは小さいですが、皮はきれいなオレンジ色で甘みが強いのが特徴です。

みかんについている白いものは何か

みかんの外皮を剥いた内側、小房についてくる白い綿状の部分は「アルベド(中果皮)」といいます。「維管束」という植物の組織で、果実へ水分や栄養分を運ぶ役割があります。アルベドには食物繊維やヘスペリジンなどの栄養素が含まれており、食べるときに取り除く必要はありません。特に味やにおいもないので、口当たりさえ気にならなければ、取り除かずに食べましょう。

みかんの栄養

ビタミンC

人はビタミンCを体内で合成できないので、食品から摂る必要があります。別名をアスコルビン酸といい、コラーゲンの生成には欠かせないビタミンです。コラーゲンは皮膚だけではなく、骨や腱、血管、筋肉など全身の器官に必要なため、ビタミンCが欠乏してコラーゲンの合成ができないと、さまざまな不調を引きおこす可能性があります。毛細血管や歯、軟骨などの働きを正常に保ったり、皮膚のメラニン色素の生成抑制のほか、ストレスや感染症に対しての抵抗力を高める働きもあります。

βクリプトキサンチン

βクリプトキサンチンはβカロテンの仲間で、みかんの色素成分のひとつです。体内でビタミンAに変換されるのでビタミンAとしての働きもしますが、その他にもさまざまな健康効果が期待されています。みかんの産地で実施された疫学調査では、血中のβクリプトキサンチン濃度が高い人ほど、肝機能障害や動脈硬化、インスリン抵抗性など生活習慣病のリスクが低いという結果がでました。また骨粗しょう症のリスクを低下させたり、発がん抑制の効果があることもわかっています。

食物繊維

みかんには水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれています。ペクチンは腸内で水分量を調整して便秘を改善したり、腸内環境を整える働きもあります。果肉よりも、みかんの小房を覆うじょうのう膜やアルベドに豊富に含まれています。

ヘスペリジン

柑橘類の果実の皮などに含まれるポリフェノールで、紫外線から果実を守る働きがあります。ヘスペリジンは実よりもじょうのう膜やアルベド、皮に多く含まれ、毛細血管を強くして血流を改善したり、血中コレステロール値の改善やアレルギー症状の緩和などにも効果があるといわれます。さらにヘスペリジンにはビタミンCを安定させ、体内への吸収を促進する作用もあります。

薬膳の効果

昔から風邪の予防に良いといわれてきたみかんには、胃の働きを活発にして、消化吸収を促進する働きがあります。気の巡りを良くし、のどや胸がつかえる、腹部の張りなどの症状にも有効です。また、完熟したみかんの皮を乾燥させたものは「陳皮(チンピ)」と呼ばれ、生薬として用いられています。胃腸の調子を整え、新陳代謝を促進する効果があります。

みかんのレシピ

扁平形で皮に張りがあり、持ったときに重みのあるものを選びましょう。皮の色づきがよくて傷がなく、ヘタの切り口が小さいものが良品です。保存は風通しがよくて湿気の少ない涼しい場所が適していますが、冷蔵庫に入れると低温障害で傷むことがあるので避けましょう。

【缶詰みかん風シロップ浸け】

缶詰みかん風シロップ浸け

【材料】(作りやすい分量)
・みかん         250~300g(外皮をむいた状態で)
・水           1ℓ
・重曹          小さじ2(約15g)
<シロップ>
・水           250ml
・グラニュー糖      30g
・はちみつ        大さじ1
・レモン汁        大さじ1/2

【作り方】
1.保存用の容器はよく洗って、あらかじめ消毒しておきます。ガラス瓶など煮沸できるものは煮沸して乾燥させておきます。煮沸できないものは洗ってから、キッチン用のアルコール消毒剤をスプレーして乾燥させておきます。
2.みかんは外皮を剥いて小房に分けます。アルベドはできるだけ取り除いておきましょう。
3.鍋に水1ℓと重曹を入れて軽く混ぜ、みかんを入れます。

作り方3

4.火をつけて加熱します。沸騰してきたら火を弱め、木べらなどで静かに混ぜます。
5.じょうのう膜が透明になってきたら、火からおろして静かにざるにあけます。

作り方5

6.直接水が当たらないようにしながら、水の中で残った膜を取り除きます。
7.ペーパータオルにのせて水気を切っておきます。
8.シロップを作ります。鍋に水と砂糖を入れて火にかけ、沸騰したらはちみつを加え、レモン汁は火を止めてから入れます。
9.保存容器にみかんを入れ、シロップを注ぎます。冷蔵庫で半日~1日冷やしてできあがりです。

作り方9

※ 酸味が強くてそのままでは食べにくいみかんや、食べきれないときにお勧めの調理方法です。
※ 加熱しすぎたり、強くかき混ぜると、実が崩れてしまうので注意しましょう。

まとめ

昔から風邪の予防に良いといわれてきたみかんには、さまざまな健康効果が期待できます。じょうのう膜やアルベドにも栄養素が豊富につまっているので、旬の時期にはたっぷり摂りたい果物です。

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