梅干しの栄養|疲労回復やアンチエイジング効果も?

梅干しの栄養|疲労回復やアンチエイジング効果も?
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日本の伝統的な保存食である梅干しには、疲労回復やアンチエイジング効果なども期待できるさまざまな栄養がギュッと詰まっていることをご存知ですか?梅干しに含まれている栄養や栄養を上手にとるコツ、簡単レシピについてご紹介していきます。

◆梅干しとは

梅干しとは

ご飯のおともはもちろん、梅和えや煮付け、ドレッシングなど料理にも大活躍な梅干し。梅干しは黄色く完熟した梅を塩漬けにしてから天日干しにしたものです。梅干しは古くから日本の食卓に登場しており、平安時代には梅干しが薬として用いられていました。一般的に庶民の食べ物として広まったのは江戸時代ごろと言われています。昔ながらの伝統的な製法で作られる梅干しの材料は梅と塩のみで、酸味と塩味が効いていて梅本来の風味を楽しむことができます。塩分が高いので保存性に優れており、保存状態が良ければ100年以上も保存可能です。

梅干しの特徴である酸味の成分には、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれており、疲労回復効果や殺菌効果などが期待できます。お弁当に梅干しを入れるのは、この殺菌効果を活用したもので食中毒予防にもなります。また、食材の臭みを取り除く効果もあり、魚を梅干しと一緒に煮ることで魚の臭みをとり美味しく仕上げる効果もあります。

◆調味梅干しとの違いは?

商品のラベルを見ると「梅干し」と表記されているものと「調味梅干し」と表記されているものがあります。「梅干し」は、伝統的な製法で作られている梅干しで、昔ながらの塩気の強い酸っぱい梅干しのことです。「調味梅干し」は塩漬けして天日干しした梅干しを水につけて塩抜きし、調味液に浸して味付けをしたものです。調味液の種類によって、かつおや昆布、はちみつなどの風味がついた梅干しがあります。

梅干しは塩分量が18〜20%程度ですが、調味梅干しは塩抜きをしているため7〜17%程度のものが多く、塩分が少ないので賞味期限も短くなります。現在スーパーに並んでいる梅干しの多くは調味梅干しで、塩分量を気にされている方や食べやすい梅干しがお好みの方に人気があります。かつおや昆布、赤紫蘇にはちみつなど、さまざまな風味を選べるのも調味梅干しの魅力です。梅本来の風味を楽しみたいなら梅干しを減塩や風味漬けしたものが食べたい時は調味梅干しをと用途やお好みで使い分けてみるのもいいですね。

◆梅干しの栄養とは

【梅干し・塩漬け(可食部100gあたり)】
エネルギー…33㎉
たんぱく質…0.9g
炭水化物…10.5g
ナトリウム…8700㎎
カリウム…440㎎
カルシウム…65㎎
鉄…1.0㎎
ビタミンA(β-カロテン当量)…83㎍
ビタミンB1…0.02㎎
ビタミンB2…0.01㎎
ビタミンB6…0.05㎎
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

・疲労回復に効果的!クエン酸

クエン酸はレモンなどの柑橘類や酢にも含まれている酸味の成分です。「クエン酸回路」という体内でエネルギーを作り出すサイクルを活発にする働きがあるので、疲労回復に効果的です。また、鉄やカルシウムなどのミネラルを体に吸収されやすい形に変えて吸収率を高める働きもあります。さらに、唾液や胃液の分泌を促すことから食欲増進効果があり、殺菌効果も期待できます。

・アンチエイジング効果が期待できる!梅リグナン

梅リグナンはポリフェノールの一種です。優れた抗酸化作用でアンチエイジング効果が期待できるだけでなく、抗炎症作用や抗ウイルス作用もあります。また、ピロリ菌の働きを抑制し死滅させる働きがあり、胃がんなどの予防に効果が期待できると言われています。

・むくみの解消に!カリウム

カリウムは体の水分バランスを保ち、ナトリウムを排出して正常な血圧を保つ効果があり、高血圧予防に効果が期待できます。また、体内の余分な塩分を排出することからむくみの解消にも効果があります。

・骨粗しょう症の予防に!カルシウム

骨や歯を作るために欠かせないミネラルです。体内にあるカルシウムの99%は骨と歯に存在しています。また、筋肉を動かしたり、精神の興奮をおさえ安定させるなどの効果もあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンDと一緒にとることで吸収率がよくなります。

・貧血予防に効果的!鉄

鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るために欠かせないミネラルです。また、筋肉内に酸素を取り込む働きもあり、不足すると酸素を上手く取り込めずに筋力低下や疲労を起こす原因にもなります。体内で吸収されにくい栄養素のひとつですが、ビタミンCを含む食材と一緒にとることで吸収率がアップします。

◆梅干しの栄養を上手に取るコツ

梅干しの栄養を上手に取るコツ

・小魚と一緒に食べる

梅干しに含まれているクエン酸にはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。小魚などカルシウムが豊富に含まれている食材と一緒に食べることで、骨を強くする効果があり骨粗しょう症予防にも効果が期待できます。しらすの梅和えや、いわしの梅煮などがおすすめ。いわしの梅煮は圧力鍋で調理すると骨ごと食べられるのでカルシウムの摂取量が増え、さらに効率的に栄養を摂取できます。

・ビタミンB1が豊富な食材と一緒に食べる

梅干しに含まれているクエン酸と糖質の代謝を助ける働きがあるビタミンB1はどちらもエネルギー生産に関わっている成分で、疲労回復効果があります。あわせてとることで相乗効果によりさらに疲労回復効果が期待できます。疲れがたまっているときや夏バテ気味の時には、ビタミンB1が豊富な豚肉やうなぎ、玄米、大豆製品などと梅干しを一緒に食べると効果的です。

◆レシピ|梅干しとしらすのどんぶり

釜揚げしらすに梅干しと青じそをのせた簡単どんぶり。梅干しはしそ漬けを使用しました。ごま油の風味がアクセントになります。

梅干しとしらすのどんぶり

【材料(2人分)】
釜揚げしらす…60g
青じそ…3枚
梅干し…2個
ご飯…小さめのどんぶり2杯分
ごま油…小さじ2
しょうゆ…適量

【作り方】
① 青じそは千切りにする。

作り方①

② どんぶりにご飯をよそい、釜揚げしらすをのせてごま油としょうゆを回しかける。

作り方②

③ 青じそと梅干しをのせれば出来上がり。

作り方③

◆梅干しレシピのまとめ

小さな実に栄養がギュッと詰まっている梅干し。クエン酸が豊富に含まれているので、お疲れ気味の時にはぜひ食べたい食材です。塩分が高いので食べる量には注意が必要ですが、他の調味料の分量を加減したり、減塩タイプの梅干しを活用するなどして積極的に食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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この記事の作成者:松井さゆり(フードコーディネーター)
この記事の提供元:シルバーライフ

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