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桜えびとはどんな食材?
桜えびはサクラエビ科サクラエビ属のエビで、体調は3~5㎝ほどです。体は小さいですが、ひげは体長の約3倍の長さがあります。体には色素胞があり、その色素胞の大きさによって見かけの赤さが変化します。海中で泳いでいるときと水揚げ後に色が違って見えるのは、色素胞の大きさの変化によるものです。
桜えびの歴史
1894年(明治27年)に由比(現在の静岡県清水区)で、アジの網引き漁をしていたときに、たまたま網が深く潜ってしまい、引き上げた網に大量の桜えびが捕れたことが始まりといわれています。
桜えびの種類
一般的に流通している桜えびは、その加工方法で分類することができます。生の桜えびは鮮度が落ちやすいため、水揚げされるとすぐに加工されます。残念ながら生の桜えびは、ほとんどが産地でしか食べることができません。
・冷凍
水揚げ後、すぐに急速冷凍されて流通されます。生の桜えびに近い風味を楽しむことができます。購入後は冷凍庫で保存しますが、-18℃以下を保って保存できるのが理想的です。家庭用の冷凍庫は温度変化が大きいためできるだけ冷凍庫の奥で保存し、解凍後は早めに使用しましょう。
・釜揚げ
水揚げした桜えびをゆでたものが釜揚げです。ふっくらとした食感を楽しめます。冷凍または冷蔵の状態で流通します。
・乾燥
水揚げ後に乾燥させた桜えびです。港近くの干し場で天日干ししたり、室内で乾燥機で乾燥させた素干し桜えびと、煮てから干した煮干し桜えびがあります。パリパリとして香ばしく、生の桜えびとはまた違った美味しさがあります。高温多湿を避け、風通しの良い場所で保管しましょう。常温で保存が可能ですが、冷蔵庫や冷凍庫で保管すると色や風味が長持ちします。直射日光に当たると色が退色することがあるので注意しましょう。そのまま調理に使用できますが、水や酒に浸けて戻してから使用することもできます。
桜えびの習性
桜えびは静岡県から関東にかけての太平洋沿いの湾岸、駿河湾、東京湾、相模湾に生息していますが、漁獲できるのは駿河湾だけです。湾の中央に深度が深い場所があることや、大きな河川から流れてくる栄養分が混ざる海域であり、大きな海流が流れ込まずに湾内で安定して桜えびが生育できるという特徴のためです。桜えびは、日中は水深200~350mに分布していますが、日没後には群れをつくって水深20~60mまで上昇してきます。桜えび漁が夜に行われるのはこの習性を利用したものです。桜えびの産卵は6月ころから始まり、10~12か月で成熟して、産卵後2~3か月で一生を終えます。産卵期である6月11日から9月30日と1~3月は禁漁期となり、漁期は3月下旬から6月上旬までの春漁と10月下旬から12月下旬の秋漁に分かれています。
桜えびに含まれる栄養
桜えびはえび1尾を丸ごと食べることができるため、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、多種類の栄養素を摂取することができます。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の構成成分になる他に、細胞分裂や筋肉の収縮、血液凝固作用などにもかかわっています。桜えびは桜エビを殻ごと食べることができるため、カルシウムをしっかりと摂ることができます。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは赤色の色素の一種です。非常に強い抗酸化力があり、抗酸化ビタミンといわれるビタミンEと比較すると、その抗酸化力は500~1000倍にも相当するといわれています。生活習慣病の予防や免疫不活化作用の他に、眼精疲労や糖尿病の合併症である糖尿病性腎症に対しての効果についても研究が進められています。
タウリン
タウリンはタンパク質が分解される過程でできる、アミノ酸に似た物質です。人の体内では心臓や肺、肝臓、脳、骨髄など、いろいろな臓器に広く存在し、生命の維持に欠かせない成分であると考えられています。血中コレステロール値を抑制したり、インスリンの分泌促進、血圧を下げるなど、生活習慣病の予防に効果があると考えられています。母乳の中にも豊富に含まれており、乳児の発達にもかかわっています。
キチン・キトサン
キチンとキトサンは、カニやエビなどの甲殻類に含まれている多糖類です。キチンとキトサンでは構造が少し異なり、人はキチン・キトサンを消化する酵素を持たないため、消化管内では食物繊維と同じような働きがあります。脂肪やコレステロールの吸収を阻害して血中濃度を低下させる効果などが期待されます。
DHA
桜えびからは青魚に多く含まれているDHAも摂取できます。DHAは人の体内ではほとんど作ることができない必須脂肪酸の一種です。人の体内では脳や神経に多く存在し、母乳にも豊富に含まれています。脳や神経の発達に必要で記憶や認知機能への効果が期待され、研究が進められています。
薬膳の効果
薬膳では、生のえびも干しえびも同じ効果があるとされています。体を温めてスタミナをつける強壮効果があるといわれています。腎の働きを整え、気力も体力も増進します。めまいやふらつき、手の震えなどの症状や、下半身に冷えを感じるときにも有効です。
桜えびのおすすめレシピ
一般的には、乾燥の桜えびが入手しやすく使い勝手もよいといえますが、冷凍品や釜揚げの桜えびは乾燥品とは違った美味しさがあります。旬の時期には、ぜひ利用してみましょう。
【桜えびの玉子焼き】
【材料】
・卵 2個
・桜えび(乾燥) 8g
・青ねぎ 6g
・和風だしの素 小さじ1/2
・酒 大さじ1
・みりん 小さじ2
・ごま油 小さじ1/2
【作り方】
1. 青ねぎは洗って小口切りにします。
2.ボールに卵を割って溶きほぐします。
3.他の材料を全て入れて、混ぜます。
4.フライパン(または卵焼き器)を火にかけごま油を入れ、キッチンペーパーで全体によくなじませます。
5.フライパンが温まったら卵液の1/4程度を流し入れ、素早く円を描くように全体を混ぜます。
6.フライパンの向こう側から手前に巻くように折り返してきます。
7.手前まで来たら、卵を向こう側にずらし、空いたスペースに卵を流し入れます。
8・焼けている卵を箸で持ち上げて、下にも卵液を流し込むようにします。
9.卵液が固まらないうちに、手前に巻いてきます。
10.同じ作業を卵液がなくなるまで繰り返します。
11.卵液が全部、焼けたらまな板にとります。形が悪いときは、暑いうちに巻きすやキッチンペーパーなどで包んで押さえると、形が修正できます。
12.冷めたら適当な大きさに切り分けてできあがりです。
桜えびレシピのまとめ
乾燥の桜えびは保存性が高く、チャーハンやかき揚げなどに手軽に使用できます。そのまま食べてもおいしくて栄養豊富なので、子どものおやつやおつまみとしてもピッタリです。
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