お鍋に天ぷら、ソテーなど、さまざまな料理に大活躍なしいたけ。旨味たっぷりなしいたけは美味しいだけでなく、生活習慣病予防の効果も期待できる栄養価に優れた食材です。しいたけの栄養と簡単レシピをご紹介します。
目次
◆しいたけとはどんな食材?
現在流通しているしいたけのほとんどは栽培物で、「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類の栽培方法があります。原木栽培はクヌギやコナラなどの丸太に穴を開けて種菌を植えて栽培する方法で、収穫までに1〜2年ほどかかります。旬の時期は春と秋の2回あり、冬を越した春のしいたけは「春子」と呼ばれ、身が締まっており旨味が強いことが特徴です。
一方、菌床栽培はおがくずと栄養剤を混ぜて作る菌床に種菌を植えて栽培する方法です。6ヶ月ほどで収穫することができ、大量生産が可能なので近年は菌床栽培が主流となっています。
◆しいたけの選び方と保存方法
・全体がよく乾いているもの
・軸が太くて短いもの
・裏のヒダが白くきれいで変色がないもの
購入後はカサを上にしてビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。あまり日持ちがしないので、早めに食べきることがおすすめです。
◆しいたけに含まれる栄養
【しいたけ(可食部100gあたり)】
エネルギー…19㎉
たんぱく質…3.0g
炭水化物…5.7g
カリウム…280㎎
マグネシウム…15㎎
ビタミンB1…0.13㎎
ビタミンB2…0.20㎎
ビタミンD…0.4μg
ビタミンB6…0.21㎎
食物繊維総量…4.2g
参考:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
・悪玉コレステロールを減らす!エリタデニン
エリタデニンはしいたけとマッシュルームに含まれている成分ですが、マッシュルームには少量しか含まれていないので、しいたけ特有の成分とも言えます。悪玉コレステロールを低下させる働きがあり、血流をよくして血圧を低下させることから動脈硬化や高血圧予防にも効果が期待できます。
・免疫力を高める!βグルカン
きのこに多く含まれている食物繊維の一種で、糖質や脂質の吸収を抑える効果や整腸作用が期待できます。また、体の免疫力を高めてがん細胞の増殖を抑制する効果もあると言われており、がん予防にも効果が期待されています。
・カルシウムの吸収を助ける!ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸着を高める骨の健康に欠かせない栄養素です。魚介類やきのこ類に多く含まれています。ビタミンDは食品から摂取する他に、日光に当たることで紫外線により皮下で合成されます。また、免疫力をアップする効果も期待できます。
・生活習慣病予防にも効果的!食物繊維
不溶性食物繊維は腸の中で水分を吸い込んで膨らみ、腸を刺激することで便通を促して便秘の解消に役立ちます。また、有害物質を排出する効果もあります。水溶性食物繊維は、腸内環境を整える効果や血糖値の急激な上昇を抑える、コレステロールの吸収を抑制する効果が期待できます。食物繊維は噛み応えがあるので満腹感を感じやすく、しかも低カロリーなので肥満予防にも効果的です。
◆しいたけで生活習慣病予防?
しいたけにはビタミンB群やビタミンDが豊富に含まれています。先ほどご紹介したようにビタミンDはカルシウムの吸収を助ける栄養素。しいたけとカルシウムが豊富な小魚や乳製品を一緒に食べることで、骨粗しょう症予防に効果が期待できます。また、エリタデニンは動脈硬化や高血圧の予防に効果が期待できる成分。血液をサラサラにする効果があるE P Aや D H Aを多く含む魚と一緒に食べることでさらに効果が期待できます。さらに、しいたけに含まれているβ-グルカンはがん予防に効果が期待できます。また、血糖値の上昇を緩やかにしたり、余分なコレステロールを排出する働きがある食物繊維も豊富です。100gあたり19kcalと低カロリーな食材なので、ダイエット中のかさ増し食材としても大活躍。健康維持のためにぜひ、毎日の食事に取り入れたいですね。
◆しいたけの栄養を上手にとるコツ
・洗わない
しいたけは水で洗うと食感が悪くなり風味が落ちてしまいます。汚れがついている場合は湿らせたキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。
・短時間で火を通す
しいたけには熱に弱い性質があるビタミンB群が豊富に含まれています。長時間加熱するとビタミンB群の含有量が少なくなってしまうので、加熱時間は短めにすることがポイントです。ビタミンB群は水溶性なのでスープやあんかけなど、汁ごと食べることができる料理にすると栄養をムダなく摂取することができます。また、旨味成分のグアニル酸は加熱すると増加するので、加熱調理をすることでより美味しく食べることができます。
・天日干しにする
生しいたけに含まれているエルゴステロールは紫外線に当たるとビタミンDに変化します。エルゴステロールが多く含まれているかさのひだを上にして、調理前に30分ほど天日干しすることによってビタミンDが大幅に増加します。
・冷凍する
しいたけを冷凍すると細胞壁が壊れることで、より旨味を感じることができるようになります。また、栄養成分も溶け出しやすくなり栄養を効率よく摂取することができます。キッチンペーパーで汚れを拭き取ってから食べやすい大きさに切り、ジッパー付きの保存袋などに入れて冷凍しましょう。調理する際は、解凍せず凍ったまま調理することがポイントです。
◆しいたけのおすすめレシピ
しいたけのジョン
ジョンとはピカタのような韓国料理。おつまみにもぴったりです。
【材料(2人分)】
しいたけ…8個
薄力粉…適量
卵…1個
塩…少々
サラダ油…大さじ1
*たれ
酢…小さじ2
しょうゆ…小さじ2
ごま油…小さじ1
白いりごま…小さじ1/2
粉唐辛子…お好みで
【作り方】
① たれの材料を混ぜ合わせておく。
② しいたけは軸を切り落として、薄力粉を薄くまぶす。卵をボウルに溶きほぐし、塩少々を加えて混ぜる。
③ フライパンにサラダ油を中火で熱し、しいたけを溶き卵にくぐらせてフライパンに並べて中弱火で焼く。両面焼き色がつけば、もう一度卵にくぐらせて同じように焼く。
④ 火が通れば皿に盛り、たれをつけていただく。
【ポイント】
・しいたけは小ぶりなものを使用しました。大きいしいたけを使用する場合は分量を調整してください。
・しいたけの軸を一緒に焼いても美味しいです。
◆しいたけレシピのまとめ
美味しいだけでなく、生活習慣病予防にも効果が期待できる栄養満点のしいたけ。骨粗しょう症予防のためには、ぜひ天日干ししてから調理してみてくださいね。和洋中さまざまな料理に活用できるので、毎日の食事に取り入れて健康に役立ててみてはいかがでしょうか。
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