目次
豆乳とはどんな食材?
大豆を原料として、豆腐にかためる前の乳液状のものが豆乳です。
豆乳の歴史
豆乳が原料の豆腐は、約2200年前には中国で作られていました。豆乳は豆腐の製造に必ず必要であり、中国では「豆漿(ドウジャン)」と呼ばれて食用に利用されていたと考えられています。日本には奈良時代に中国から豆腐の製造方法が伝わったといわれており、豆乳も伝わっていたと考えられますが、そのまま飲み物として利用していたかどうかははっきりわかっていません。豆乳はその青臭さとえぐみが原因で、そのまま飲む飲料としては、なかなか一般的に受け入れられませんでした。1970年代になって豆乳の脱臭法が確立されたことで豆乳は飲料として商品化され、昭和57、58年には豆乳ブームがおこり一般的に広まりました。現在は日本国内での消費量は増加傾向にあり、世界的にもベジタリアンやヴィーガン向けとして、需要が大きくなっています。
豆乳の種類
豆乳には日本農林規格(JAS)による分類があります。
・豆乳:大豆固形分8%以上(大豆タンパク質換算3.8%以上)
豆乳に水以外のものを加えていない豆乳で、無調整豆乳とも呼ばれます。
・調整豆乳:大豆固形分6%以上(大豆タンパク質換算3%以上)
豆乳に砂糖、塩、油脂、香料などを加えて飲みやすくした豆乳です。
・豆乳飲料:(イ)果汁入り 大豆固形分2%以上(大豆タンパク質換算0.9%以上)
(ロ)その他 大豆固形分4%以上(大豆タンパク質換算1.8%以上)
調整豆乳に果汁やコーヒーなどを加えた豆乳です。豆乳が苦手な人でも飲みやすくなっていますが、エネルギーや糖質は高くなります。
豆乳に含まれる栄養素
豆乳の原料である大豆に含まれる植物性タンパク質の多くは水溶性であるため、そのほとんどは豆乳に残ります。また食物繊維のほとんどは、おからの方に残ります。
大豆タンパク
大豆タンパクは大豆に含まれる植物性タンパク質です。植物性タンパク質は、動物性タンパク質と比較するとアミノ酸スコアが低いものも多いのですが、大豆タンパク質はアミノ酸スコア100がです。タンパク質の必要量は年齢や体格、運動量などによって個人差がありますが、動物性タンパク質と植物性タンパク質は1:1の割合で摂ることが望ましいといわれます。大豆タンパク質は体内での分解・吸収に時間がかかり満腹感が持続するといわれ、食べ過ぎや間食を減らす効果が期待できます。他にもコレステロールの上昇を抑えたり、血小板の凝集を抑制するなど、血液の健康維持に役立つと考えられています。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは大豆の胚芽に含まれているポリフェノールの一種で、エストロゲンという女性ホルモンと似た構造を持っています。大豆イソフラボンは体内にエストロゲンが不足していれば補い、過剰なときには減少させるように働くことがわかっており、ホルモン依存型のがんを予防する効果が期待されています。また女性は、閉経後にエストロゲンが減少することで骨粗しょう症のリスクが高まります。大豆イソフラボンがエストロゲンの代替として働くことで、骨粗しょう症の予防にも役立つと考えられます。
大豆サポニン
大豆をゆでたときに泡立つことがあるのはサポニンの影響で、サポニンは水に溶けて泡立つ性質があります。一般的には調理の際にアクとして取り除かれてしまうことも多いのですが、抗酸化作用があるほか、小腸での脂肪吸収を抑制したり、血液中のコレステロールや中性脂肪を排出する効果があるといわれています。
大豆レシチン
レシチンは脳や神経組織、肝臓などに多く存在するリン脂質の一種で、細胞膜の主要な構成成分です。血中のコレステロールを低下させる作用や、脳細胞の働きを活性化して脳の老化予防にも効果が期待されています。
大豆オリゴ糖
大豆由来のオリゴ糖は、腸内細菌の栄養となって善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
薬膳の効果
血を補い体液を増して体を潤す効果があります。貧血や低血圧、鼻づまりや気管支が弱い人、粘りのある痰がでるなどの症状にも有効です。
豆乳のおすすめレシピ
豆乳は日本農林規格による種類表示がされています。選ぶときに注目したいのは大豆固形成分で、大豆固形成分が多いほど大豆の栄養が多く摂取できると考えられます。大豆固形成分が8%以上の無調整豆乳は加熱するとゆばができたり、にがりを使って豆腐を作ることができます。調整豆乳や無調整豆乳では大豆固形成分は少なくなりますが、いろいろな味やフレーバーがあり飲みやすくなっています。豆乳は未開封であれば常温で保存が可能なものがありますが、直射日光が当たらない涼しい場所で保管しましょう。開封後はあまり保存がききません。ストローなどを使って直接口をつけて飲む商品は、開封後はすぐに飲み切りましょう。容量の多いファミリーパックの商品は、開封後は冷蔵庫で保管して、2~3日中にできるだけ早く飲み切りましょう。飲み切れない場合は製氷皿などに入れて冷凍すると、シチューやスイーツなどを作るときに利用できます。
【豆乳キムチ鍋】
【材料】(17㎝土鍋 1~2人分)
・大根 100g
・白菜 100g
・豆腐 175g
・豚肉 150g
・キムチ 80g
・鶏がらスープの素 小さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 小さじ1
・しょう油 小さじ1
・塩 適宜
・豆乳 150g
【作り方】
1.大根は洗って皮をむき、食べやすい大きさに切ります。白菜は洗ってから葉先と芯に分けて、それぞれ食べやすい大きさに切ります。豆腐はざるにのせて水分をきってから、食べやすい大きさに切っておきます。
2.調味料を150mlの水に溶かし、土鍋に入れます。大根と白菜の芯を入れて火にかけます。
3.煮立ったら、水をきっておいた豆腐、豚肉、キムチ、白菜の葉を入れ、ふたをして煮ます。
4.豚肉に火が通ったら味をみて、塩で調整します。火を止めてから豆乳を入れてできあがりです。
※ 野菜類は上記の他、お好みの野菜を入れてください。野菜から水分が出るので最初に入れる水の量は少なめです。様子をみてあとから水分を足して調整してください
※ キムチの種類によって塩分や辛さが異なります。お好みでキムチの量は調節してください。
※ 豆乳は煮たてると凝固することがあります。火を止めて最後に入れるか、土鍋から取り分けてから入れるとクリーミーに仕上がります。
「豆乳レシピ」まとめ
豆乳は大豆を原料とした、豆腐をかためる前の液体の状態のものです。大豆の健康成分が含まれており、手軽に摂取できます。飲み物として一般的になったのは比較的最近のことですが、おいしく飲みやすい商品も増え、世界的にも需要が増えています。料理やスイーツにも利用できるので、ぜひ取り入れてみましょう。
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