良質なタンパク質を含んだツナ缶|買い置き必須

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ツナ缶とはどんな食材?

ツナ(Tuna)は、スズキ目サバ科マグロ属に分類される魚の総称です。日本では主にビンナガマグロ、キハダマグロ、メバチマグロ、カツオなどを原料として作られた缶詰をツナ缶(ツナ缶詰)と呼びます。

ツナ缶の歴史

1903年、アメリカカリフォルニア州のアルバート・P・ハーフヒルがマグロ油漬け缶詰を発明したといわれています。日本でも各地の水産試験場で研究されていましたが、なかなか品質の良い製品ができず、1929年に静岡県水産試験場の技師である村上芳雄氏が作ったマグロ油漬け缶詰が最初の成功例といわれています。1930年に地元の清水食品が国産初となるマグロ油漬け缶詰を製造してアメリカに輸出し、1931年には後藤缶詰(現在のはごろもフーズ)も製造を開始しました。第二次世界大戦後、後藤缶詰はいち早く日本向けに製造を開始し、ツナの缶詰が日本中に広まっていきました。

ツナ缶の原料

ツナ缶の原料となる魚は主に4種類です。
・ビンナガマグロ
マグロ類の中では最も小型で、大きいものでも30㎏程度といわれます。体形はラグビーボールのような紡錘型で、胸びれが長いのが特徴です。ビンナガマグロの「ビン」とは人の左右の頭髪を指す言葉で、長い胸びれをビンに見立ててビンナガマグロと呼ばれるようになったといわれています。魚肉は白くて淡白な味です。
・キハダマグロ
マグロ類の中では体長が長く大型で、100㎏ほどの個体もありますが、缶詰の原料となるのは10㎏~30㎏のものです。体表面が黄色味を帯びているのでキハダマグロと呼ばれます。魚肉の肉質がやわらかいのが特徴で、刺身でもおいしい魚です。
・メバチマグロ
目が大きいことからこの名前で呼ばれています。マグロ類の中では比較的大型で、最も海の深いところを泳いでいます。魚肉は赤身で、刺身として最も一般的な魚です。
・カツオ
カツオは大きな群れをつくる回遊魚です。大きいものでも10㎏程度で、缶詰の原料には比較的大型で脂ののったものが使われます。背中は暗青色、腹部は銀色で数本の縞模様があります。魚肉は赤身でやわらかく、うま味の多い魚なので、かつお節や刺身など広く利用されています。

ツナ缶の種類

ツナ缶は調味液と形状によって分類できます。
<調味液>
商品により差異がありますが、一般的には3つの調味液による調理方法があります。
・油漬け
調味液の半分以上に植物油を使用したものです。
・油入り水煮
調味液に植物油と水やスープなどを使用したものです。
・水煮
調味液に油を使用せず、水やスープで仕上げたものです。
<形状>
・ソリッドタイプ
ブロックタイプとも呼ばれます。魚肉をほぐさずに大きなかたまりのままパックしたものです。
・チャンクタイプ
ひと口大程度の大きめにほぐした形状です。
・フレーク
フレーク状に細かくほぐしたものです。

災害備蓄品としてのツナ缶利用

ツナ缶の賞味期限は、一般的に未開封で3年程度の長期保存が可能です。ツナ缶は製造工程において脱気して加圧加熱殺菌されており、缶詰の中は無菌状態のため、理論上は腐敗しないといえます。ツナ缶は製造後缶の中で熟成が進みうま味が増すため、製造されたばかりの商品よりも賞味期限が近いものの方がおいしいともいわれます。缶を開けてそのまま食べることができ、さらにいろいろな料理にも利用できることから、災害時の備蓄食品としてローリングストックするのに最適な食品です。賞味期限は原料や加工方法などによって異なる場合もあるので、商品に記載されている賞味期限を確認しましょう。

※ローリングストックとは、災害時の備蓄品を日常的に使用しながら買い足し、常に一定量の在庫を持っておく方法です。

ツナ缶の栄養

ツナ缶は調味液の種類によってカロリーが異なります。油漬けのものは水煮よりもカロリーは高くなりますが、使用時に油をきることでカロリーを抑えることができます。ツナ缶の油や調味液にはうま味があるので、調理の際にはうまく利用しましょう。

動物性タンパク質

ツナ缶の原料はマグロやカツオなどの魚で、良質のタンパク質を含んでいます。タンパク質は体を作る構成成分であるだけではなく、体の機能を調整するための酵素やホルモンとしても重要な働きがあります。また正常な免疫機能を維持するためにも必要です。

DHA・EPA

DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)は、魚油に含まれる脂肪酸の一種です。DHAは脳や神経に存在し、母乳にも含まれています。脳の発達や記憶とかかわっているとされて研究が進められています。EPAは血液をサラサラにする効果が確認されており、血栓や動脈硬化の予防効果が期待されています。どちらも人の体内ではほとんど合成できない必須脂肪酸で、食品から摂る必要があります。

ビタミンK

ビタミンKは血液凝固にかかわるビタミンです。ビタミンKが不足すると、出血したときに血が止まりにくくなる可能性があります。またカルシウムを骨に沈着させるのを助ける働きがあるため骨を丈夫にしたり、骨粗しょう症の予防にも必要です。

ナイアシン

ビタミンB群の仲間です。補酵素として糖質、脂質、タンパク質の代謝やエネルギーの産生にかかわっています。

薬膳の効果

気・血を補い、体を温めて血流を促進します。血液をサラサラにして、血栓予防や動脈硬化の予防効果が期待できます。

ツナ缶のレシピ

ツナ缶は常温で保管します。缶に記載されている賞味期限は、未開封で適切な環境で保管したときのものです。開封時には缶の状態を確認し、缶が膨張していたりサビがついている場合は、賞味期限内でも劣化や変質の可能性があります。開封したツナ缶は使い切るのが理想的ですが、残った場合は缶のまま保存せず、密閉できる容器などに入れかえて冷蔵庫で保存しましょう。空気を抜いてラップに包むか、密閉できる保存袋などに入れて冷凍保存もできますが、風味や食感が変わることがあるのでできるだけ早く使用しましょう。

【にんじんとツナ缶の卵炒め】

にんじんとツナ缶の卵炒め

【材料】(作りやすい分量)
・ツナ缶(油漬け)   1個
・にんじん       250g
・卵          1個
・酒          大さじ1
・みりん        大さじ1
・めんつゆ       小さじ2
・塩・こしょう     適量

【作り方】
1. にんじんは洗ってから適当な長さの千切りにしておきます。

作り方1

2. ツナ缶の油をフライパンに入れて、にんじんを炒めます。
3. にんじん全体に油がまわってしんなりしてきたら、酒とみりんを加えふたをして蒸し焼きにします。
4. にんじんに火が通ったらツナ缶を加えて炒め合わせます。

作り方4

5. めんつゆを加えて汁気がなくなるまで炒めます。
6. 卵を溶いて全体にまわし入れてさらに炒め、塩・こしょうで味をととのえたらできあがりです。

作り方6

ツナ缶レシピのまとめ

ツナ缶はマグロやカツオが原料の缶詰で、原料や調味液、形状によっていくつか種類に分けられます。そのまま食べることもできますが、いろいろな料理にも使えるため、買い置きしておくことで災害時の備蓄としても利用できます。ぜひローリングストックしましょう。

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この記事の提供元:シルバーライフ

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