パイナップルの栄養とおすすめレシピ

パイナップルの栄養とおすすめレシピ
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

トロピカルフルーツの中では、比較的古くから私たちになじみがあるパイナップル。一見すると恐竜の卵かと思うような強健な外見からは想像もつかないような、ジューシーで香り高く、美味しいフルーツですね。今回はパイナップルの栄養や、料理に生かすおいしいレシピをご紹介します。

◆パイナップルとはどんな果物?

パイナップルはアナナス科の多年草で、普段食べているものは、果実がたくさん集まってできた、いわば集合体になります。原産地は南アメリカで、ポルトガル人が西インド諸島を探検中に発見し、ヨーロッパに持ち帰りました。

パイナップルという名前は、パイン(松)アップル(りんご)の二つの言葉が合わさってできており、松かさのような形で、味はりんごにいているということから名づけられたということです。

2019年、FAO(国際連合食糧農業機関)の集計によると、生産量第一位はコスタリカで11.8%、ついで、フィリピン、ブラジル、インドネシアと続いています。
日本へは江戸末期にオランダより伝えられ、現在では沖縄や石垣島、小笠原諸島などで栽培されています。

◆パイナップルの選び方・保存方法

葉がついているものは色が濃く、先端まで瑞々しくピンとはりがあるものが新鮮です。また果実の部分は黄色く、ふっくらと丸いもの、かぐと甘い香りが感じられ、ずっしりと重みがあるものを選びます。葉とは反対側の切り口の部分から傷んでいくので、切り口が瑞々しく、きれいなものを選びましょう。

パイナップルは収穫後追熟して甘味が出る果物ではないため、購入後は速やかに召し上がることをお勧めします。一度に食べることができないときは、一口大に切り、冷蔵庫に保管しておくか、パイナップルの1/4~1/2量の砂糖を加えて煮て、ジャムにしたり、小さく切って冷凍したりしておくとよいでしょう。
冷凍パイナップルは、夏の暑い日にいただくおやつにも良いですよ。

◆パイナップルに含まれる栄養

①ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用が高く、肌や血管の老化を防いだり、免疫力を高めたりする働きがあります。また、骨や肌の細胞同士を結合するコラーゲンを作り出す働きを、サポートしています。

②クエン酸
クエン酸は私たちが食べたものからエネルギーを作る働きがあります。これをクエン酸回路といい、私たちの細胞の中にあるミトコンドリアに働きかけ、疲労がたまると体内に溜まる乳酸を分解し、すみやかに疲労を回復する働きがあります。また、ミネラル類の吸収を高めるほか、肝機能の改善にも効果があります。

③食物繊維
食物繊維には水溶性、不溶性の2種類があります。水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにして、血糖値の上昇を抑えるほか、コレステロールを吸着して体外に排せつしたり、腸内細菌のエサとなってビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えたりする働きがあります。
一方、不溶性食物繊維は腸を刺激して、腸の蠕動運動を活発にし、排便を促すことで腸内環境を整える働きがあります。

④プロメライン
プロメライン、またはプロメリンはたんぱく質分解酵素のことで、肉や魚の消化吸収を助ける働きがあります。また、腸内環境を整え、ガスの発生を抑える作用があります。

⑤カリウム
カリウムは取り過ぎたナトリウムと結合し、体外へと排せつする働きがあります。また、高血圧を予防し、むくみを解消したり、筋肉の働きを正常に保ったりする働きもあります。

⑥マグネシウム
マグネシウムは私たちの体を作り、生命のサイクルを維持するために働く、約300種類ある酵素を助ける、補酵素として利用されているミネラルの一つです。
また、カルシウムやリンとともに骨を形成して、丈夫な骨を作る働きがあります。

⑦ビタミンB1
ビタミンB1は糖質の代謝を促す働きがあり、スムーズにエネルギーを生成して、すみやかに疲労を回復する働きがあります。また、脳の大切な栄養素として働くブドウ糖からのエネルギーの生産を促すことから、脳の働きを助け、イライラを解消したり集中力を保ったりする働きがあります。
江戸時代に多くみられたかっけは、ビタミンB1不足が原因だといわれています。

◆パイナップルのおすすめレシピ

シーフードサラダパイナップルドレッシング

シーフードサラダパイナップルドレッシング

パイナップルを使ったハンバーグやハムステーキは有名ですね。香りがよくさわやかな味わいは、肉類だけではなく、シーフードにもとてもよく合います。薬膳では、パイナップルは穏やかに体の熱を冷まし、胃腸を元気にするといいます。夏バテで食欲が低下しているときや、おもてなしなどにも、黄色い見た目が華やかに食卓を彩ってくれますよ。

【材料】   2人分

・鯛、エビ、イカなどシーフード・・・適宜
・ベビーリーフ、プチトマトなど・・・適宜
・パイナップル・・・1/8個分
・酢・・・大さじ1
・塩・こしょう・・・各適宜
・オリーブオイル・・・大さじ1
(お好みでピンクペッパーなど)
材料

【作り方】

①刺身など生食用のものは、一口大に切ります。加熱用のエビなどは、必要に応じて下処理し、茹でておきます。

②パイナップルは1/3量を角切りにし、飾り用に用意しておきます。残り1/4のパイナップルを粗みじん切りにし、ドレッシング用に用意しておきます。
パイナップルは1/3量を角切り

③酢、塩・こしょうを加えてまぜ、味見をします。甘味がたりなければ砂糖、または、はちみつ(分量外)を加え、味を調えてからオリーブオイルを加えてさらに混ぜ、ドレッシングを作ります。
酢、塩・こしょうを加えてまぜ

④きれいに洗って水気をしっかりと切ったベビーリーフ、プチトマト、①のシーフード、②のパイナップルを彩りよく皿に盛り、④のドレッシングを回しかけます。

◆パイナップルレシピのまとめ

トロピカルフルーツの王様ともいわれるパイナップル。比較的手に入りやすく、なじみがありますね。

たんぱく質分解酵素を含み、肉類を漬け込むタレにすりおろしたパイナップルを加えておくと、柔らかく仕上げることができるとともに脂っぽい肉の消化を助けてくれます。

しかしながら、この酵素は私たちの肌にもピリピリとした刺激を与えてしまうことがあります。肌が敏感な方は注意して召し上がってくださいね。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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