夏の夜といえば、先ずはビールと枝豆、おいしいですね。この枝豆、単にビールに合うおつまみ、というだけではなく、お弁当の彩り、朝食や夕食のおかずの一品としても、とても便利です。しかも、とても栄養価が高い食品なのです。今回はそんな枝豆の小さな一粒が秘めた栄養や、おいしいレシピをご紹介します。
目次
枝豆とはどのような野菜なのでしょうか?
枝豆とは、主に大豆が完熟する前に収穫する、いわゆる未成熟の状態の豆のことです。
大豆そのものはシベリアから東アジア、あるいは中国南西部が原産とみられているのですが、諸説あり、明確な原産地は確認されていません。
日本へは2000年ほど前に伝えられたとされ、日本書紀にはすでに大豆に関する記述が認められ、平安時代ごろから枝豆としても食べられていたのではないかと考えられています。
現在、枝豆は日本各地で栽培されており、農林水産省による2017年の収穫量によると、1位が北海道、2位が群馬県、3位が千葉県と続いています。また、兵庫県の丹波黒豆、山形県の茶豆など、その土地ならではの枝豆が生産されているので、いろいろと食べ比べてみるのも楽しいですね。
枝豆の栄養価は?
大豆は豆類に分類されているにもかかわらず、その未熟果である枝豆は、野菜に分類されています。ここからは枝豆に含まれる栄養価や効能をご紹介します。
① たんぱく質
大豆を若いうちに収穫した枝豆には、たんぱく質が多く含まれています。たんぱく質は三大栄養素の一つで、標準的な成人の場合、体重の約1/5を占め、筋肉や血液に含まれているだけではなく、エネルギー源としても利用されています。
また、常に分解・生成を繰り返しているため、毎日取り続ける必要があります。
肉類とは違いあっさりと食べられる枝豆は、食欲がわかないときにも比較的食べやすいですね。ゆでた枝豆100gには11.5g、若干水分が抜けている冷凍の枝豆100gには13gのたんぱく質が含まれています。
② ビタミンB1
水溶性ビタミンの一種、ビタミンB1は糖質をエネルギーに変え、疲労回復を助け、糖が唯一のエネルギー源である脳神経系を健康に保つ働きがあります。
また、皮膚や粘膜の健康を担っています。ゆでた枝豆100gには0.24mg、冷凍の枝豆100gには0.28mgのビタミンB1が含まれています。
③ ビタミンC
野菜として分類される枝豆にはビタミンCも多く含まれています。ビタミンCはコラーゲンの形成に欠かせないビタミンで、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。
また、鉄分の吸収を助け、抗酸化作用が高く、動脈硬化や心疾患の予防を担っています。
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、毎日摂取する必要があります。
④ 葉酸
水溶性ビタミンの一種、葉酸は、細胞分裂を正常に行う働きを担っています。また、ビタミンB12とともに血液を作る働きがあり、不足すると巨赤芽球性貧血という悪性の貧血を引き起こします。
妊娠初期の女性が葉酸不足になると、胎児に発育障害などがみられることがあります。また、葉酸は、成人においては脳卒中、心筋梗塞などの循環器系疾患の発症リスクを軽減する働きが確認されています。
ゆでた枝豆100gあたり260㎍、冷凍の枝豆100gあたり310㎍の葉酸がふくまれています。
⑤ メチオニン
メチオニンは必須アミノ酸のひとつで、肝臓の老廃物や毒素を体外に排せつし、代謝を良くして血中コレステロールを低下させる働きがあります。脂肪肝を防ぎ、肝機能を保護してくれます。ビールをはじめとするアルコール飲料に添えられるのは、この働きゆえなのでしょうね。
また、メチオニンにはアレルギーを引き起こす原因になるヒスタミンの働きを抑制する作用があります。そのため、血中ヒスタミン濃度を抑え、アレルギー症状の抑制が期待できます。
そのほか、記憶力の向上、細胞の老化防止、また。抜け毛、薄毛の予防にも役立っているといわれています。
枝豆の選び方
枝豆を購入する際は、できるだけ新しいもの、できれば枝付きのものを選びます。
色鮮やかな緑色でうぶ毛がしっかりと濃いもの、粒が大きくぷっくりと膨らんでいるものが良品です。
枝豆の下ごしらえの仕方
枝豆 300g
塩 大さじ3
熱湯 1リットル
枝豆は、収穫後鮮度や旨み、栄養素がどんどん落ちていきます。購入後は速やかにさやの両端を切り落とし、分量中大さじ1の塩を利用して塩もみします。
鍋に湯を沸かし、残りの塩を入れて4分程度茹でてザルにあげ、手早く冷まします。
枝豆のおすすめレシピ
枝豆のすり流し
ビールのおつまみに最適な枝豆は、和風の冷たいポタージュ、すり流しとしていただいてもおいしいものです。
おつまみとして用意したものが残ってしまった場合にもおすすめです。
【材料】 2人分
枝豆(正味) 100g
数粒トッピングに残しておく
出汁 400cc
薄口しょうゆ 小さじ1
塩 適宜
プチトマト 2個
【作り方】
① 枝豆はこすり合わせて薄皮をむき、すり鉢でするか、出汁適宜とともにミキサーにかけ、滑らかにする。
(ミキサーにかける場合は、薄皮は粉砕されるため、むかなくてもあまり口にはあたりません。)
② ①に出汁を加え、薄口しょうゆ、塩で味を調える。
③ プチトマトは皮をむき、1/4程度に切る。
④ 器に②のすり流しを盛りつけ、③のトマトを添える。
まとめ
さまざまな栄養素を含み、私たちの体にとてもよい枝豆、お酒のおあてとしてだけでなく、日々のメニューにも活用して行きたいものです。
枝豆は茹でてさやをむいた状態で水を切り、冷凍しておくことができるので、お弁当などの彩りにも便利ですよ。初夏の大豆の枝豆にはじまり、茶豆、黒豆の枝豆と、少しずつ時期をずらしておいしい枝豆が市場に出回ります。
今回ご紹介したすり流しのほか、かき揚げ、炊き込みご飯など、さまざまに楽しんでくださいね。