塩の調理効果|食材の旨味を引き出す!

塩の調理効果|食材の旨味を引き出す!
医師監修の冷凍弁当で手軽に健康生活を

料理の味付けに欠かせない「塩」。塩は味付けをして美味しく食べる以外にもさまざまな調理効果があることをご存知ですか?普段何気なく使っている塩には、料理を美味しくする効果がたくさんあります。塩の種類や調理効果についてご紹介していきます。

◆塩の種類について

和洋中どんな料理にも欠かせない「塩」。スーパーにはさまざまな種類の塩が並んでいますが、その違いをご存知ですか?塩は原料や産地、製造方法によって味わいや含まれている成分も異なります。それぞれの特徴を知って、料理によって使い分けてみるのも楽しいですよ。
塩は大きく分けて、「精製塩」と「天然塩・自然塩」「再生加工塩」があります。

・精製塩

精製塩は、海水を電気分解してナトリウムイオンを抽出し煮詰めたものです。海水にはミネラルが含まれていますが、製塩の過程で取り除かれているため精製塩の成分はほとんどが塩化ナトリウムです。さらさらとしており、塩分の濃度が高いので塩辛いという特徴があります。

・天然塩・自然塩

天然塩・自然塩は、材料を煮詰めたり天日干しにすることによって作られる塩のことです。精製塩に比べてミネラルが含まれていることが特徴です。「粗塩」も天然塩の一種で、粒が大きくニガリが適度に残っているので旨味があります。

・再生加工塩

人工的にミネラルやにがりを加えて作られている塩です。輸入物の岩塩や天日塩を一度溶かし、塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどを加えて釜で煮詰めて結晶化させて作られます。ミネラルを加えることで塩辛いだけでなく深みのある味わいになります。

◆原料による塩の種類

原料による塩の種類

塩は原料によって、「海塩」「岩塩」「湖塩」の3種類に分けられます。

・海塩

海水から採取された塩のことで、日本で作られる塩のほとんどは海塩です。ミネラルが含まれており、まろやかな塩気が特徴です。天日干しにして水分を飛ばす方法や海水を煮詰める方法などで作られています。

・岩塩

もともと海だった場所が隆起するなどして海水が陸地に閉じ込められ、長い年月をかけて結晶化し岩のようになったものです。塩はもともと透明ですが、含まれている鉱物によって淡いピンク色や黒色など色がついているものもあります。海塩に比べて塩気が強めなことが特徴です。日本では岩塩は見つかっていませんが、世界的には岩塩がメジャーで世界の生産量の2/3は岩塩から作られていると言われています。

・湖塩

湖から採れる塩のことで、死海やカスピ海のように塩分濃度が高い塩湖から採取・製塩されています。ミネラルがバランスよく含まれており、柔らかな苦味と甘味があることが特徴です。

◆塩の調理効果とは?

塩の調理効果とは?

塩は単に味付けをして美味しく食べるだけでなく、さまざまな調理効果があります。

・甘味や旨味を引き立てる

スイカに塩をかけたり、ぜんざいに塩を少し加えることでより甘味が感じられるように、塩には食材の甘みを引き立てる効果があります。また、お出汁に塩を加えることで旨味をより感じられるように、食材の旨味を引き出す働きもあります。

・脱水効果

食材に塩をふっておくと浸透圧によって水分が出てきます。例えば、きゅうりの酢の物を作る時には、先にきゅうりに塩をふりしんなりとさせてから味付けをしますよね。これは、下ごしらえで食材の水分を抜いておくことで、味付けの調味料が馴染みやすくなるためです。また、味付けをした時に食材から水分が出て味が薄くなるのを防ぐ役割もあります。

・臭みをとる

肉や魚に塩をふってしばらくおくことで、浸透圧の働きで水分と一緒に臭みの成分が出てきます。この水分を拭き取ってから調理することで、臭みをとり美味しく食べることができます。

・変色防止

切ったりんごを放置しておくと茶色く変色してしまいますが、これはりんごに含まれているポリフェノールが酸化してしまうことが原因です。りんごを塩水につけておくと変色を防ぐことができるのは、塩に酸化を防ぐ働きがあるためです。また、ほうれん草などの青菜やブロッコリーなどは、塩ゆでにすることで鮮やかな緑色を保つことができます。

・保存性を高める

梅干しが長期保存可能な理由のひとつは塩を使用しているからです。塩には食材の水分を脱水する効果に加えて、水分を抱え込む性質もあり微生物の繁殖を抑えることができます。梅干し以外にも漬物や味噌、しょうゆなどさまざまな保存食に防腐効果の高い塩が使用されています。

◆日本人は塩分をとりすぎている?

日本人1日当たりの平均塩分摂取量は男性で11g、女性で9.3gです(厚生労働省平成30年「国民健康・栄養調査」より)。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると成人1日あたりの塩分摂取目標値は、男性で7.5g未満、女性で6.5g未満とされています。さらに、高血圧の方は6g未満にすることが必要と言われています。また世界的に見ると、「WHO世界保健機関の食事摂取基準」では5g未満にすることが必要とされています。それに比べると日本人は倍くらいの塩分をとっていることになりますね。
日本の伝統的な調味料には、しょうゆやみそなど塩分が多く含まれているものもあるので、料理を作る際は調味料の分量にも気をつけることが大切です。
和食なら、お出汁を効かせることがポイント。お出汁にはうま味成分が含まれているので、塩分控えめでも美味しく食べることができます。また、レモンや酢など酸味をプラスすると薄味が気になりません。和え物にレモンを加えてアクセントにしたり、焼き魚にレモンやすだちなどを絞るとさっぱりといただくことができます。さらに、大葉やみょうが、ねぎなどの香味野菜やカレー粉、唐辛子などのスパイスで風味付けをすることで、塩分控えめでも美味しく食べることができます。また、旬の食材を活用するのもおすすめです。旬の食材は味が濃く、甘みもあり素材そのものが美味しいので、味付けが薄めでも十分美味しく食べることができます。塩は健康な体を作るために欠かせないものですが、とりすぎは健康を損なってしまう原因にもなります。適切な塩分量を心がけましょう。

◆レシピ|ねぎ塩だれ

ねぎとしょうが、ごま油の風味が食欲をそそる塩だれです。蒸し鶏や唐揚げ、ソテーした豚肉や厚揚げなどにぴったりです。作ってから少しおくと味が馴染みます。

ねぎ塩だれ

【材料(2人分)】
白ねぎ…1/2本
しょうが…1/2片
塩…小さじ1/2
レモン汁…小さじ2
ごま油…大さじ1

【作り方】
① 白ねぎ、しょうがはみじん切りにする。

作り方①

② ボウルに塩、レモン果汁、ごま油、①を加えて混ぜ合わせる。

作り方②

◆塩レシピのまとめ

塩には味付けをする以外にも臭みをとる効果や旨味を引き出す効果など、さまざまな働きがあります。塩の働きを活用すれば、お料理がさらに美味しくなりそうですね。塩の種類によっても味わいが異なるので、料理によって使い分けてみてはいかがでしょうか。

おてがる制限食「まごころケア食」

この記事の提供元:シルバーライフ

記事一覧へ戻る