しらすなどの小魚は、適度な塩分とくせがない味で食べやすい上に栄養が豊富に含まれています。しらすの旬は春で、地方によっては秋ごろが旬のところもあります。旬の時期のしらすは、味が濃く甘みがあって栄養も豊富です。今回はしらすの栄養と効果的に摂取できるレシピをご紹介していきます。
目次
しらすとは
しらすとは、カタクチイワシやマイワシなどの稚魚のことで、体長が1~2㎝で生の状態では透き通っており、火を通すことで白色になります。しらすは漁港などでは水揚げ直後でしたら生しらすを食べることができますが、傷むのがはやいため、スーパーなどで手にするのは水揚げ直後に茹で上げられた釜揚げしらすであることが多いです。
生しらすや釜揚げしらす、しらす干し、ちりめんじゃこはすべて同じしらすで、生しらすは水揚げ直後のもの、それを茹で上げたのが釜揚げしらす、釜揚げしらすを少し干したものがしらす干し、さらに乾燥させたものがちりめんじゃこです。
しらすを選ぶポイントと保存方法
釜揚げしらすやしらす干しは白くてふっくらしており、大きさが均等で体が切れたりしていないものを選びましょう。しらすの体が切れているものは、しらすの食感が失われたり乾燥してしまいがちで品質が低下してしまいます。
しらすを保存するときには、買ってきたままを冷蔵庫で保存するようにしましょう。ざるなどに入れて保存すると少し乾燥がすすむので味が濃くなると言われています。釜揚げしらすやしらす干しは3~4日で食べきる必要があります。食べきるのが困難な場合には早めに冷凍保存しましょう。一度に使う量を小分けにしてアルミホイルに包んで密封の保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。解凍する場合には、冷蔵庫へ移動させて時間をかけて解凍しましょう。
しらすの栄養
しらすは非常に栄養価が高く、小魚に多く含まれるカルシウムだけでなく体によい成分をたくさん含んでいます。
・カルシウム
カルシウムは歯や骨を丈夫にし、骨粗しょう症や骨折などを予防することができます。骨折(特に大腿骨)は高齢者の寝たきりの大きな原因となりますので、小さい子どもや高齢者の方は積極的に摂取したい栄養素の一つです。
・ビタミンD
しらすにはビタミンDも含まれていて、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きを持っています。しらすを食べるだけでカルシウムを効率的に摂取することができます。
・エラスチン
エラスチンは不溶性たんぱく質で、コラーゲンと一緒に肌の張りや弾力を保つ成分で美肌効果があります。
・メチオニン
メチオニンは必須アミノ酸の1つで、細胞を作るタンパク質であるケラチンを作る成分です。メチオニンを摂取するということは、細胞が多く作られるということなので、老化予防や美肌効果が期待できます。
・核酸
核酸は、肌の皮脂分泌量をコントロールする効果があるため、核酸を摂取するとにきびを予防するなどの肌トラブルを回避することができます。
・セレン
セレンは、血液が固まるのを防いだり、血管を広げる効果があるので、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症予防をすることができます。抗酸化作用もあるため、老化防止やがん予防などにも効果が期待できます。
・ビタミン12
ビタミンB12には、脳神経や脳細胞の再生効果があるので、認知症予防や自律神経失調症の改善を期待できます。他にも貧血予防や疲労回復の効果もあります。
しらすの調理法【しらすときゅうりのポン酢おろし和え】
しらすは、カルシウムを多く含む食品です。カルシウムは、酢と一緒にとることでその吸収がよくなります。今回は、しらすをポン酢で和えた簡単サラダをご紹介します。
【材料】
・釜揚げしらす 100g
・きゅうり 1/2本
・大根 1/4本
・塩 一つまみ
・ポン酢 少量
・ごま油 小さじ1
【作り方】
① 大根はすりおろして水分を切っておきます。
② きゅうりは輪切りにして塩もみをするため、塩をふります。
③ きゅうりから水分が出てきますので、水気を絞ります。
④ そこへごま油としらすを加えて混ぜ合わせます。
⑤ しらすときゅうりをお皿に盛り、その上に大根おろしをのせ、ポン酢を少量たらせば完成です。
まとめ
しらすは、カタクチイワシやマイワシなどの稚魚のことで、カルシウムを筆頭に非常に多くの栄養素を含んでいます。しらすを食べることで、骨を丈夫にしたり、美肌効果や老化防止、認知症やがんの予防など、さまざまな効果を期待することができます。
しらすは、他の魚と違ってうろこの処理や骨や内臓の処理も必要なく、購入してそのまま食べていただくことができるのがメリットの1つです。わずらわしい調理をすることなく、美味しく召し上がっていただけるので、簡単に豊富な栄養を摂取することができます。単純に醤油やポン酢をたらして食べるのもおいしいですが、ひと手間をかけると立派な副菜になりますので、しらすときゅうりのポン酢おろし和えもぜひ試してみてください。