サラダやとんかつの付け合わせ、ロールキャベツやポトフなど、様々な食べ方ができるキャベツ。そんなキャベツの中には春キャベツと冬キャベツがあることをご存じですか?今回は、3月~5月が旬の春キャベツの栄養価や保存方法、おすすめのレシピをご紹介します。
目次
春冬の違いと最適なレシピ
まず、春キャベツと冬キャベツはどう違うのでしょうか。その違いは、収穫時期だけではありません。
・冬キャベツ
冬キャベツは夏ごろに種をまき、11~3月に収穫するもので、愛知の東三河地域や神奈川の三浦地域、千葉の銚子地域などで主に作られています。
形は楕円形のような形で、葉は硬く、しっかり巻かれていて隙間が少ないのが特徴です。美崩れをしにくいため、ロールキャベツ、ポトフなどの煮込み料理に適しています。
・春キャベツ
一方、春キャベツは、秋ごろに種をまき、4~6月に収穫します。海洋性気候の冬でも温暖な地域で作られていることが多く、千葉の銚子や神奈川の三浦地域で多く作られています。
形は丸く、切ってみると内部の葉が黄緑色になっています。葉の巻きが緩いので隙間が空いていて、みずみずしく葉が薄くて柔らかいのが特徴です。
柔らかくて甘みがある春キャベツは、サラダなど生食に適しています。
春キャベツの栄養価
・ビタミンC
疲労回復や風邪予防に効果があり、コラーゲンの生成を助ける働きがあるので、肌荒れにも効果的です。キャベツ100gで1日に必要なビタミンCのおよそ40%が摂取できるようです。
・ビタミンK
骨の形成や血液の凝固に効果的です。ビタミンKが不足すると、血が止まりにくくなることもあるようです。キャベツのなかで特に多く含まれている栄養素は、ビタミンCとビタミンKです。
・ビタミンU
胃酸が過剰分泌するのを抑える働きや胃粘膜の修正を助ける働きがあるので、胃痛、胸やけなどの改善に効果があります。潰瘍の予防にも効果的なようです。ビタミンUはキャベツから発見されたことから、キャベジンともいわれています。とんかつには必ずと言っていいほどキャベツが添えられていますよね。これは、揚げ物で胃がもたれるのを防ぐ役目があるからなんです。
・カロテン
キャベツの外側の濃い緑の部分に豊富に含まれていて、目を健康に保つ効果があります。また、内臓の粘膜を健やかに保つ効果も持っているので、風邪の予防にも期待ができます。
・カリウム
血圧を下げたり、筋肉の動きを助ける働きがあります。不足すると骨粗鬆症を発症する恐れがあるそうです。また、むくみの改善にも役立つそうです。
・葉酸
赤血球を生成したり、細胞の分裂を助ける働きがあります。胎児の発育に必要な栄養素となるので、妊婦さんは積極的に摂取することをおすすめします。
・食物繊維
腸内環境をよくする働きがあるので、便秘を改善する効果があります。
・カルシウム
骨を作るために必要な栄養素です。キャベツにはビタミンC、ビタミンKも入っていて、併せてカルシウムを摂取することができるので、骨を丈夫にする効果が高いそうです。
選び方と保存方法
選び方
スーパーなどで春キャベツを購入する場合、以下のポイントで選びましょう。
①葉の巻きが緩い
②葉の色が鮮やかな緑で、全体的にハリとつやがある
③根本(芯)の切り口が小さくて瑞々しい
保存方法
以下のように保存すると、長持ちするのでお勧めです。
①芯を包丁でくり抜く
②くり抜いた部分に水で濡らしたペーパータオルを詰める
③全体をラップで包む
キャベツの芯が葉の養分を吸ってしまい、葉がしなびてしまいます。芯をくり抜くことで、葉がしなびてしまうのを防ぎ、長持ちするのです。
食べるときに注意すること
春キャベツにはビタミンCやビタミンUが含まれています。このビタミンCやビタミンUは水溶性のビタミン、つまり水に溶けやすい性質を持っています。調理の際、洗うときはサッと手短にし、水につけすぎないようにしましょう。煮込み料理の場合は、栄養素が溶け出しているので、スープもしっかり食すようにしましょう。
また、キャベツは体を冷やしてしまう性質を持っているので、食べすぎには注意をしましょう。
レシピ|春キャベツ料理
春キャベツのアンチョビバター炒め
【材料】(二人分)
春キャベツ 1/4個
バター 15g
生クリーム 40ml
アンチョビペースト 小さじ1
【作り方】
①キャベツは一口大にざく切りにします。
②フライパンにバターを溶かし、①を中火で軽く炒めたら一度お皿に取ります。
③キャベツを移した後のフライパンに、生クリームを入れ、中火で軽く煮立たせながらアンチョビペーストを入れて溶かします。
④そこに②を戻し入れて絡めたら出来上がりです。
春キャベツレシピのまとめ
サラダやとんかつの付け合わせのような脇役でありながら、調理次第で主役にもなるキャベツ。栄養価が高く癖も少ない野菜なので、お子様でも食べやすいですよね。春キャベツは、冬キャベツに比べて柔らかく甘みもある野菜です。サラダなどの生食や、長時間火を通さない調理法で、春の味を楽しみましょう。
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